日本社会の変革をめざして―第8章 日本がどのような現状にあるか どう変革をしていけばといのか

3月1日アイセル21において、勤労者通信大学基礎理論コーススクーリングの第9回学習会が開催されました。

今回は、第3部 たたかいと社会進歩 第8章 日本社会の変革をめざして です。講義では、レジメにそって、説明がされました。特に、日本国憲法の制定までの経過や、天皇の戦争責任について、別途資料がつくられて、詳しく語られました。戦後日本社会の支配のしくみのついては、安保体制下の状態の説明がありました。そうした日本社会の民主的改革については、労働組合運動と統一戦線運動の変遷を中心に、説明がされました。今回も広範囲であった中で、よく準備がされた内容で、チューターの大変さが分かりました。お疲れ様でした。

 以下は、質疑討論の一部です。

〇戦前の日本は、ファシズムと呼ぶのかどうか。
〇NHKの高校生講座などは、ファシズムと言わない。
ファシズムとは何か。日本も当てはまってしまうと
思うが。当時は天皇が中心で、少なくとも民主主義
国家ではない。
〇ファシズムの国だといえる。日本は海外へ侵略して
いった。ドイツ・イタリアは独裁者がいたが、日本は天皇
が侵略の旗振りはやってないが、天皇絶対体制はあって、軍部が力を増していって、天皇が引きずられた。
軍部は、国民の世論を先導している。マスコミもそれに乗っかって宣伝する。御前会議で決めているから、天皇の責任は免れない。
〇山田朗著書で、「天皇と戦争責任」で天皇の戦争責任について指摘している。天皇は統帥権を一手に握っている。積極的に関与している。
〇コトバンクで、日本のファシズムについて書いてある。天皇制ファシズムと呼ばれる。明治憲法体制の下で、国民の天皇信仰を背景に、軍部官僚による上からの強権的国家体制を形成した点で、下からの革命をめざして国民を組織し、ファシズム政権を獲得したイタリア・ドイツとは様相を異にする。とある。
〇簡単に言うと独裁主義だ。大衆を積極的に動員して、市民の自由人権を無視する。国家主義を掲げる。イタリア・ドイツを云う。日本は大日本帝国憲法をつくっていく過程をみると、自由民権運動を弾圧して欽定憲法をつくっている。上から弾圧した独裁憲法だ。広い意味でファシズム国家と規定していいと思うが。
〇今の日本を見たときに、ドイツやイタリアのようなファシズムが起きてくる可能性はある。国民の新しい意識の問題としてある。
〇市民革命と明治維新の違いはどこにあるのか。担い手と掲げていた要求の問題と思うが。
〇市民革命は自由・平等を掲げることが必要だ。明治維新はない。
〇市民革命はブルジョアジーが主導権をとった。自らの階級権力を確立するために封建制勢力とたたかう。
明治維新は、外国からの開国と国の在り方をめぐる支配層の中での争いだった。背景としては、民衆の不満・農民が分裂して資本家階級化はあるが、資本家階級も封建制政治と妥協して自らの力をつけていく。明治維新は、ブルジョア革命とは言えない。
〇自由民権運動は、豪農が運動に参加し主導権をとっていく。そういう点では民主主義的な側面はあった。結局は弾圧されていくが。
〇日本国憲法は明治憲法の改正として出来ている。中身が全然違うのに。廃止して新しくというようになんでならなかったのか。
〇形式的に改正ということだ。まったく違うものだが。
〇形の上では帝国議会で決まった。普通選挙で憲法制定議会をつくり憲法を制定する。
〇事実上明治憲法は停止している。
〇次回は未来社会論だが。当面野党が政権を取ったときに経済政策がどうなるかに興味がある。共産党が内部留保に課税しろ、グリーン投資をしろと言っている。国会審議で「新しい資本主義」部会があるが、現状分析がほぼ共産党と同じ事を言っている。内部留保が正常に回っていない、回すべきだと言っている。以前経済企画庁がありすごい権限があった。経済方針があった。今は目先で動く傾向だ。

現代社会と社会変革―第7章20世紀の人類史的変化を土台に21世紀の社会変革の推進を‼

2月1日アイセル21において、勤労者通信大学基礎理論コーススクーリングの第8回学習会が開催されました。今回の出席者は7名でした。

 今回は、第3部 たたかいと社会進歩 第7章 現代社会と社会変革 です。講義の冒頭、「20世紀の人類史的変化」をざっと見るために、2ページの画像を集めた資料を見ての説明がありました。その後、レジメにそってテキストの内容についての説明がされました。今回も60ページにおよぶ広範囲であったため、用意されたチューターの大変さが分かりました。お疲れ様でした。
以下は、質疑討論の一部です。

 〇資料の写真でアイスランドがジェンダー平等で 一位になっていると、1975年のストライキ、9割 の女性が参加したとのこと。労働者だけでなく、専業主婦、商人も参加したと思う。(目的が)賃金格差と性別役割分担で、と言ったと思いますが、それで凄いことになっている。

 〇アイスランドは人口が34万人ぐらいで、静岡市より少ない国です。だから10万人ぐらいは参加しているのではないか。

 〇リーマンショックの時に、男が儲けを追求したがために、あのようなことになったと、マイケルムーアの映画でやっていた。

 〇リーマンの金融債権を国は買って破綻したが、女性経営の会社は買わなかったので、生き残った経験があった。

 〇現代における支配方法について、2つの方法があるといているが、もう一つあると思う。学術会議の会員の任命拒否問題があった。あれはあの人たちの思想が気に入らない、ということで排除した。また、盗聴法がつくられ国家にとってき危険な個人の取り締まりをする。これが、もう一つ国民を支配する方法としてあるのではないかと思うデジタル庁ができたが、あれは個人情報を集め 。
て監視していこうとするものだ。

 〇マイナンバーで紐づけされるのも入るのか。

 〇そうです。今は未だが、いずれ個人の資産を全部つかむ。社会保障、徴税などでも使うことになるだろう。

 〇これまでも国家の組織が、政治家だけでなく、文化人でも批判的な人を調査監視している。

 〇「20世紀の人類史的変化」の中に、ロシア革命が載っていない。人類史の積極面の変化ではないのか。

〇国際的にも、日本の歴史にもロシア革命は大きな影響を与えている。民族自決権、社会保障制度、8時間労働制だとか。同時に誤りもあり二面があることで扱いにくいのか。

  〇「福祉国家」から「新自由主義」路線へとあり、内容も「福祉国家」がみんな「新自由主義」になったわけではないので、290ページの記述がちょっと雑ではないか。

  〇フランス・ドイツは「福祉国家」を堅持している。ただ、  スペイン、緊縮に反対して1000万労働者がゼネスト雇用の流動化・労働法改悪などレベルな差はあるが、「新自由主義」的改革はやられているが、「福祉国家」解体のレベルではない。

現代の資本主義―第6章グローバル化、急速な生産力の発展の今日も 資本の本質は変わらない

1月11日アイセル21において、勤労者通信大学基礎理論コーススクーリングの第7回学習会が開催されました。今回の出席者は6名でした。

今回は、第6章 現代の資本主義です。資本主義社会は、初期の自由競争段階の資本主義から、20世紀以降に独占段階の資本主義に移行していきます。テキストでは、この独占段階の資本主義社会を、第2次世界大戦前と、大戦後のそれぞれの特徴を明らかにしています。更に、近年の「新自由主義」経済政策の諸問題、情報通信技術の著しい発展、グローバル化、金融肥大化の諸課題についても提示し、行き詰まる社会を乗り越える日本資本主義の民主的改革への展望についても触れています。
今回、テキストの範囲が広いため、1時間の講義時間で足りず、途中までで終わったのは残念でした。
以下は、質疑討論の一部です。

 〇近年、若者は就職難なのに、外国人労働者を招き入れる政策をとっているのはどうしてですか。

 〇近年は就職率が高まっているのが実際のところ です。(後日調査、ここ4年の大学卒の就職率は、 4/1現在97%以上)ただし、就職先の問題としては 非正規雇用が4割を占めており、劣悪な労働条件 のなっている点です。また、外国人技能実習制度は、本来日本の技術や知識を途上国に移転し、その国 の経済発展に寄与する国際協力が目的であり、労働力の需給調整を行なわない、との基本理念
です。ところが、政府財界は、外国人技能実習生を日本の労働力不足に利用しており、彼らに劣悪な労働条件を押し付けています。ここが大きな問題です。」

〇テキストで自由主義の紹介があるが、アダム・スミスの夜警国家などの紹介がありません。また新自由主義は『小さな政府』であると紹介されているが、資本に対しては税金を投入するなど『大きな政府』としての面もあります。

 〇少し前にニュースで知った事だが、未来社会との関係で、労働時間の短縮、ドイツのBMWは、週35時間労働が実施されています。労働者の闘いが未来を切り開いている。

 〇テキストでアベノミクスが紹介されています。まさに新自由主義的構造改革だと思います。三本の矢の 一つに、機動的な財政政策があり、これはまさしく国家財政を投入る事で、補正予算でも台湾の半導体企業に六千億円投入する事が報道されています。必ずしも『小さな政府』ではないのです。

〇テキストに『アメリカによる日本政府にたいする年次改革要望書が出され』とあるが、年次改革要望書とは何ですか。

〇例えば、大店法が変えられた事があります。大店法で大きな店を法律で規制していたが、アメリカの資本が自由に出店できるように、この大店法を改正したのです。

〇郵政民営化も年次改革要望書の中で求められました。それまでは自民党の中でも取り上げられなかったが、アメリカが要望した途端、小泉が首相となり実現したのです。

資本主義の搾取のしくみ―第5章    資本主義の搾取は生産過程でおきている

12月7日アイセル21(静岡市内)において、勤労者通信大学基礎理論コーススクーリングの第6回学習会が開催されました。今回の出席者は8名でした。

今回は、労働者教育協会が作成した動画「資本主義の搾取のしくみ」(増田正人法政大学教授・経済学教科委員)を、視聴することとなりました。テキストの範囲は、第5章第1節となります。 増田氏は、ほぼテキストにそった解説をしています。まず、資本主義以前の社会に比べ、資本主義社会は搾取が「みえにくい」と指摘します。資本主義社会は労働力の商品の売買を通じて搾取が行われるが、労働力の売買は基本的には、対等平等の契約関係である。等価交換(価値通りの交換)の下での交換となっていが、それでも、搾取が行われている。「ですので、ちゃんと勉強しないと搾取ってことの実態がわからない。それが資本主義社会の特徴だ」と言いました。次に、資本家のもうけ(利潤)は、流通過程ではなく、生産過程で生まれていることを述べ、生産過程での搾取 のしくみについて、解明していきました。 最後に、搾取強化の3つの方法を説明しました。
動画視聴の後、質疑討論をおこないました。以下は、その一部です。
〇 P179に「労働力に投下した1億円の価値部分は、その価値を新商品に移転するのでは」なく、「別に新しい価値をつくりだし、新商品に新しい価値をつけ加えるのです。」と記載があるが、労働によって投下した 労働力の価値分は、他の生産手段と同じように「移転」すると表現できないか。そして例題では3億円の新たな価値を「つけ加える」というのではいけないのか。○ 他の生産手段は(原料・機械など)は、形を変えなどしてもそのまま価値が「移転」するといえるが、労働力の価値1億円を投資し、それを使うことで(労働)によって、「4億円の新しい価値をつけ加えることにな」る。計算上は4億-1億=3億であるが、3億円をつけ加えたわけではないのではないか。 ○ P181の「労働力の価値の1日分は、労働者が2時間働くことで生産できるようになっており」とは、これはどうゆうことですか。 ○ P177の表で、1億円で4億円の価値をつくる。これは、8時間の労働時間を例として前提となっている。とすると、賃金部分は2時間だということです。 ○ 具体例として、私が働いていた製造職場では、1か月100万円の原価を製造し、賃金は30万円前後だった。だいたい例に近いと思う。 ○ マルクスの時代は、剰余価値率は100%だったが、今は300%ぐらい、もっといっているかも。 ○  労働と労働力の違いを教えてほしい。 ○ P166に「労働力とは、人間の身体に備わった能力のこです。労働とは、労働力を発揮し、それを使用することです。」とあります。

第5回勤通大スクーリング開催

11月2日、静岡市内で勤通大スクーリングを、次のニュースのとおり開催しました。

勤通大基礎理論コーススクーリングが再開されました‼

緊急事態宣言で延期していた勤通大スクーリングが、10月5日静岡市内で再開しました。

7月の勤通大基礎理論コーススクーリングニュースです

7月6日静岡市内で勤通大基礎理論コーススクーリングを行いました。そのニュースができましたので、お読みください。

静岡市で基礎理論コーススクーリング開催 ニュースができました

基礎理論コース スクーリング 6月1日開校

勤労者通信大学基礎理論コースの月一回学習会が静岡市内で開校します。只今受講生を募集しています。

学習会「グローバル資本主義と安倍政権」

2016年4月10日、静岡県評会議室において、学習会「グローバル資本主義と安倍政権」が開催されました。原田静岡県労働者学習協会会長により1時間の講演と約40分の質疑応答が行われました。詳細は下記レジュメを参照ください。

グローバル資本主義と安倍政―レジュメ