第16回『資本論』第一部学習会 第13章「機械と大工業」第5節~第10節を学習する


静岡市社会科学学習会は、10月23日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第4篇第13節の第5節から第10節を学習しました。

 討論では「説明資料の中に『資本の文明化作用』という言葉があるが、どの様な意味か」「産業革命を経て資本主義の下で人類社会の進歩、生産力の発展、人権と民主主義の前進などが起こった。この事を言っているのではないか」「資本は自らの儲けのために技術革新を進め巨大な生産力を実現した。また先端技術で作られた機械を操作する知識と技術力を持った労働者を必要とした。この事は、資本の支配を終わらせる労働者階級の力を強め、また社会主義社会を建設する上で必要な物質的な土台を作っている。この事を言っている」「『マニュファクチュアと家内労働におよぼした工場制度の反作用』の所で今日でいえば完全下請けとなっている中小・零細企業の実体を取り上げているが、18世紀の英国と今日の日本の状況が全く同じで資本主義の下で社会の進歩などはないのではと思う」「機械制大工業による生産力の発展は、やがて産業循環を生み出したと書いてあるが、恐慌は資本主義固有な現象なのか」「周期的過剰生産恐慌は、1825年にで、それからほぼ10年周期で世界恐慌が起きている」などを話合いました。

◆次回は、11月12日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第5篇「絶対的相対的剰余価値の生産」第14章「絶対的および相対的剰余価値」。持ち物は、新版、または新書版『資本論』第3分冊。

第44回「現代経済学習会」 『経済』10月号の「『現代貨幣理論(MMT)』は積極財政の根拠たりうるか」を学習


 静岡市社会科学学習会は、10月20日(火)「現代経済学習会」を「アイセル21」で開き『経済』10月号の「『現代貨幣理論(MMT)』は積極財政の根拠たりうるか」(鳥畑与一)を読み合わせ、意見交換を行いました。

 討論では「安倍政権の経済政策を緊縮政策と言っているが、財政規模も百兆円を超える。異次元の金融緩和などを見ると緊縮政策と言えないのではないか」「国民には福祉の財源が足りないから消費税を上げる。福祉は削減するなど緊縮政策を取っている」「松尾氏の『この経済政策が民主主義を救う』では、福祉や介護など国民向けの政策を推進していくために国債の発行が提案されていて、英国労働党の『人民のための緩和政策』も肯定的に紹介されている」「『歳入なき歳出論』として国家財政は税収がなくても確保できるとして、大企業や富裕層への増税は必要ないと言っているが、アメリカのサンダースなどは、ウオール街への課税、富裕層への課税を言っている」「『MMT現代貨幣理論入門』を読んだが、その中で創造された貨幣を『銀行は、それをどこからか手に入れたのではない。コンピューターに『200』という数字を入力することで、当座預金は無から創造されたのだ』という事が繰り返し述べられている」「中央銀行準備金のもとで銀行が『貨幣を生み出す』仕組みの事を言っているのではないか」など意見が出ました。

◆次回は、日時11月17日(火)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「座談会・日米経済関係の構造と特徴」の読み合わせと討論。持ち物は、『経済』11月号です。

「コロナ禍」で求められる労組活動=全国ですすむ派遣切りの実態‼


 7月以降都合により開催できずにきましたが、10月14日に10月号の読合せ学習会を再開することができました。今回の特集の中で、「コロナ禍」における要求と労働組合活動(労教協常任理事 生熊茂実)を最初に行いました。記事は「コロナ禍」で起こっている労組活動の困難があることを指摘、その中でもいろいろな工夫ができると実践的に紹介しています。そして元気な活動にしていくことの必要性を説いています。討論ではまず「コロナ禍」の中で、ローカルユニオン静岡への労働相談の特徴が語られました。「生活困難・パワハラの相談が倍ぐらい増えた。派遣労働者の場合、派遣先が派遣契約終了とし、派遣元が新しい派遣先を紹介するが、賃金が半分とか遠隔地とかだ。そこは行けないと回答すると、『自己都合』で辞めてくださいとなる。解雇とすると助成金が減るなど会社に不利益となるからだ。それだと本人は、3か月間は(失業給付など)収入がない。それが今日本中で当たり前のように行われている。」また、「テレワークだと、『生活を重視したい』との意識の変化があることが紹介されているが、なぜなのか。」との疑問が出されました。「家族と接する機会が増え、家庭を支える大変さなどが分かってくるのでは。」などの意見がありました。また、家庭における「コロナ禍」での実体験の紹介がされました。

「日本近現代史を読む」第2回学習会 序章「近代までの流れ」、幕藩体制の政治構造、日本をめぐる国際関係、経済構造と社会変動、民衆の生活と文化、などを学ぶ。


静岡市社会科学学習会は、10月13日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第2回学習会を行いました。

 討論では、「身分別の社会の所で、江戸時代に『支配身分としての武士と被支配身分としての百姓・町人の区別が確定された』との注があるが、この事を初めて知った」「江戸時代の身分で百姓の下にえた。非人(江戸時代には非人とよばれた人々で、居住地も制限されるなど、不当な差別を受けた。主に皮革業に従事し、犯罪者の逮捕や罪人の処刑などに使役された)などの身分があった」「このような人々を差別する事で、当時の身分社会の構造を人々に受け入れやすくする役割を果たしていたのではないか」「鎖国とキリスト教の所で檀家についいて『この檀家寺がキリスト教徒でないことを帳簿によって証明するという制度です』との指摘があるが、実際にはキリスト教徒も寺の檀家となり、キリストの信仰は捨てなかった」「コラムで近世民衆の教育要求と寺子屋の所で『文字の読み書き、基礎的な学力の取得、人格の形成を中心に、それぞれの子供に見合った学習カリキュラムが組まれていちようです』とあり、今の教育が学習指導要領に基づく学習内容になっている。江戸時代の学習方法の方が良かったのではないか」「『幕府はオランダ船と中国船にたいし外国の情報を長崎奉行に提出させていた』との記述があり、幕府は外国の情報を豊かに持っていた。江戸時代の日本は世界情勢には疎かったとの常識があるが事実違っていた事を学んだ」「『寺子屋への就学率が高まり、庶民の識字率も高かくなってきました』とあり江戸時代の学習水準の高さに驚いた」など意見が出されました。

◆次回は、11月10日(火)午後1時30分~3時30分。会場は、「アイセル21」研修室。内容は、第1章「開国-社会変動の序幕」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」(新日本出版)

第15回『資本論』学習会 第13章「機械と大工業」第1節「機械の発展」~第4節「工場」を学習する


静岡市社会科学学習会は、10月8日(木)第15回『資本論』学習会を開き第13章の第1節から第4節を学習しました。

 討論では「本文で『手工業的またはマニュファクチュア的に生産される商品の価格と、機械の生産物としての同じ商品の価格との比較分析から、一般的には、機械の生産物の場合、労働手段に帰着する価値構成部分は相対的には増加するが絶対的には減少する』と書いてあるがどの様な事か」「マニュファクチュアでの商品生産と機械による商品生産を比較します。当然機械生産の方が、多くの商品が生産されます。そのため、商品の価値構成を見ると、マニュファクチュアで生産された商品は労働手段部分の価値構成は小さく、機械で生産された商品は労働手段部分の価値構成が大きくなります。しかし、労働手段価値の大きさを見るとマニュファクチュアでは大きく、機械の場合には小さくなります」「本文の『機械の生産性は、上述したように、機械から製品に移転される価値構成部分の大きさに反比例する』とは何のことか」「機械が機能する期間が長ければ、長いほど機械によって付け加えられる価値、それだけ多くの製品に配分されるが、個々の製品に付け加える価値部分はそれだけ小くなる事」「この章の表題にもなっている『大工場』とは何か、その定義は何か」「大工業を機械制大工業とも言う。労働者が手を使うことによって操作される道具や用具を使うのではなく、労働者が機械〔機械とは3つの本質的に異なる部分、原動機、伝動機構、道具機または作業機から成り立つ〕を体系的に利用する事による生産の様式の事ではないか」などの意見が出ました。

◆次回は、10月22日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第13章「機械と大工業」第5節~第10節。持ち物は、『資本論』第1巻(新版、又は新書版『資本論』第三分冊)