第24回『資本論』第2巻学習会 『資本論』第2巻、第21章「蓄積と拡大再生産」第3節、第4節を学習する


静岡市社会科学学習会は、7月14日(木)『資本論』2巻学習会を開き、第21章「蓄積と拡大再生産」第3節、第4節を学習し、意見交換をしました。

意見交換では「マルクスは、蓄積率や有機的構成を決めて考察をしているが、現実にはそのような事はないと思う。何を考えているのか」「拡大再生産を正常に進めるための条件を探っている。その中でこのような条件を設定している。あくまでも論理の世界での考察で、現実の経済世界の事ではないと思う」「827ページに『大部門Ⅰの資本家たちにも共通することであるが、簡単に賃銀をその正常な平均水準以下に押し下げることができる』と言っているが、何故このような事を言っているのか」「ここの部分は、拡大再生産を進めて行く条件の事を述べている所で、労働者の賃金を押し下げる事によって、拡大再生産を上手く進める事が出来るが、現実にはそのような事もあるが、ここでの前提は、賃銀が正常に支払われる事を前提として考えると、そのような事を言っているのではないか」
本日で『資本論』第2巻の学習会が終わるので、学習会全体の感想も聞きました。「報告の内容が少し難しかった。『資本論』も過去何回か読んだ。今回は考えながら読んだが、しかし難しかった。マルクスが言わんとしている事が、なかなか掴めなかった。『資本論』は全巻購入したので、引き続き読んでいきたい」「学習会に参加する事で『資本論』にも目を通す事ができた。分かったことも沢山あるが、理解出来なかった事もある。だから引き続き学習に取り組みたいと思う」「学習会に出されるレジュメが講義のようなレジメだったので良かった。レジメを手がかりに本文を読むと、やはりなかなか難しかった。資本循環論や単純再生産、拡大再生産など学習会自体は面白かった」「『資本論』は、第2巻は以前も読んだ事があるが、一番難しいと思う。再生産論では条件が整えば資本主義社会でも経済発展は可能だと言う事を言っているのか、大筋としては分かる」「第2巻は一言で言えば難しい。マルクス言わんとしている事が、なかなか掴めなかった。『資本論』はもっとやさしく書いてあると思った」など意見が出されました。

核兵器の存在は人類生存のリスク 核戦争の危機が繰返される―「非核の世界」実現を


7月11日、静岡市内で「学習の友」学習会が開催されました。

 今月は、特集記事の「現代の戦争と核兵器」(安斎育郎立命館大名誉教授)を読合せました。筆者はウクライナ戦争で「プーチン大統領が『核兵器による威嚇』の問題に触れたとき、1962年のキューバ危機を思い起こし」たと云い、当時の危機的状況を説明しています。そして、核兵器と通常兵器との違い、「原爆」と「水爆」との違い、中性子爆弾についての考え方などについて、明らかにしています。そして現代の戦争で核兵器が使用された場合の惨禍は、広島・長崎とは桁違いの核地獄となると指摘します。また、「核兵器を隠すため、いろいろな手の込んだ方法が考えられてい」るとも云います。「今こうしている日常の中にも核兵器システムが存在していること自体が、人類にとってのリスクである」とし、「『非核の世界』を追い求めなければならない」と訴えます。 討論では次のような発言がありました。〇キューバ危機の際、嘉手納基地に「核巡航ミサイルを発射せよ」と命令があった。その1基はソ連、3基が「別の国」中国だった。核ミサイルを中国に向けて発射する直前だったということだ。〇全部がソ連に行くのなら分かるが、違うので問い合わせしたら誤報だったということだ。〇「核抑止力論」は、理性がある前提でなりたっていると思うが、独裁者的な人の考えは逆に向かう。〇トランプの末期、中国との核戦争を本気で考えており、軍の中では「命令があっても受付けない」との共有がされていたとのことだ。「核兵器の即時廃棄」の思いが共有された討論でした。

「日本近現代史を読む」第22回学習会 第20章「戦後改革から占領政策の転換へ」大戦後の国際社会と日本、民主化の進展と社会運動の高揚、占領政策の転換などを学習


 静岡市社会科学学習会は、7月12日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第22回学習会を開き、第20章「戦後改革から占領政策の転換へ」の読み合わせと意見交換を行いました。

7月12日「日本近現代史を読む」学習会の様子

 意見交換では「テキストの178ページに『占領の目的が日本の非軍事化と民主化に置かれた事です。そこには、侵略戦争の再発防止のためには、日本ファシズムの政治的・経済的・社会的・思想的基盤を解体させなければならない』という指摘があり、次のページで『農地改革では、地主の土地を強制的に買収し、小作農に売却する政策がとられました』とある。農地改革は、戦前の日本の半封建的と言われた社会基盤と経済基盤を解体さる重要な意義があり、同時に戦後の保守政治の基盤をつくり出したという面もあると思う」「テキストの180ページに新しい憲法を作る時に『日本政府は、明治憲法の若干の手直しによって事態を乗り切ろうとしました』とあるが、資料でも戦後再出発した保守政党も、日本自由党綱領には、『国体を護持し』と天皇制の維持を主張し、日本進歩党の綱領にも、『国体を擁護し』と同じ事が書かれている。戦後出発時の保守勢力は、戦前の天皇絶対の体制を戦後に引き継ごうといていた」「テキストの181ページに『世界各地で共産党を中心とする革命運動の高揚がみられ、さらに東欧などでソ連の衛星国家群かせ次々に誕生してゆくようになると、アメリカはソ連にたいする対決姿勢を強めていきました』とあるが、この衛星国家群とは何か」「衛星国家とは『主権国家として独立はしていながらも,軍事・外交政策から経済政策,さらに政治体制の基本的性格に至るまで,国外の大国がとる政策に拘束され,常に追随した行動をとる国家』の事で、当時のポーランド、東ドイツ、チェコスロバキア、ブルガリアなどの国を言うのではないか」などの意見が出されました。

◆次回は、日時は、8月9日(火)午後1時30分~3時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、 第21章「サンフランシスコ講和会議と日本の戦後処理」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」です。