「『資本論』全3部を歴史的に読む」第4回学習会を開く


「『資本論』全3部を歴史的に読む」の第4回学習会が25日に開かれ8名が参加しました。『経済』8月号に掲載された第4回の論文を読み合わせ、その後意見交換を行いました。
日本のバブル崩壊後の恐慌、リーマンショックの時など恐慌はどのような仕組みで起きたか」「今回の論文で不破さんは商業資本が架空需要を作り出す事をみて恐慌の運動論と言っているが、バブルもリーマンショックも銀行資本が架空需要を作り出したのではないか、その点では過剰生産恐慌を起こす仕組みは同じではないか」「リーマンショックの時には、不良債権がリスク分散の名で証券化が行われ、それが世界中に売られ、それによりアメリカで起こった恐慌が世界中に広がった」「不破さんは『資本論草稿集』『資本の流通過程』などの原稿資料を使い『資本論』の研究を進めているが、この不破さんの論文を学ぶには、学ぶ側もこのような資料も読んだり学んだりする必要があるのではないか」「この二つの資料、『資本論草稿』『流通原稿』は所有しているので、また必要な時には参考として貸し出す準備はある」「マルクスの時代は、恐慌の影響は今日と比較して小さかったのか」「マルクスの時代、19世紀から20世紀の世界大恐慌までは、基本的には自由主義の時代で市場万能論、市場まかせの時期で恐慌時の影響は今日と比較して大きかったのではないか、それが世界大恐慌以後は資本に対する規制が大きくなりいわゆるケインズ主義の時代となり、それが80年代以降ふたたび自由主義の時代に戻ろうとする新自由主義、資本に対する規制緩和、格差と貧困が激しくなる今の時代にとなっている」など意見交換を行いました。
◇次回は、9月22日(金)午後2時~5時、会場、「アイセル21」第44集会室、持ち物、『経済』9月号、「『資本論』全3部を歴史的に読む」第5回を学びます

『資本論』第3編、第1章、第1節「労働過程」を学習


8月24日(木)第18回『資本論』学習会を開き7名が参加しました。今日から第3編に入りました。いよいよ剰余価値の生産に入りました。今日は第1節の「労働過程」です。読み合わせとポイント説明の後討論に入りました。
「説明にあった上部構造と下部構造とは」「これは社会の構造を指す言葉で、下部構造は経済関係の事、上部構造は、政治、法律、イデオロギーなどの事を指しているのでは」「本文で『この生産的消費が個人的消費と区別される点は、後者は諸生産物を生きた個人の生活諸手段として消費し、前者はそれらを労働の生活諸手段、すなわち生きた自己を発現する労働力の生活諸手段として消費する』とは」「個人的消費は、生産物を消費して労働者自身を生産するが、生産的消費は、労働力を消費して生産するものは『消費者とは区別される一生産物である。』」などの疑問と意見が出されました。最後に自らの労働を二つの面から、労働過程と価値増殖過程という面から見ることの大切さが話され、「生産物が一面では資本の儲けを生み出す面であるが、一面では人々の生活に必要な物を作り出す面があり労働する事の意義を掴む事が大切」と意見が出されました。
次回は、9月14日(木)の午後6時30分より、内容は、第2節「価値増殖過程」です。会場は、「アイセル21」第12集会室です。持ち物は、新日本新書版『資本論』第2分冊です。

「物言えぬ社会」の変革を!憲法・表現の自由を生かす社会へ


静岡支部『学習の友』学習会

今回は8月号です。「特集その2 現代の政治社会状況を考える」の内「『物言えぬ社会』と憲法・表現の自由―目標管理という権力システムに抗して自分の声を取り戻す」(佐貫浩法政大学名誉教授)の読み合わせをしました。まず、「私たちは、幾重にも『物言えぬ社会』に取り囲まれて」いると指摘します。加計学園問題と安倍首相を押し隠す政府内の箝口令。埼玉公民館が9条守れの俳句掲載を拒否。公立学校現場職員会議は伝達機関となり「物言えぬ社会」が出現。子どもの世界には、いじめという大人の世界以上に権力的な表現抑圧の論理がまかり通るなどの事例を紹介しています。「日本国憲法は、国民が主権者、社会の主人公として生きるために、私たちに、力を行使する方法として、唯一『表現』という権利を保障し、その他の一切の暴力の行使を禁止しています。」表現によって社会創造と心理探求のために、争い、たたかうことを憲法は権利として保障しているということです。しかし、現代社会の表現抑圧のメカニズムが存在します。多くの職場で導入されている目標管理システム(PDCAサイクル)がその一つです。表現の自由は、縦横二重の構造といいます。上の権力との関係。もう一つは横の人と人との関係です。その空間が表現に攻撃をすれば力を奪われます。「個の心理の内奥にまで及んで侵された表現の自由を、」「人格の根底から回復していく戦略を」創り出すことが問われています。

『経済』8月号「アベノミクス4年の虚と実-実感なき景気拡大」を学習


8月15日(火)「現代経済学習会」を「アイセル21」にて開き『経済』8月号掲載「アベノミクス4年の虚と実ー実感なき景気拡大」を読み合わせと討論を行いました。
討論では、「2012年12月から景気は拡張期に入り、たまたま安部政権の登場と時期が重なった」との指摘があるが、ではアベノミクスとは何なのか」「実感なき景気拡張とあるが、多くの国民と企業は、労働分配率の低水準、国民所得の低迷で個人消費の低下などまさに実感はないが、多国籍大企業と一部の富裕層は、高額の商品の販売が順調など、国民の分断、二極化が進んでいる」「人口減少社会での到来により経済指標の意味合いが変わっているとの指摘は目からウロコだ」「マイナス金利により地域金融機関の経営が困難になっている。これが地銀再編の背景となっているのでは」「『出口戦略』は、日本経済の再建の中でしか実行ではないのでは」「最後の『異次元の量的・質的金融緩和政策』は近代の中央銀行の歴以上、最も恥ずべき愚行」という指摘に、安倍政権を早期に退陣に追い込み、本格的な日本経済再建へ舵を切らなければいけないと感じた」「安部政権の『インフレ期待』願望との指摘に、あまりにもの無責任を驚いた」など意見が出されました。
次回は9月19日(火)午後6時30分より、会場は「アイセル21」第12集会室、内容は『経済』9月号「日本経済の現局面をどうみるか」の読み合わせと討論です。みなさんの参加を呼びかけます。

『資本論』学習、第4章「貨幣の資本への転化」、第3節「労働力の購買と販売」を学ぶ


8月10日(木)第17回『資本論』学習会を新しい参加者を含め7名の参加で開き、第3節の読み合わせとポイント説明の後討論に入りました。
「労働力が商品となる条件の内第1と第2の条件とは」「第一の条件は労働者が人格的に独立し自分の労働力の自由処分が可能な事、第二の条件は『自分の労働力そのものを商品として売りに出さなければ』生活ではない生産手段を所有していない事」「価値量の変化とは」「商品の価値、または交換価値の事で、その量が増える事で、これは流通過程での等価交換では不可能の事を言っている」「『資本論』本文でロッシの文書の後に、『労働能力と言っている人が労働のことを言っているのではないかということは、ちょうど、消化能力と言っている人が消化のことを言っているのではないかと同じことである。』書いてあるがこれはどの様な事か」「これは、労働力と労働の関係を、労働能力と労働の関係として表現しているが、マルクスは、労働力の価値は『その商品を標準的な品質で供給するために必要な労働時間によって規定される』と言って労働力の価値は必要労働時間によって決まると言っている。労働力を労働と捉えると、必要労働時間という概念が出てこなくなる事を言っているでは」などの疑問と意見が交換されました。
◇次回は、8月24日(木)午後6時30分より、会場は「アイセル21」第12集会室、内容は第3篇「絶対的剰余価値の生産」に入り第5章「労働過程と価値増殖過程」の第1節「労働過程」、持ち物は新日本新書版『資本論』第二分冊です。ぜひご参加下さい。