第64回『資本論』学習会 第24章「本源的蓄積」第2節「農村住民からの土地の収奪」を学習


9月26日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第24章の第2節を読み合わせ、ポイント説明、意見交換を行ないました。

 討論では、「最後の『教会領の略奪、国有地の詐欺的譲渡、共同地の盗奪、横奪による』に始まる部分が結論的な事だと思うが、何処に書かれているのか」「教会領は1234ページに、国有地については1239ページに、共同地については1241ページに説明されている」「本文に『鳥のように自由なプロレタリアート』という言葉がある。この意味は何か」「同じく本文の中に『人間社会の拘束から放たれた、そのため法律の保護も奪われた』プロレタリアートという説明がある」「この節で1234ページの前までは何を言っているのか」「1321ページに『彼らは、このような人口を減らす共同地横奪と、それに続く人口を減らす牧場経営とに対抗する施策をとった』と書かれているので、15世紀は、国王と議会は本源的蓄積に反対する立場をとっていた事を書いているのでは」「最後の一文の中に『これらはいずれも本源的蓄積の牧歌的方法であった』と言っているがこの意味は何か」「資本家階級は本源的蓄積は牧歌的と言っている事に対して、皮肉を言っている」など話合いました。

◆次回は、10月10日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第12集会室。内容は、第24章「いわゆる本源的蓄積」第3節と第4節。持ち物は、『資本論』(新日本新書版・第4分冊)。

労働組合の取組みは、賃上げ労働条件改善のみではない 仕事のやりがいも


静岡支部学習会を9月18日に行いました。

 今回は9月号です。特集の記事である、「『仕事がつまらない』と思うあなたと考える~仕事、社会、労働条件、労働組合の役割~(全労連常任幹事仲野智)を読合せました。どんな仕事も社会に貢献しているが、「仕事が楽しくない」と感じている青年も多いのはなぜかと問います。2019年の「新入社員働くことの意識調査」(日本生産性本部)では、「仕事中心の生活」から、「プライベートを重視した生活」に価値観が変化してきています。「仕事は仕事」と割り切るのは、一つには正規職員での募集が少なく「やりたい仕事」「なりたい職業」よりも「なんでもいいから就職」が最優先された結果と指摘します。もう一つは、仕事が分断され、人手不足でベテランから仕事を教えてもらえない状況です。こうして「仕事の役割」が見えなくなっているのです。労働組合は「働き続けられる職場をつくる」ことを目的に活動しています。賃金労働条件がよくても、仕事が楽しくなければ「働き続けよう」と思えません。「よりよい仕事」「やりがいのもてる仕事」をとくっていくことにも取り組んでいる組合が多数あります。医労連、全教、等が全国規模で研究集会を、福保労が業務の分野別集まりで専門性を高める活動をしています。参加者からは「製造の現場では、考えにくい。」「(行政を含む)サービスの職場には、あるかもしれない。」等の声がありました。 nt

第34回現代経済学習会「生産性の低迷とは何を意味するのか-日本資本主義の長期停滞」読み合わせ、意見交換する


9月17日(火)「現代経済学習会」を「アイセル21」で開き「生産性の低迷とは何かを意味するのか」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 討論では、「本文で『生産性が上昇した場合…労働投入量が一定である限り生産された価値の総額も変わらない。こりに対して、実質GDPのように基準年の価格を用いて表示する、労働投入量あたりの商品(使用価値)総量の増大として、したがって社会で生産される商品の総価格ないし剰余価値総額の増大として現れる』とは何か」「生産性が上昇しても、商品1個当たりの価値は変わらない。しかし、商品総量は増大するため社会全体では商品の価格(価値)は増える。また剰余価値は増大する。それは経済成長として現れる」「マルクスの引用で『協業によって展開される労働の社会的生産力が、資本の生産力として現れる』を用いて、資本の生産性を説明しているが、ここでマルクスの言っている事は、資本主義社会では、協業による生産力の上昇は資本のための生産力として現れる事を言っているのでは」「今日、生産性の停滞は、労働者に責任がある。そのため『働き方改革』が必要と言うが、この論文では、その原因は新たな投資をしない資本家にあり、そのために労働生産性が低下していると言っている」などの意見が出ました。

◆次回は、10月15日(火)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第12集会室。内容は、「米中相互依存経済から『新冷戦』化へ」(下)の読み合わせと意見交換。持ち物は、『経済』9、10月号。注意、『経済』9月号の「米中相互依存経済から『新冷戦』化へ」(上)は読んで参加して下さい。

「日本と世界の近現代史」第8回学習会・夜の部開く 「『資本論』を読むための年表」の「はじめに」と「序章 資本主義発達史の年表を作成する」を学ぶ


第8回学習会・夜の部を13日に開き「『資本論』を読むための年表」の「はじめに」と「序章」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 意見交換では、「15ページに『『大地(自然)』は、本源的に食料などを提供する一般的労働対象でもあり、総じて労働手段の本源的な武器庫でもあり』と書かれているが、この武器庫とは何か」「生産に必要な生産手段と労働対象は、そもそも自然と大地の中に存在しているという意味で武器庫のようだと言っているのではないか」「10ページに『その理論的な内部構造と経済法則を『いわばその理念的な内部構造において』分析し』とあるが、この理念的平均とは何か」「資本主義の経済的法則、内部構造の分析を行うときに、具体的な資本主義社会は経済法則だけで動いているのではなく、文化、思想、歴史、地理的条件など様々な要因で動き作られているから、これらの動きを捨象して経済の動きだけを対象にして分析する事を言っているのではないか」「11ページには『『資本論』は、試験管のなかで培養したような『純粋資本主義』モデルの抽象的で非歴史的な理論体系ではない』と言っているが、これとの関係は」「資本主義の理論的経済法則や内部構造を分析するには、社会の経済運動以外の要素は捨象する必要があるが、同時にその経済法則が正しいのかは、現実の社会の歴史によって検証、補強する必要があり、そのため、『資本論』の中にも様々な歴史的考察が入っている」など意見が出ました。

◆次回は、10月11日(金)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第12集会室。内容は、第1章「世界の資本主義の生成と発展の歴史」1~6。持ち物は、「『資本論』を読むための年表」です。

「日本と世界の近現代史」第8回学習会・昼の部開く 「『資本論』を読むための年表」の「はじめに」と「序章 資本主義発達史の年表を作成する」を学ぶ


第8回学習会を9月13日に開き「『資本論』を読むための年表」の「はじめに」と「序章」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 討論では、「本文の中で出てくる範疇の意味は」「同一性質のものが属すべき部類。分類・認識などを支える、根本的な枠組。カテゴリーの事ではないか」「マルクスが『資本論』書いたのは何時か、その時資本主義がどの程度発展していたのか」「『資本論』が出版されたのは1867年です。ヨーロッパでは16世紀頃からマニュファクチャー起こり18世紀の半ばから産業革命が始まり、資本主義社会は発展します。この頃の経済学はスミスなどに代表される古典派経済学で、資本主義が人類に明るい未来を約束するとを言います。しかし、労働者は激しく搾取されます。フランスのリヨンで労働者が争議を起こし、労働者階級の闘いが始まります。マルクスは、資本主義はやがて社会主義へと発展して行く事を明らかにします。資本主義は、20世紀を経て21世紀の現在、生産力は巨大になましたが、人々の格差は拡大、地球環境問題など矛楯は激しくなり、世界各地で変革の運動が起こっています」「三大経済範疇、三大階級とは何を指しているのか」「資本主義社会の三大階級は、土地を所有している地主階級、生産手段を所有している資本家階級、労働力を持っている労働者階級を指しています。この三大階級は地主は生産に必要な土地を提供し、資本家は生産手段を提供し、労働者は労働力を提供して資本主義社会の富を生産している基本的な階級となり、生産された富は、地主へ地代として、資本家へは利潤として、労働者には賃金として分配され。これが三大経済範疇ではないかと思う」「前半で日本の近現代史を学習したが、改めて友寄さんが作成した年表を見ると、経済的土台である資本、土地所有、賃労働、経済的矛楯の上に、上部構造として、戦争・外交・政治、階級闘争、思想・文化、世界の動きがあり、土台と上部構造を縦線で動きが一瞥でき、相互の関係を知ることが出来る」など意見が出ました。

◆次回は、10月11日(金)午後1時30分~4時。会場は、「アイセル21」第12集会室。内容は、第1章「世界の資本主義の生成と発展の歴史」1~6。持ち物は、「『資本論』を読むための年表」です。

『資本論』学習会 第24章「いわゆる本源的蓄積」第1節「本源的蓄積の秘密」と「明治維新以降の本源的蓄積」を学習する


9月12日(木)第63回『資本論』学習会を開き、第24章第1節を読み合わせ、ポイント説明、討論を行ないました。

 討論では「本文に『前者は富を蓄積し、後者は結局自分自身の皮以外には売れるものをなにも持っていないということににった』とは具体的には」「前者とは資本家の事で、後者とは労働者の事を言っている。資本家は『聡明で、とりわけ倹約な選ばれた人々』で労働者は『怠惰で、自分のものをすべてを、またそれ以上を消費し尽くす浮浪者たち』の事を指している。つまり現在の資本家と労働者の格差は、自己の努力の結果であると言う事ではないか」「本文で同職組合が出てくるが具体的には」「13世紀ごろから都市の商人ギルドの中から、生産者である手工業者の親方たちが分離して、職種ごとに団体(組合)を結成し、職種ごとに原料の確保、技術の共有、販路の確保、価格の協定、技術水準の維持、などを通じて結束を強め、営業権の確保を共同で進めた」「日本での本源的蓄積の要点は何か」「日本では、明治維新以後『富国強兵』政策として、明治政府が財政を使い官営工場などを起こし、民間に払い下げ資本家の側に資金と生産手段を集め、国家財政を作るため地租改正し現物経済から貨幣経済への転換などで土地から切り離された人を作り出した」など意見が出ました。

◆次回は、9月26日(木)午後6時30分より8時30分。会場は、「アイセル21」第12集会室。内容は、第24章、第2節「農村住民からの土地の収奪」。持ち物は、新日本新書版『資本論』第4分冊。