第66回『資本論』学習会 第7篇、24章「本源的蓄積」第5節と第6節を学習する


10月24日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第24章の第5節と第6節を読み合わせ、ポイント説明、意見交換を行ないました。

 討論では、「1292ページに『徴税請負人』が出てくるが、具体的にどの様な人の事か」「租税徴収の一方式で、国家が租税の徴収を一定の契約で私人に委託し、その私人(徴税請負人)自身の計算で徴収させることをいい、その制度を徴税請負制というのではないか」「『資本は、頭から爪先まで、あらよる毛穴から、血と汚物とをしたたらせながらこの世に生まれてくる』と有名な言葉がある。第6節の内容は、原住民の絶滅と奴隷化と鉱山への埋没、東インドの征服と略奪、アフリカの商業的黒人狩猟場への転化、中国にたいするアヘン戦争など具体的に記述されている」「『公債は本源的蓄積のもっとも強力な槓の一つとなる。それは魔法の杖を振るかのように、不妊の貨幣に生殖力を与えてそれを資本に転化させ』とあるが、これは本源的蓄積ではないか、今日の日本でも国債が資本の蓄積に積極的な役割を果たしているまと同じではないか」「近代的租税制度が資本の本源的蓄積を推進する役割を果たした指摘も、日本の地租改正が本源的蓄積を推進した」などを話合いました。

◆次回は、11月14日(木)午後6時30分から。会場は、「アイセル21」第12集会室。内容は、第24章「いわゆる本源的蓄積」の第7節、第25章「近代植民理論」です。持ち物は、新日本新書版『資本論』第4分冊。

労働者保護への歴史に学び保護破壊の「働き方改革」阻止を!


静岡支部学習会を10月16日に行いました。

今回は10月号です。特集記事「労働者保護法はなぜ必要か」(青龍美和子弁護士)他2つを読合せました。資本主義は「契約自由の原則」が前提となって、成り立っています。しかし、労働契約にそれを貫くと圧倒的に弱い立場の労働者は、劣悪な労働条件の下で健康や命、人間らしい生活を害されてしまいます。そこで、20世紀頃から労働者を保護する労働法が生まれます。劣悪な就労環境や賃金、長時間労働に対処するために、労働条件の最低基準を定める。業務上起きた災害には労災保障制度。失業と就職についての就労援助制度や、失業保険制度。労働組合結成の許容、労働争議の刑事上の責任、民事上の責任の免責などが立法化します。やがて、労働協約に特別な効力を与え使用者による不当労働行為の禁止、救済制度等も実現していきます。この記事には、「日本では、実は戦前から労働組合法の制定が試みられ、政府や諸政党により、労働組合法のあるべき姿に関する議論が積み重ねられていました。その蓄積が戦後4か月という短期間で労働組合法を誕生させる基盤となった」と指摘しています。討論では、参加者全員が初めて目にした事実でした。しかし今労働者保護を破壊する「働き方改革」の動きがあります。「今こそ労働組合の(いつでも)出番!」歴史・経験に学び組織の発展を、と筆者は訴えます。

現代経済学習会『経済』10月号「米中相互依存経済から『新冷戦』化へ(下)」読み合わせ、意見交換する


10月15日(火)「現代経済学習会」を「アイセル21」で開き「米中相互依存経済から『新冷戦』化へ」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 討論では、「論文の中で5Gの事が出てくるが現状との違いは」「現在は4Gだが、通信速度は百倍以上速くなり、同時に接続する機器も増えます。また、遅延が少なくなりリアルタイムにデータを送受信できるようになり、自動車の自動運転、医療系技術などがさらに進化すると言われています」「現在の中国への政策は、オバマ政権第2期から始まり、その内容は『対中政策は対話と協議を基盤とした『関与』から、戦略的競争者へと切り替えられた』と紹介されている。トランプ政権だからの政策でなくアメリカ支配層の意思として考える事だと思う」「論文で『グローバル資本主義の既存勢力は、新台頭勢力を容易に受け入れる事が出来ない』21世紀の『中国巨大資本主義』参入は、既存秩序破壊者で恐怖されている。米多国籍企業への対決で経済問題から政治問題になっている」「論文を読んで『新冷戦』は、経済問題でなく中国との覇権争いの問題だと思う。米国はソ連を崩壊させた経験があり、中国共産党の支配を終わらせる事が目的ではないか。中国共産党も民主主義を認めないなど大きな矛盾を抱えている」など意見が出ました。

◆次回は、11月19日(火)午後6時30分より。会場は、「アイセル21」第12集会室。内容は、「持続可能性の危機にある地域社会と展望」読み合わせ、討論。持ち物は、『経済』誌 2019年11月号。

第65回『資本論』学習会開く 第7篇、24章「いわゆる本源的蓄積」第3節と第4節を学習する


10月10日(木)第65回『資本論』学習会を開き、第24章第3節と第4節を読み合わせ、ポイント説明、討論を行ないました。

 討論では「『暴力的な土地収奪によって追われた人々は、それが生み出されたのと同じ速さでは、新たに起こりつつあるマニュファクチャに吸収されることはできなかった』として土地を奪われた人々が、文字通り血と暴力で労働者へと追いやられて行った事が具体的事実と書かれている」「『以前は貧民たちは高い労賃を要求して、産業と富とをおびやかした』との言葉を引用し、十四世紀は国家が法によって資本家が『法定賃金率でしぼりとる権利を雇い主に与えた』としているが、今日の日本でも最低賃銀では生活出来ない事がハッキリしている。しかし安倍政権は、千円、一千五百への最低賃銀の引き上げ要求を無視している。これはこの時代の政府と同じ事ではないか」「『十六世紀には一つの決定的に重要な契機がつけ加わった』として『当時は、借地契約が長期で…貴金属の価値、それゆえ貨幣の価値が引き続き低落したことが、借地農場経営者に黄金の果実をもたらした』と言っているが何のことか」「16世紀中頃から 17世紀初めにかけて,中南米からの銀の大量流入によってヨーロッパの貨幣価値が下落し,物価の著しい騰貴が起った事ではないか」など意見が出ました。

◆次回は、10月24日(木)午後6時30分より。会場は、「アイセル21」第12集会室。内容、第24章「いわゆる本源的蓄積」第5節「工業への農業革命の反作用。産業資本のため国内市場の形成」、第6節「産業資本家の生成」。持ち物は、新日本新書版『資本論』第4分冊。