第7回『資本論』第二部学習会 第一篇「資本循環論」第五章「通流時間・流通時間」を学習する


静岡市社会科学学習会は、10月28日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第5章「通流時間・流通時間」の報告を聞き、討論をおこないました。

 討論では「第5章の表題が通流時間と書いてあるが、これは流通時間と同じ事なのか」「通流とはドイツ語のウムライフの訳語で、流通と同じ事を言っている。マルクスは『資本論』の中でウムライフと英語のサーキュレーションを同じ意味で使っている。サーキュレーションを流通と訳しウムライフを通流と訳している」「『資本論の198ページの『潜在的生産資本のうちたとえば、紡績業での綿花、石炭などのようにただ生産過程の条件として準備されているだけの部分は、生産物形成者としても価値形成者としても作用しない』とある。またこの段落の中に、a、b、cと分けて説明をしているが、何を言っているのか」「文書の中で『生産過程の条件として準備』されているのでまだ生産過程には入っていないので価値は作らないと思う」「生産過程にまだ入っていないが、その内容は3つあるaは、生産には入っていないが、諸構成部分の保管所としてその機能を果たし、労働過程が必要とする限りで原料を高価にする。そこでの労働は価値を形成する。bは、生産過程の正常な中断で価値を生産しない。cは、生産過程の中で労働時間の休止期間なので価値を形成しない。と書かれている。より詳しく見ているのではないか」など話合いました。

◆次回は、日時は、11月11日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第6章「流通費」。持ち物は、『資本論』第2部(新版・新日本新書版の第5分冊)

第5回「多国籍企業と日本経済」学習会   米中デジタル多国籍企業の覇権競争-米中貿易摩擦と日本経済-読み合わせ意見交換


静岡市社会科学学習会は、10月19日(火)「多国籍企業と日本経済」学習会を「アイセル21」で開きました。読み合わせの後、意見交換を行いました。

 意見交換では「GAFAの主要株主として投資ファンドが上がっているが、このファンドは多くの個人を含めた投資家が参加しているので、GAFAの大きな利益は、投資家に分配されるので富の独占とは言えないのではないか」「投資ファンド、例えばブラックロックは、M&Aなどを通じて世界最大の資産有用会社となった。その実体はわからない部分もあるが、背後にはウオール街の巨大銀行があるとも言われている。ネットでは資産の65%が機関投資家であると書かれている。GAFAの利益は、このような巨大銀行へと流れ、『今日の世界的な規模の所得格差と資産格差の原因』という指摘は当たっている」「テキストの中に『GAFAの世界経済支配の動揺』という指摘があり、3点指摘されているが、急成長を遂げ一定の市場を獲得している企業が、企業を維持していくために固定費が増え利益率が低下する事は良くある事で、これをもって支配の動揺と言えるのか」「GAFAに対する課税の問題が出ているが、Amazonは日本では税金を納めていないのか」「テキストでは進出した国に『物的な拠点や施設』がない。だから課税が出来ないと書かれているがAmazonは倉庫などは有り課税出来るのでは」「税制上、恒久的施設には課税できるが、倉庫は恒久的施設ではないので、Amazonは日本で法人税を払っていない」などの意見が出ました。

◆次回は、日時は、11月16日(火) 午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「多国籍企業の財務構造と会計・税制」の読み合わせ、意見交換。持ち物は、「多国籍企業・グローバル企業と日本経済」です。

2021年 第6回『資本論』第2巻学習会 『資本論』第2巻、第1篇、第4章「循環過程の3つの図式」を学習する


静岡市社会科学学習会は、10月14日(木)『資本論』2巻学習会を開き、第4章「循環過程の3つの図式」の報告後、意見交換をしました。

 意見交換では「マルクスは、ケネーの経済表について、商品資本循環のW―Wを基礎にして考えた事は『偉大な見識を示すもの』と言って、経済表があるが、この経済表のどこが商品資本循環を表しているのか」「ケネーの経済表の中には、Wという記号は出てこないが、ケネーはフランス社会が社会として持続して行くに必要な再生産構造をこの表で簡単に示している。それは、農民が50の農産物を作り、製造業者が20の製造物を作り、それがどの様に流通をすれば社会は維持され、且つ翌年の生産を準備する事が出来るのかを示している。生産物の生産と流通を示している。この意味でW―Wを基礎にしていると言える」「資本論の189ページに『資本家が貨幣の形態で流通に投げ入れの価値は、〔貨幣の形態で〕流通から引き出す価値よりも少ない。なぜなら、彼が商品の形態で流通に投げ入れる価値は、商品の形態で引き出した価値よりも多くからである』とあるが、なぜなら以降が分からない」「資本家は、買う商品よりも価値の大きい商品を売ると言う事を言っている」「流通に投げ入れると言っているが」「資本家が市場に商品形態で投げ入れると言うのは、機械、原料、材料、労働者などを市場で商品として買うと言う事を言って、工場な中で価値増殖を行い、出来た商品を市場でより高く売りと言う事を言っている」「それは、最初の行の事ではないか」「なぜなら以降も同じ事を言っている。最初の行は、貨幣価値の観点で言い、次の行は、商品の価値の観点から言っている」など意見が出されました。

◆次回は、10月28日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第5章「流通時間」。持ち物は、新版『資本論』又は、新書版『資本論』の第5分冊。

市民要求に基づく野党連合政権を!浜岡原発再稼働・リニア反対の真の候補者は⁉


10月13日、静岡市内において「学習の友」学習会が開かれました。

10月号は、2021総選挙問題と、労働時間短縮の2つ特集が組まれました。まず、「野党連合政権への道―〝いのちと暮らし″を守る政治のために」(山田敬男労教協会長)を読合せました。討論では、次のような意見がありました。「国民民主党というのは、(野党共闘の)合意ができてないですね。」「共産党とは一緒にやらないと言っているし、完全に切り崩しの部隊だよね。」「たとえば、長野とか新潟なんかでもそうなのかな。」「それはどうかなあ。場合によっては入っているかも。」「でも静岡は全然ダメだよ。」「今参議院補選に出ているそれ系の候補は、最初に連合に担がれた後に立憲も担ぐようになったと噂されている。」「共産党も共闘の申し入れをしたが、話し合いに一切応じなかったとも聞いている。そして市民連合の政策も載っていない。彼自身が原発再稼働反対の立場に立ちきれない。」「リニア問題も一言も言えないのではしょうがない。」もう一つの特集記事では「『生活時間』という発想はなぜ重要か」(朝倉むつ子早稲田大学名誉教授)をやりました。挿入されている「図1」の「有償労働」と「無償労働」の棒グラフが反対になって載っている誤りを、参加者が見つけました。日本では、性別役割分業が根強いため、時短意識を強める必要があるようです。

「日本近現代史を読む」第13回学習会開く 第11章「大陸への膨張と政党政治の後退」を学習する。


静岡市社会科学学習会は、10月12日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第13回学習会を開き、第11章「大陸への膨張と政を政治の後退」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 意見交換では「5・15事件で犬養毅首相が殺害されて内閣が崩壊する事によって政党政治が終わったとあるが、犬養毅は、官邸に乱入してきた海軍将校に『話せばわかる』と言ったが、将校は『問答無用、撃て』と言って射殺した」「大正時代、政党の影響力が大きくも大正7年に原敬によって本格的な政党内閣が組閣た。これ以後政党内閣が成立するようになり、また男子普通選挙制も出来た。しかしこの5・15事件により、内閣は、元老によって指名されるようになった」「2・26事件が起きたのが私の生まれた年で、この不景気の最中母は、四人の子供を産んで育ててくれたが、この不安定な時期に庶民は子供を産んで育てたのだなと思う。この事件を起こした青年将校たちは、何を求めていたのか」「陸軍の中に、統制派と皇道派との対立があり、事件を起こしたのは、皇道派だが、事件は天皇によって鎮圧されていく事になる。その後日本は、統制派が主張していた戦争のための国家総力体制が作られ、南方に侵略して行くことになる」「すでに亡くなっているが、落語家の柳家小さんが2・26事件の反乱軍として動員された。本人は、訳が分からないまま参加させられたと言っている」「満州事変、5・15事件、2・26事件、天皇機関説弾圧と、この時期は、日本が侵略戦争へと進んでいく大きな転換点だった」などの意見が出されました。

◆次回は、日時は、11月9日(火)午後1時30分~3時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第12章「日中戦争と戦時体制の始まり」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」です。

勤通大基礎理論コーススクーリングが再開されました‼

緊急事態宣言で延期していた勤通大スクーリングが、10月5日静岡市内で再開しました。