「学習の友」別冊月1連続学習会スタート!


人類は地獄の門を開けてしまったか⁉未来は変えられる=気候危機に行動を


11月10日、静岡市内において「学習の友」学習会が開催されました。

 今回は特集の「気候危機と社会運動・労働運動」の冒頭記事、「データで見る気候危機」(「友」編集部)を読合せ討論しました。国連のIPCC=「気候変動に関する政府間パネル」は、23年3月、「第6次評価報告書(AR6)を発表し、温室効果ガスの排出をこのまま継続すると「短期のうちに世界の平均気温の上昇は1.5度に達することが推定される」と指摘しました。AR6は、20年までの10年間で世界の平均気温は、1.1度上昇しており、「人間の活動が・・地球温暖化を引き起こした・・」と断定しています。また、30年には19年と比べて43%程度削減する必要があるとしています。更に、CO2排出量では全人間社会からの累積排出量を約500ギガトン未満に留める必要があるともいいます。日本は人口割でいえば約8ギガトンとなりますが、過去の排出(近年の排出量約1.1ギガトン)を考えればすぐにでも100%削減する必要があるようです。しかし日本政府の目標は、「13年比30年までに46%削減」です。23年9月国連本部で「気候野心サミット」が開かれ、石油やガスへの依存を一刻でも早くやめるよう訴えられましたが、岸田首相は発言の機会を与えられず、出席も見送りました。国際社会から、日本は石炭火力の活用に固執しており、“失格”だと判断されたと云います。最後にグテレス事務総長の発言に触れ、11月の「COP28」の成功させることを訴えました。討論では、次のような発言がありました。「1.5度目標で、今1.1度上昇だ。あと残0.4。今から削減してもその成果がでてくるのが数年先だと言われていて、何年かは上昇傾向が続く。1.5度は可能と事務総長は言っているが悲観的だと思う。」「何も変化を起こさなければ2.8度の気温上昇になると言っているね。」「この夏滅茶苦茶暑くても、政府を含め日本社会は、変化に踏み切ろうとならない。国民全体も頭が向かない。情けなくなる。何故だ。」「ネットを見ると、中国で電気自動車が大量に廃棄されているというのが出てくる。電気自動車は失敗で、日本の自動車産業(ガソリン車生産)が正しいとの主張だ。フェイクなんだけどね。ネットは恐ろしい。」「ネットも普通のニュースもイスラエル軍の発表を垂れ流しているだけだ。それを見ているとイスラエルと同じ思考になっていくよね。」「政府を変えても無理と思う。野党連合でもね。野党連合が産業界に政策変えろと協力に指導できるかというと無理。立憲のスタンス(国民要求実現に向いていない)がはっきりしちゃっている。今の立憲では政策的に一致できないのでは。」「身近な人でも温暖化がCO2のせいではないと主張する人もいる。」「今年の超エルニーニョ現象で、日本付近の海水温が異常に高くなっているようだ。」など、温暖化現象をめぐる最近の動きを話し合いました。