第22回『資本論』学習会 第7編、第22章「剰余価値の資本への転化」を学習する


静岡市社会科学学習会は、1月28日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第4篇「資本の蓄積」の第22章を学習しました。

 討論では「レジュメで商品生産の所有法則の資本主義的取得法則への転換は、テキストでも書かれているが、どの様な事なのか」「商品生産の所有法則とは、商品生産者が自分で生産しそれを市場に持ち出して等価交換する事、また売り手と買い手は固定していない。しかし資本主義が発展すると、労働者は労働力を売り資本家はそれを買い、商品を生産する。そうすると商品は資本家の所有となる。自己労働に基づかない所有という事が社会全体で行われるようになる事では」「資本家と労働者の間では、互いに独立し対等な存在という事で契約が結ばれ、労働者は労働力を資本家に売る。しかし工場の中では搾取、不払い労働が資本家のも生産物も資本家の所有となる。これが社会全体で行われ富の偏在格差が生まれる。しかし表向きは対等な関係、実態は不平等な関係、この事を言ったではないか」「プルードンについて質問があったが、彼は公正な交換を主張した。労働者も働いた分だけの賃金を受け取る。そのような社会になれば資本の害悪はなくなると言った。資本主義社会を正しく理解していなかつた」など話合いました。

◆次回は、2月11日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第23章「資本主義的蓄積の一般法則」。持ち物は、新版、新書版『資本論』第4分冊。

現代経済学習会 『経済』1月号の「AI革命の歴史的意義と資本主義的充用」を読み合わせ、討論


静岡市社会科学学習会は、1月19日(火)「現代経済学習会」を「アイセル21」で開き、『経済』1月号の「AI革命の歴史的意義と資本主義的流用」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 討論では「学習会に出された資料の中に『資本主義的営利企業を前提とする限り、巨大企業相互のIОTは『営業の秘密』の壁にさえぎられることになるであろう。現実には、IОTによるによる『生産の社会化』は、その技術的な可能性が生まれているにすぎない』と言っているが、この立場は今回の藤田論文と同じだと思うが」「藤田論文にも『自動化による生産性の向上の成果を労働時間の短縮と所得再配分に向ければ、平等や社会形成という新しい社会形成の生産力の基盤を創り出すことになろう』と言っている」「AI革命が資本主義的に充用されれば、大量の労働者がさらなる不安定労働を強いられ、また解雇される社会が到来してしまうのではないか。論文で『二極化どころかごく少数の高位職務=高賃金層と大多数の低位職務=低賃金層になる』と言っている」「二極化は、現に進んでいると思う。オリンピックの選手村をマンションとして売り出したら直ぐに完売した。一方で明日の生活にも困っている人々が多くなっている」「AIの持つ可能性を真に生かしていくためにも資本主義社会の乗り越えた社会が必要だ」などの意見が出ました。

◆次回は、2月16日(火)午後6時30分から8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「《座談会》『楽天市場』の実態と法規制の課題」読み合わせ、討論。持ち物は、『経済』2月号。

官邸独裁政権=菅内閣 国民的共同で政権交代を‼


静岡市内で「学習の友」学習会を行いました。

1月13日に、2021年最初の「友」読合せ学習会を開催しました。特集「激動の時代と新政権への道」(山田敬男労教協会長・現代史家)をまず読みました。今年を「政権交代をめざす激動の年」とし、この間のたたかいの経過と成果を確認し、理由を言わず政府批判をする者は許さない、官僚支配とメディア対策を強め、官邸独裁政治を積極的に行う菅政権の特徴と政治手法の危険な体質を明らかにします。この菅政権を退陣させ「市民と野党の共闘」を前進させ、政権交代を実現させようと訴えます。討論では「国民の不安と危機感が増大し」それを背景に、闘争の「画期的な発展があった」としているが、社会の変貌が何で画期的前進に結びついたのかわからないとの疑問がだされました。「戦争法反対闘争などの中では、知識層などの変化はあったと思うが、貧困層も変化があったか?」「困っている状況を見て、学生知識層などから新しく動いた人が出ていたのが実態ではないか。」「運動の圧倒的参加はシルバー世代だが、シールズなどの青年の役割は接着剤だ。」「いま貧困対策を可視化しているのは民青のフードバンクだ。」「本当は労組などがやるべきだが、コロナの関係がある。」「世論調査でも現在政治的変化を求める声は高まっていない。統一した野党政権を前面に押し出す必要がある。」などの意見がありました。

第21回『資本論』学習会 第7篇「資本の蓄積過程」第14章「単純再生産」の報告を受け討議する


静岡市社会科学学習会は、1月14日(木)「アイセル21」で第21回『資本論』学習会を開き第14章「単純再生産」を学習しました。

 討論では「ポッターの書簡の中に『人間機械』という言葉が幾つも出てくるが、これはどの様な意味なのか」「1002ページでは『ポッターは、二種類の『機械』を区別している』と書かれている。普通の機械と労働者の事をさしていると思う」「997ページに『社会的観点から見れば、労働者階級は直接的な労働過程の外部でも、死んだ労働用具と同じように資本の付属部である』というマルクスの言葉がある。この事を『人間機械』という言葉は表しているのではないか」「第7編の課題、目的をまず掴むことが必要ではないか。第2編から第6篇までは、いかにして剰余価値が作られ増大していくかが解明されてきた。この第7編は、この剰余価値がいかにして資本に転化され、また資本主義的生産関係が作り出され、再生産されていくかが解明されている。そして第7編で資本論の目的である『近代社会の経済的運動法則』の解明が仕上げられている」「984ページの『生産の諸条件は同時に再生産の諸条件である』とか『他の事情が変わらなければ、社会は、たとえば一年間の消費された生産手段、すなわち労働手段、原材料、補助材料を、同じ分量の新品によって現物で補填されることによってのみ』と書かれているが、どの様な事か」「再生産1年目に続いて2年目も生産を繰り返す。単純な規模でという事だが、そのためには生産手段が1年目の生産を開始した時と同じように準備されなければならないという事を言い、補填とはその生産手段が1年目の生産物の中に準備されているという事ではないか」などの意見が出ました。

◆次回は、1月28日(木)午後6時30分より8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第22章「剰余価値の資本への転化」。持ち物は、新版又は新書版『資本論』第4分冊。

「日本近現代史を読む」第5回学習会 第3章「自由民権運動-国家路線の選択」を読み合わせ討論する


静岡市社会科学学習会は、1月12日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第5回学習会を開き、第3章「自由民権運動ー国家路線の選択」の読み合わせと意見交換を行いました。

 意見交換では「自由民権運動とは何なのかが分からなかったが、テキストで『国民の政治参加を求める運動』と書かれている基本的な性格が分かった」「テキストの29ページに『運動の発端は、1874年1月、前年の政変で参議を辞職した板垣退助らが、民選議院設立建白書を政府に提出したことにありました』とあるが、この政変とは何か」「テキストの24ページに『政府は征韓の方針を決定しました。しかし、欧米視察から帰国した岩倉らの反対とよって征韓論は具体化されることなく終わりました、10月の政変で征韓派は政府を去りました』とある。この時に板垣も参議を辞職したのではないか」「テレビでこの時の板垣退助は上からの民権運動を進め方が、自由民権運動にはもう一つの面があり、それはテキストにも書かれているように新聞記者、弁護士、私塾の教師など市民が参加する運動と言われていた」「国家路線の選択とあるが、五日市憲法や植木枝盛らが憲法草案を作り国の姿を具体的に構想している。その中には法の下の平等、集会・結社の自由、思想・良心の自由、天皇も法律に従わなければならないなど今日の日本国憲法と同じ内容が書かれている」「自由民権運動は、戦前暴徒仕業など言われていた。しかし『草の乱』という映画、また『獅子の時代』という大河ドラマで正しく紹介されている」など意見が出されました。

◆次回は、2月9日(火)午後1時30分~3時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第4章「日清戦争-国際関係の変動」。持ち物は、「増補改訂版・日本近現代史を読む」。