人権原理による社会保障の再構築を‼―国民の声を力に、新自由主義のごまかし歪曲と対峙しよう


6月9日、静岡市内において「学習の友」学習会を開催しました。

今回は6月号の特集記事、①「新自由主義的社会保障改革の現段階」(横山壽一金沢大学名誉教授)と、②「『最賃1500円+社会保障』で人間らしい生活を―非正規労働運動が提起した〈現役世代の生活保障〉」を読合せしました。 ①は、新自由主義の矛先が、福祉国家とりわけ社会保障に向けられ、「市場原理を浸透させることで人権原理を後退・変質させることに力を注いでき」たと指摘します。そこで、「新自由主義的社会保障改革の展開と現段階についてみていきます。」1980年代以降日本においても「構造改革」として「6大改革」が本格化し、社会保障については「高コスト構造の打破」として、公的責任の措置制度からの転換、福祉施設の民間委託・民営化、医療保険の給付と負担の見直し、市場型の介護サービスの創設と医療保険からの転換などを具体化してきたと云います。そして、新たな動向として、デジタル化の最大限の利用、マイナンバー・カードによる個人管理、民間に公的施設やサービスの解放も強化されているなどをあげています。さらに、高齢者窓口負担の強化、社会保障の圧縮など、新たな負担の仕組みによる負担強化も進んでいると指摘をします。 しかし、国民の粘り強い運動で後退を食い止め、守った部分も多々あり、人権原理が多くのところで維持され、反転攻勢を行う上での重要な足場となると云います。国民をごまかし歪めたり、無視している新自由主義としっかり対峙し、「総合的生活保障としての社会保障」をとの国民の声を「数に力」として示し、更に政治の革新へと進めていこうと訴えます。 ②は、生協労連委員長柳恵美子氏へのインタビュー記事で、生協労連の基礎的要求の一つ「最賃1500円」に、社会保障拡充を組み合わせ人間らしい生活をめざす運動方針の背景、問題意識を語っていただいた記事です。賃金があがらない社会のなかで、「本来国がやるべき社会保障負担を会社に押しつけてきた。国の責任を果たさせる必要があ」ると訴えています。 討論では、次のような意見がありました。「静岡市は、今の市立子ども園を最終的に半分を民間に移譲予定だと聞いたことがある。ほんとなら大変です。」「1985年のプラザ合意を調べたが、G5(米・英・仏・独・日)の財務大臣と中央銀行総裁が、米の貿易赤字の削減のために集まったもの。協調的ドル安政策を合意、当時1ドル235円だったのを215円になり、一年後には150円になった。」「これで日本の生産性が下がった。当時、金融自由化が明らかに進んだが、他の『改革』も進んでいった。」「社会保障と税制改革を進めるキーがマイナンバー制度だ。2015年導入。政府が自治体に指示して、いろんな情報の紐づけをしている。」「労働法制の改革、派遣法も1985年だ。」「この文書は短いが内容的には6大改革は膨大だ。」