第18回『資本論』学習会 第15章「労働力の価格と剰余価値との大きさの変動」と16章「剰余価値を表す種々の定式」を学習する


静岡市社会科学学習会は、11月26日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第4篇の第15章と第16章を学習しました。

 討論では「第15章を学んで、資本家が何故労働時間を長くしたいのかその理由が良くわかった」「テキスト908ページに『労働力の価値運動』と『剰余価値の変動の限界』と言う言葉があるがどの様な意味か」「労働力の価値は労働生産性によって動く事を運動言い、剰余価値の大きさは労働力の価値によって限界づけられている事を言っているのではないか」「テキストの905ページに『第一に。与えられた大きさの労働日は、たとえ労働の生産性が、またそれとともに生産物総量が、したがってまた個々の商品の価格がどのように変動しようとも、つねに同じ価値生産物で表される』とあるが、どの様な事か」「新しい機械が導入されると、同じ労働時間であっても作られる商品の量は多くなります。商品の価値は、抽象的人間労働の大きさによって決まります。それは労働の継続時間によって計る事ができます。同じ労働時間ならば同じ大きさ価値が生産され、生産物の数が増えれば、1個あたりの商品の価値は小さくなります」「労働の強度とは何か」「テキスト911ページは、『労働の強度の増大は、同一時間内での労働支出の増加を意味する。だから、強度のより大きい労働日は、同じ時間数の強度のより小さい労働日よりも、より多くの生産物に体化される』と説明をしている」など話合いました。

◆次回は、2020年12月10日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第17章「労働力の価値または価格の労賃への転化」、第18章「時間賃銀」。持ち物は、資本論第1巻(新版は第3分冊、新書版は第4分冊)

現代経済学習会 『経済』11月号掲載論文 「〈座談会〉日米経済関係の構造と特徴」を学習する


静岡市社会科学学習会は、11月17日(火)「現代経済学習会」を「アイセル21」で開き「座談会・日米経済関係の構造と特徴」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 討論では「座談会で『日本の財界が、なぜ、一方的に、米国の変質した「株主資本主義の要求に唯々諾々としたがい、日本の政府を動かして米国企業の利益を代弁するような行為を取っているのか』と疑問が出されているがこの点をどう理解するか」「日本の大企業の経営者の中には、世界的に活動する米国多国籍企業の要求は、自らの企業の利益にもなると思い、それが経済世界での当たり前の要求と思っているのではないか」「座談会の中で日本の場合は特殊と言い、米国は協定の形を取らず、一方的な要求書の形で日本政府に突き付けていると言い、その背景に、単に巨大資本間の力関係によるものではなく、国家権力を通じて押しつけられてきたからではないでしょうか。日米の経済関係は、そこに大きな特徴があると言っている」「座談会で日本経済全体の米国への『属国化』があると言っているが、日本の対米従属との違いが分からない」「座談会は、この属国化は、敗戦後の米国の占領に始まった軍事的な従属体制と不可分であるが別もので、日本経済全体を米国経済の食い物にする『新属国化』と呼ぶべきもの」など意見が出ました。

◆次回は、12月15日(火)午後6時30分から8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「〈座談会〉日米経済関係の構造と特徴」の第3節と第4節。持ち物は、『経済』11月号。

第18回資本論学習会 第5篇、第14章「絶対的および相対的剰余価値」の報告を受け討議する


静岡市社会科学学習会は、11月12日(木)第18回『資本論』学習会を開き第5編「絶対的および相対的剰余価値の生産」の第14章を学習しました。

 討論では「生産的労働の概念が広げられ、また狭められていると言っているが、では『サービス労働は価値を生産しないが生産的労働である』と言う言い方は正しいのか」「今日資本論の研究者の中には、サービス労働は価値を生産していると主張する人もいる。生産的労働という概念が広がっていると言うのは、その通りだと思う」「マルクスの資本論の立場は、価値を創造する労働は、新たな物質的な財貨を生産する労働である。との立場ではないか」「サービス労働は、価値は生産しないが、資本家に儲けをもたらしてくれれば生産的労働と資本家は思う。資本論の中に『価値を引き寄せる』という言葉があり、商業労働や金融労働が、その例と言われている」「感想だが、マルクスは今から200前に資本論を書いた。しかも当時のイギリスの資本主義を分析した。しかしその内容は、今日の日本で生活している自分にとっても、良くわかる。私は労働の現場で機械の整備や設計の仕事をしていた。その仕事の位置づけなども書かれており、ここまで考えていたのかと驚いている」「9ページの資本論からの引用はどの様な意味か」「形式的包摂は、自営で働いていた人が資本家の指揮の下で働く事で、労働の方法は変わらない。だから包摂は形式的。だから自営に戻ることも出来る。しかし、機械制大工業の時代になると、労働の仕方も変わり、労働者はより深く資本家に包摂される、今日では資本家に雇用されなければ労働者は生活出来ない実質的包摂だ」などの意見が出ました。

◆次回 日時は、11月26日(木)午後6時30分から8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第15章「労働力の価格と剰余価値の大きさの変動」第16章「剰余価値率を表す種々の定式」。持ち物は、『資本論』第1巻、新版、新書版第3分冊。

「日本近現代史を読む」第3回学習会 第1章「開国-社会変動の序幕」を読み合わせ、意見交換をする。


静岡社会科学学習は、11月10日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第3回学習会を開き、第1章「開国ー社会変動の序幕」の読み合わせと討論を行いました。

 討論では「テキストの13ページに『開国前後の世界とペリーの航路』の地図があるが、これを見ると日本へはノーフォークを出てケープタウンを経由し那覇から江戸湾に来ている。太平洋をわたって日本に来たと思っていた」「開国によって編入された国際秩序は、日本を『半未開国』とするもので、自らを『文明国』位置づけ、日本に強制した不平等条約も彼らにとっては当然と思っていたのではないか」「写真にある生麦事件は、島津久光の行列に乱入した騎馬のイギリス人たちを、供回りの藩士たちが殺傷した事件だが、その後薩摩藩とイギリスとの間で戦闘が起こった」「薩摩藩はイギリスとの戦争で武力の差を知り武力の整備に務めた。以前鹿児島に旅行した時に、島津久光の別邸の近くに反射炉があった」「テキストに『ええじゃないか』が紹介されているが、静岡でも1867年に浜松、磐田と波及し、9月以降金谷、島田、藤枝、駿府から東進して三島など東海道宿駅に広がった」「幕末の情報流通ー風説留と瓦版の所で当時の人々が『黒船』来航などの情報をいち早く知っていた事が書かれているが、島崎藤村の『夜明け前』の中でも木曾路でも黒船来航の情報が伝わり話題となった事が書かれている」「江川太郎左衛門英龍は、外国船が江戸湾に来るようになり、江戸湾の海防にも大きな関心を持った。その後伊豆韮山代官となり韮山の反射炉を建造を企画した」など意見が出されました。

◆次回は、12月8日(火)午後1時30分から3時30分。会場は、「アイセル21」第45集会室。内容は、第2章「明治維新-改革と近代化」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」。

暮らしを破壊する新自由主義の政治=身近でも起きている自民党政治の弊害


今回は、特集記事の「新自由主義とは何か―弊害とその克服にむけて」(島根県学習協会長・島根大学教員関耕平)他3件を読合せしました。安倍政権とそれを「継承」する菅政権がとる新自由主義とは何か。日本では特に小泉政権が「三位一体改革」によって地方交付税などが大幅に削減、「平成の大合併」によって住民サービスの低下がおこります。また、社会保障も大幅に削減されて行きます。背景には、企業活動のグローバル化がある。企業のもうけに直接つながらないものは「無駄」とみなされ削減されます。筆者の地元松江市で大雪となっても除雪車が財政難で手放しており、都市機能が1週間麻痺したという事態が起こります。討論では、我々の地域で同様のことはないかとの問いに。「蒲原は合併させられ、以前は川の掃除が町の財政でできていたが、今は静岡市の財政でお金がおりてこず、放置させられているようだ。」「基準財政需要額という計算式があって、市を維持するための必要額をかなりち密に算定する。そこで足りないと国からお金が下りてくる。行政区が大きくなると以前よりち密でなくなり、結果足りなくなるというのがある。」「三位一体改革では、結果として地方から財政を引き上げてしまった。」「その時の国税と地方税の税率変更で、自分は国税(税率フラット化で)も地方税も上がった。」などが語られました。