第13回『資本論』第二部学習会 第2篇「資本の回転」、第12章「労働期間」を学習


静岡市社会科学学習会は、1月27日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第12章「労働期間」を学習しました。

 討論では「報告の中で『賃金鉄則が何かと言うと、元々賃金を形作る生活手段の量は、決まっていて、どこに決まっているかと言うと、ここに決まっているのです』と言うが、これが成果主義賃金とどの様な繋がりがあるのか」「直接の繋がりはないと思う。考え方として、賃金支払いには原資がある。決まった額がある。この思想が作り出された」「労働期間について『多かれ少なかれ多数の互いにつながり合う労働日の連続によって形成されているこのような一労働日を、私は労働期間と名づける』と定義があるが、これと第13章の生産時間との関係は何か」「第13章の生産時間も第一篇で学んできた事だが、第13章では、労働時間と生産時間との相違が回転に及ぼす影響について考察している」「『資本論』に信用制度と株式会社という言葉が出てくる。今までの学習で信用制度について解明した所があったのか」「『資本論』第3部で本格的に学ぶ内容だと思う。第1部2部では本格的な議論はしていない」「労働期間が長い生産物だと、途中で資金がなくなってしまう。銀行から金を借りる。株を発行して資金を集めて生産を続ける。この仕組によって大規模な事業も資本が手がける事が可能になると言う事を言っている」などを話合いました。

◆次回は、日時は、2月10日(木)午後6時~午後8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第13章「生産時間」第14章「流通時間」第15章「資本前貸の大きさにおよぼす回転時間の影響」。持ち物は、『資本論』(新版・新日本新書版の第6分冊)です。

第8回「多国籍企業と日本経済」学習会 「グローバル・バンクの動向と今後の展望」を読み合わせ、意見交換をする


静岡市社会科学学習会は、1月25日(火)「多国籍企業と日本経済」学習会を「アイセル21」で開き、テキストの読み合わせの後、意見交換を行いました。

 意見交換では「テキストの中で『サブプライム・ローンを証券化した金融商品』とあるが、どの様な事か」「住宅価格の値上がりを唯一の根拠にし、低所得の人々に、銀行が住宅ローンを販売し、それをさらに売る事によって、また利益を得る。これを大規模に展開したが、住宅が高値で売れなくなり、その結果住宅ローンを返す事が出来なくなり、ローンが破綻した事が連鎖して世界的な金融恐慌が発生した」「テキストの中で『デジタル・バンキングの提供に注力しており……そこでは従来型の対面店舗型のサービスは削減され』とある。金融機関が経費の削減に向かう背景は何か」「銀行の通帳からスマホアプリへの転換の背景には、銀行が国税局に毎年二百円印紙をおさめなければならず、これが莫大な経費となっている」「昔の銀行は、全て手作業で計算をしていた。小さな支店でも50人ぐらいの行員がいたが、コンビューター化により数人のオペレーターがいれば良くなっている。また特別の能力は必要なく派遣社員で良くなった」「日銀の低金利政策により銀行の収益が悪くなり地方銀行、信用金庫などの合併が続いている。これはオーバーバンキングを解消する財務省の政策と思う」「金融資本が経済全体の支配者と思う。テキストでも『メガ・バンクの収益状況の特徴は、安定している』言う、産業資本に対する支配力も失ってはいない」などの意見が出ました。

◆次回は、日時は、2月15日(火) 午後6時~8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「医薬品産業におけるグローバル化と現代医薬品企業」の読み合わせ、意見交換。持ち物は、「多国籍企業・グローバル企業と日本経済」です。

現代の資本主義―第6章グローバル化、急速な生産力の発展の今日も 資本の本質は変わらない

1月11日アイセル21において、勤労者通信大学基礎理論コーススクーリングの第7回学習会が開催されました。今回の出席者は6名でした。

今回は、第6章 現代の資本主義です。資本主義社会は、初期の自由競争段階の資本主義から、20世紀以降に独占段階の資本主義に移行していきます。テキストでは、この独占段階の資本主義社会を、第2次世界大戦前と、大戦後のそれぞれの特徴を明らかにしています。更に、近年の「新自由主義」経済政策の諸問題、情報通信技術の著しい発展、グローバル化、金融肥大化の諸課題についても提示し、行き詰まる社会を乗り越える日本資本主義の民主的改革への展望についても触れています。
今回、テキストの範囲が広いため、1時間の講義時間で足りず、途中までで終わったのは残念でした。
以下は、質疑討論の一部です。

 〇近年、若者は就職難なのに、外国人労働者を招き入れる政策をとっているのはどうしてですか。

 〇近年は就職率が高まっているのが実際のところ です。(後日調査、ここ4年の大学卒の就職率は、 4/1現在97%以上)ただし、就職先の問題としては 非正規雇用が4割を占めており、劣悪な労働条件 のなっている点です。また、外国人技能実習制度は、本来日本の技術や知識を途上国に移転し、その国 の経済発展に寄与する国際協力が目的であり、労働力の需給調整を行なわない、との基本理念
です。ところが、政府財界は、外国人技能実習生を日本の労働力不足に利用しており、彼らに劣悪な労働条件を押し付けています。ここが大きな問題です。」

〇テキストで自由主義の紹介があるが、アダム・スミスの夜警国家などの紹介がありません。また新自由主義は『小さな政府』であると紹介されているが、資本に対しては税金を投入するなど『大きな政府』としての面もあります。

 〇少し前にニュースで知った事だが、未来社会との関係で、労働時間の短縮、ドイツのBMWは、週35時間労働が実施されています。労働者の闘いが未来を切り開いている。

 〇テキストでアベノミクスが紹介されています。まさに新自由主義的構造改革だと思います。三本の矢の 一つに、機動的な財政政策があり、これはまさしく国家財政を投入る事で、補正予算でも台湾の半導体企業に六千億円投入する事が報道されています。必ずしも『小さな政府』ではないのです。

〇テキストに『アメリカによる日本政府にたいする年次改革要望書が出され』とあるが、年次改革要望書とは何ですか。

〇例えば、大店法が変えられた事があります。大店法で大きな店を法律で規制していたが、アメリカの資本が自由に出店できるように、この大店法を改正したのです。

〇郵政民営化も年次改革要望書の中で求められました。それまでは自民党の中でも取り上げられなかったが、アメリカが要望した途端、小泉が首相となり実現したのです。

全労働者の暮らし改善政策に背を向ける『連合』の野党共闘妨害


 1月12日に、静岡市内において「学習の友」学習会が開催されました。

今回は、「連合はどこをみているのか―問われた共闘への姿勢」(ジャーナリスト藤田和恵)を読み合わせしました。先の総選挙での野党共闘についての枝野立民党党首の姿勢を紹介し、その「振る舞いのむこうに連合の芳野友子会長の存在を感じた」とし、「共産の閣外協力はありえない」「連合が支援している立憲民主党と共産党の距離感が近くなっていることは非常に残念だ」と芳野氏は立・共の選挙協力に「くり返し不快感を示してきた。」と指摘します。そして各地で「“名ばかり野党共闘„をみせつけられた」「この瞬間、立民は負けたと思った。」と云います。野党4党は20項目の共通政策に合意した。この政策は、「全労働者の暮らしを底上げする」もので、「政策実現のために政権をとる必要があった。」「立民のセンスも理解できないが、それ以上に、選挙に勝つことを最優先課題として野党が結束している最中に、どうしてわざわざ水を差すようなことをいうのか、芳野会長のセンスを疑う。」「連合は、記念撮影から逃げるように去っていく野党代表の背中が、あの場にいた若者を中心とした聴衆にどのように映ったか、いま一度考えるべきだろう。」と結んでいます。討論では、「静岡8区でも、立憲の候補者の応援に共産党の幹部が来る予定であったが、県連合の妨害で実現しなかったと聞いている。」「そういうことが、あちらこちらであったんだろうね。」「芳野会長が、共産党攻撃の発言をし、それに対し共産の志位委員長が根拠を示すよう反論したが、芳野氏はその後何か言ったの?」「言ってないでしょう。」「反共攻撃は、まともに論戦すれば負けるからね。」「静岡県は大企業は多く、そこから出た県連合で超保守だという。多くの他の県連合は、自治労中心が多く一定まともだと聞いた。」「東京では、市民団体が前面に出て共闘がされていて、都議選も含めうまくいっているそうだ。」「最近の日曜討論で、立憲の泉代表が共産党は政権の対象としては見ていないと言った。共産は約束は守ってという対応だが、参議院選はどうかな。」「今度も協議が遅れる感じではないかな。」「立憲と国民が結びついて、共産を外して、ボロ負けし、改憲へとする筋書きもありかと思う。」「反共攻撃はそこが目的だった。芳野氏はくさびを打込む役割を果たしている。」「こちらから連合にくさびを打込めばね、自治労と民間大企業労組とは基本的に違うからね。」など、結構言いたいことを言ってのけた自由討論でした。

2021年第12回『資本論』第2巻学習会 第11章「固定資本と流動資本とにかんする諸学説。リカード」を学習する


静岡市社会科学学習会は、1月13日(木)『資本論』2巻学習会を開き、第11章「固定資本と流動資本とにかんする諸学説。リカード」報告を受け、その後意見交換をしました。 

意見交換では「資本論の334ページに『A・スミスが流動資本の構成諸部分を数え上げるさいに労働力を忘れていることである。これには2つの理由がある』とあるがこの二つとは何かとの疑問があり、宿題となった」「一つは、スミスは商品資本を流動資本と捉えていたために、労働力を流動資本に入れる事ができなかった。二つは、労働力を資本として捉えるのではなく、労働者の生活維持費を産業資本の構成部分として捉えてしまった。これが二つの理由ではないか」、同じ事だが「第一の理由は、労働力は商品ではあるが資本ではない。商品であることをやめた時に生産資本の構成要素になるだから流動資本として掴めない。第二の理由は、労働力に投下される資本部分は、労働者の生活手段の形態でつかまれ、真正面から労働力を流動資本として掴めない」「この章は、アダム・スミスやリカードの意見を紹介しながら自分の意見も言っているので分かりにくい」「アダム・スミスやリカードは、資本を不変資本、可変資本という区分けが出来なかった。しかし資本を固定資本と流動資本とに区分する事はしていた。そのために可変資本が価値と剰余価値を生産するという事が掴めなかった」「物神性にもつながるが、不変資本と可変資本と掴めなかったため、搾取の仕組みも掴めなかったし、資本主義社会の仕組みの根本を見つけ出す事が出来なかった」「『社会的生産過程で刻印されて保持している社会的経済的性格を、これらの物の素材的な本性から生じる一つの自然的な性格に転化する』とある。この事を掴む事が物神性を理解するための要となる」などの意見が出されました。

◆次回は、日時は、1月27日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第12章「労働期間」。持ち物は、『資本論』(新版・新日本新書版の第6分冊)です。

「日本近現代史を読む」第18回学習 第14章「第二次世界大戦と日本の武力南進」読み合わせ意見交換する。


静岡市社会科学学習は、1月11日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第18回学習会を開き、第14章「第二次世界大戦と日本の武力南進」の読み合わせ、意見交換を行いました。

 意見交換では「テキストの中に独ソ不可侵条約の事が書かれているが、条約が結ばれた背景として、資料で従来は、ソ連がドイツから攻め込まれないための防衛的性格であった。との解釈があるが、不破さんの研究でスターリンの積極的な意欲、すなわちスターリンの一貫した領土拡張と覇権主義の意図があった事が紹介され、ヒトラーはソ連国家が社会主義とは無縁な覇権主義国家ら変質していたことを見抜いていた事紹介されている」「テキスト『日ソ中立条約によってソ連を三国同盟に組み入れて4国ブロックを形成する子とを狙い』とあるが、資料では世界を4カ国で分割する案として『日本は南洋、ソ連にはイラン・インド方面、ドイツには中央アフリカ、イタリアには北部アフリカ』を支配する事が検討されていた事が紹介されている」「アメリカとの戦争は、蒋介石政権をアメリがなどが支援していたため、中国との戦争に勝利するためという面があったと思う。そのため御前会議で開戦の日も決めていた。満州事変は、関東軍が始めた戦争であり、日中戦争は偶発的戦闘から始まっている」「アメリカは真珠湾への奇襲を知っていた。との意見があるが」「日本大使館への電報内容をアメリスは傍受して知っていた。その内容は『交渉打ち切り』で、これは宣戦布告とは違う。日本が戦争を始める危険性は掴んでいたが、真珠湾への攻撃は知らなかった」など意見が出されました。

◆次回は、日時は、2月8日(火)午後1時30分~3時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第15章「開戦後の国内支配体制の強化」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」です。