国民と大企業・富裕層との格差拡大させる、あべこべのアベノミクスの金融緩和策


今回は12月19日に12月号を学習しました。 最初は山田博文群馬大学名誉教授の「アベノミクスの本当の目的としくみ」を読み合わせしました。アベミクスの本当の目的について「・・実体経済が低成長下にあるにもかかわらず、金融政策を利用して大企業・大口投資家・富裕層の利益を実現してやることにある」とズバリと指摘します。「アベノミクスの3年半の結果は、貧困と格差を拡大させた」とも言います。第二次安倍政権は、本来持つ日本銀行の政府とは独立した金融政策の目的を無視し、政権の都合の良いように利用しはじめました。安倍政権は、日銀法の「改正」をちらつかせながら、日銀人事に介入し、安倍首相と懇意の黒田財務省財務官を総裁に着任させました。これは日銀史上初めてです。黒田日銀の「異次元金融緩和政策」は、民間銀行に供給するマネーを2年間で2倍にし、民間銀行から日本の経済社会にマネーを注ぎ込み、物価を「2年で2%上昇」させることで、「デフレ不況」状態から脱却し、景気回復と「成長経済」実現するものでした。マネーの供給方法は、日銀が毎月7兆円ほど国債を金融機関から買い上げ、そのマネーで企業や家計は設備投資や住宅建設を促進する想定でした。(貨幣数量説に立った金融緩和政策)しかし、現在の不況は消費不況であり、物価下落は購買力の低下のためです。求められるのは購買力の増強政策なのです。

第4回『資本論』学習会 第1章、第1節「商品の二つの要因」を学習


12月20日4回目の学習会を開き、7名が参加し、いよいよ『資本論』本文に入りました。
本文の読み合わせを行い、多田さんがポイントを説明し討論に入りました。
討論では、『資本論』はなぜ商品の分析から始まるのか。マルクスの労働価値説に至る経済学の発展、重金主義、重商主義、重農主義、古典経済学の労働価値説への歩み。マルクスは最初では商品と言っているのに何故次は「鉄、紙などのような有用物」と言っているのか。「一八二三年の時点で、ブラジルのダイアモンド鉱山の過去八〇年間の総算出利用は、ブラジルの砂糖農園またはコーヒー農園の一年半分の平均生産物価格にも達していなかった」。とはどの様な事か。「資本主義的生産様式が支配している」とはどの様な意味があるのか。「中世の農民は、封建領主のために年貢の穀物を生産し、僧侶のために十分一税の穀物を生産した」。とはどの様な事か、などいろいろな疑問や質問が出て時間いっぱい話し合いをおこないました。
次回学習会⇒2017年1月12日(木)午後6時30分~8時30分、「アイセル21」第12集会室、第1章、第2節「商品に表される労働の二重性」を学びます。

第1回現代経済学習会「貧困・格差への民衆の怒りと経済民主主義」学ぶ


「静岡市社会科学・学習会」は、12月20日(火)第1回「現在経済学習会」を開き「貧困・格差への民衆の怒りと経済民主主義」(大木一訓)を学びました。自己紹介の後、読み合わせをおこない、その後討論となりました。

あまり時間がありませんでしたが、論文の中で国民生活を大幅に引き上げるための体力は日本にある事が4点で示され、この事を確信にしていく事の大切さ、全労連が最低賃金をすぐに千円の実現と千五百円を目指している事は生活の実体からみて重要であること。同一労働同一賃金では、ヨーロッパでは産業別で賃金が決まる事が紹介されました。

最後に今後の進め方について話し合いその結果以下のように決まりました。①日時は毎月第三火曜の午後6時30分~8時30分とする、②会場は「アイセル21」とする、③年間会費は二千円とし、個別参加は1回300円にすること確認されました。

◇次回は、2017年1月17日(火)午後6時30分~8時30分、会場は「アイセル21」第43集会室、学習は『経済』2017年1月号掲載論文「アメリカ社会に何が起きているか」(高田太久吉)を学びます。持ち物は『経済』1月号です。

第3回・読み合わせ形式『資本論』学習会開く


img_0237「静岡市社会科学・学習会」は12月8日(木)の午後6時30分から第3回目の『資本論』学習会を開き9名が参加しました。
内容は、第3版へ、編集者の序言〔英語版への〕、第4版へのところで、約50分で読み合わせを行いました。
ポイント説明の後討論となり、マルクス死後の1872年に「カール・マルクスはどのように引用するか」という匿名のマルクス攻撃の論文が発表され、それに対するマルクスの娘であるエリナー・マルクスをはじめとした反論が行われた事などが討論となり、若干分かりにくいところもありましたが結論として攻撃した論文の内容が間違いであった事が明らかになった。事などを話し合いました。
また、日本の江戸時代には分業が発展していたこと。当時の浮世絵などが分業体制で作られていた事。社会変革にはその運動の主体をつくりる事が重要な事。当時のイギリスは「急速に発達している外国の産業はどこにおいてもイギリスの産業を脅かしている」事。また「生産力は幾何級数的に増大するのに、市場の拡大はせいぜい算術級数的にしか進まない」ことなど資本主義の経済矛盾の事が語られている事などいろいろな事柄を話し合いました。
◇次回は、12月22日(木)午後6時30分より、「アイセル21」第12集会室にて、内容はいよいよ『資本論』本文に入り、第一篇、第一章、第一節の「商品の二つの要因-使用価値と価値」です。ぜひご参加ください。