平和を準備する


8月20日、「憲法・くらし・安保 総学習オンライン講座」の第2回、「平和を準備する」と題して森原公敏氏(日本共産党国際委員会副責任者)が報告したyoutubeを、静岡市のアイセルとZOOMで視聴しました。
国連総会は圧倒的多数で、ウクライナの事態は国際法を踏みにじった侵略戦争だとして、ロシアが持ち出した正当化の主張をすべて退けています。それを確認したうえで、戦争防止にいたらなかった理由を考えます。
戦争を起こさせないためには、①相手に攻撃を諦めさせる(抑止)力を持つか、②紛争を武力紛争にまで至らせない措置をとるか、③両方ともか、の選択肢があります。
ヨーロッパには集団的安全保障組織として欧州安全保障協力機構(OSCE)があります。しかし、現実に力を持っているのは軍事同盟としてのNATOであり、外部に潜在的な敵を仮定し、集団防衛を実行するものです。ソ連崩壊後もNATOは存続し、旧東欧諸国に拡大し、NATOとロシアの緊張関係が高まっていき、戦争を事前に防止する措置ができませんでした。
アジアの場合は、東南アジア諸国連合(ASEAN)や東南アジア友好協力条約(TAC)は、地域の平和と協力を進めるものです。軍事同盟による抑止力の強化の方向ではなく、平和のルール作りの努力こそが戦争を事前に防止する有効策となります。

静岡地区春闘経済学習会


2022-2024『資本論』第1巻学習会 第1篇、第1章「商品」第2節「商品に表される労働の二重性格」を学習する


静岡市社会科学学習会は、10月13日(木)『資本論』第1巻学習会を開き、読み合わせ、報告の後、意見交換をしました。 

意見交換では「『資本論』80ページに『労働は、それによって生産される使用価値の、素材的富の、唯一の源泉ではない。ウィリァム・ペティが言っているように、労働は素材的富の父であり、土地はその母である』と書いてあるがどのような事を言っているのか。また、報告の3ページに『スミスやリカードは、商品を生産する労働の二重性は見おとしていました』とあるが具体的にはどのような事か」「『資本論』の79ページ最後の行に『使用価値である上着、リンネルなど、要するに商品体は、二つの要素の、すなわち自然素材と労働との、結合物である』とあるが、この事をウィリァム・ペティが労働の事を父として、元々あった自然素材を母としてあり、それが合わさって、生産物がむ出来ると言っている」「自然的素材の典型として土地を母であると言うように言っている」「マルクスは人間が生きていく上で、労働によって生活に必要な物を生産しなければならないが、それは自然と人間労働の結合を言っているが。今日、自然環境破壊が資本によって大規模におこなわれている。この事が人間の生存そのものを脅かすようになっている。人間と自然との物質代謝を脅かしている」「労働の二重性について、この商品を生産する労働の二重性をつかむことは、第3篇に入って、労働過程と価値増殖過程の区別と関連を理解する上で決定的な役割をはたします。搾取と言う事を分析していく上で労働の二重性がその威力を発揮するのだが。アダム・スミスは、この二重性を掴む事ができなかったので、労働価値説は言ったが、そこから進んで剰余価値の発見までは進む事ができなかった」「労働の二重性を理解する重要性として、『シーニアの最後の一時間』とか『アダム・スミスのドグマ』とかが資料の中にあるので、ぜひ読んでほしい」などの意見が出されました。

◆次回は、10月27日(木)午後6時から8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第1章第3節「価値形態または交換価値」A「簡単な、個別的な、または偶然的な価値形態」の1と2。持ち物は、『資本論』第1部(新版・新日本新書版の第1分冊)。

第2回『資本論』第一巻学習会 第1章・第1節「商品の二つの要因ー使用価値と価値」を学習する


静岡市社会科学学習会は、9月22日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第1章・第1節「商品の二つの要因」を学習しました。

 討論では「『資本論』の最初のところで『資本主義的生産様式が支配している諸社会の富は、『商品の巨大な集まり』として現われ』と書かれている。その横に(一)とあり、『経済学批判』とあるが、この『資本論』と『経済学批判』とは何処が違うのか」「マルクスは『経済学批判』として本を出そうとしていた。しかし、その内容は『資本論』とは大きく違うもので、その第1巻として『経済学批判』を出した。しかし、その後構想が変わり、現在の3部構想の『資本論』となった」「『資本論』の8ページに『あの以前の著書の内容は、この巻の第一章に要約されている。そうしたのは、連関をつけ完全にするためではない。叙述が改善されている、以前には概略的に述べただけの多くの点が、ここでは、事情がなんとか許す限り、さらに進んで展開されており……』と紹介されている」「資本主義社会では『商品の巨大な集まり』として現われ』とあるが、江戸時代にも商品は流通していた。資本主義社会の商品と江戸時代の商品との違いは何か」「資本主義社会では人間の労働も商品となっている。江戸時代などでは労働は役務として奪われていた」「資本論の76ページに『商品になるためには、生産物は、それが使用価値として役立つ他人の手に、交換を通じて移されなければならない』と紹介されている」「江戸時代の商品も今日の商品も商品には違いがない。違う点は、今日では商品生産が支配的であり、江戸時代では80%の人は、農民で現物経済の中で生活をしていた事ではないか」など話合いました。

◆次回は、10月13日(木)午後6時~午後8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第1篇第2節「商品に表される労働の二重性格」。持ち物は、『資本論』第1部(新版・新日本新書版の第1分冊)

「日本近現代史を読む」第24回学習会 第22章「日米安保体制と高度成長」を学習する


静岡市社会科学学習会は、9月13日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第24回学習会を開き、第22章「日米安保体制と高度成長」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 意見交換では「テキストの193ページに『54年5月、フランスの拠点ディエンビエンフーが陥落し、フランスの軍事的敗北が決定的になります』とあるが、フランスはドイツに占領されていたのに、何故再びベトナムを植民地にする事が出来たのか」「ベトナムは、日本が連合国に降伏すると、8月革命が勃発し、9月にはホーチミンが『ベトナム独立宣言』発し共和国が誕生したが、その後『冷戦』に巻き込まれ、再びフランスが進駐し傀儡政権を樹立した。しかし、テキストにあるように54年軍事的に敗北し休戦協定が結ばれ、2年後の総選挙がおこなわれる事になっていたが、アメリカが介入し南な傀儡政権が作られた」「テキストの194ページに『米国のまきかえし政策』という事で、日米安保、米韓相互防衛条約、東南アジア条約、米台相互防衛条約などま軍事条約が結ばれたとあるが、安保条約は今もあるが、その他の条約は現在どの様になっているのか」「米韓相互防衛条約は、現在もあり、韓国には2万9千人の米軍が駐留している。日本には沖縄だけで2万6千人、日本全体では、5万5千人の米軍が駐留している。日本がアメリカの軍事基地化しているかが分かる。東南アジア条約と米台相互防衛条約は破棄され、東南アジアにはASEANという『平和の地域』づくりが取り組まれている」「テキストの195ページに『自由党と民主党の合同によって、自由民主党が結成された』とあるが、今、統一協会との関係で注目されている清和会は、民主党の流れで、岸信介が鳩山一郎と作った政党、戦前の流れを引き継いでいる」など意見が出されました。

◆次回は、日時は、10月11日(火)午後1時30分~3時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、 第23章「激動するアジアと世界」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」です。

第21回『資本論』第二部学習会 第3篇・第20章「単純再生産」第9節と第10節を学習する


静岡市社会科学学習会は、5月26日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第20章「単純再生産」第9節と第10節を学習しました。

 討論では「マルクスは、資本と収入という言い方をしているが、収入とは個人的に消費される貨幣と言う理解で良いのか」「疑問として単純再生産では資本家は剰余価値を全て個人的消費をするが、拡大再生産では資本として再投資する。この場合の剰余価値は収入なのか資本なのか」「拡大再生産では剰余価値は生産手段に向けられるので、この詳しい内容は次の拡大再生産の所で学ぶ事になるのではないか」「拡大再生産でも剰余価値は資本家の収入となるが、それを個人的消費をするのか再投資するのかは、資本家の判断と言う事になるのではないか」「労働者にとっては賃金収入は全て個的消費に使う。その賃金は貨幣は資本家の下では可変資本の貨幣形態なので、資本家の資本が労働者の手中では収入となるという見方は間違いだと言う。資本家から労働者に賃金として渡る貨幣は、同じ貨幣だが、この貨幣は資本家の手中では可変資本の属性をもち、労働者の手中では労働力商品の対価としての属性をもつ。資本家の資本は、貨幣形態から生産資本形態へ労働力の形態に変態し、この労働力は資本家下で労働し賃金の対価部分と剰余価値を生産し、価値増殖された商品資本となる」など話合いました。

◆次回は、6月9日(木)午後6時~8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第20章「単純再生産」第11節~第13節。持ち物は、『資本論』第2部(新版・新日本新書版の第7分冊)です。

2021-第20回『資本論』第2巻学習会 第20章「単純再生産」第4節から第8節を学習する


静岡市社会科学学習会は、5月12日(木)『資本論』2巻学習会を開きました。報告の後意見交換をしました。

 意見交換では「消費部門を必需品部門と奢侈品部門に分け、不況になると奢侈品の消費が抑えられる。そうするとそこで働く労働者が解雇され、また必需品部門の消費も少なくなる。そうすると経済恐慌が起きるという事を言っているのか」「消費部門を必需品と奢侈品に分ける事によって、必需品部門の生産量が少なくなっている。資本家も必需品を消費するのではないか」「マルクスは、労働者階級は必需品を消費し、資本家階級は必需品と奢侈品の両方を消費すると前提にしている。資本家は人数が少ないが必需品を消費する額としてはそれなりの大きさではないか」「最初の設定では必需品と奢侈品を分けずに消費部門とし見たが、よりリアルに資本家は利潤の一部を奢侈品を消費するとして必需品部門の数字は小さくなっている」「奢侈品部門の消費が縮小すると、それが労働者の解雇、解雇された労働者の必需品の消費がまた少なくなると言う。つまり再生産の仕組みの一部が不調になる。それが社会全体に波及すると言う。その事によって過剰生産恐慌が起きる場合もある。しかしこれはあくまでも価値のレベルの話で、直経済恐慌が起きると言う事ではない」「過少消費説への批判があるが、疑問に思う事は恐慌は生産と消費の矛盾、つまり個別の資本家は賃金を低く抑える。しかし社会全体としてはそのために消費が少ない。この矛盾は過少消費ではないのか」「恐慌が起きる時には必ずその前に過剰生産がある。日本のバブルやリーマンショックの時も熱狂的な経済過熱があった。資本家は競争し儲けを求めて過剰生産をする。この生産が過剰である事が、何かのきっかけで表面化する。生産と消費の矛盾がこの時に表面化する。これが過剰生産恐慌である」などの意見が出されました。

◆次回は、5月26日(木)午後6時~8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第20章「単純再生産」第9節から第10節。持ち物は、『資本論』第2部(新版・新日本新書版の第7分冊)。

第8回「多国籍企業と日本経済」学習会 「グローバル・バンクの動向と今後の展望」を読み合わせ、意見交換をする


静岡市社会科学学習会は、1月25日(火)「多国籍企業と日本経済」学習会を「アイセル21」で開き、テキストの読み合わせの後、意見交換を行いました。

 意見交換では「テキストの中で『サブプライム・ローンを証券化した金融商品』とあるが、どの様な事か」「住宅価格の値上がりを唯一の根拠にし、低所得の人々に、銀行が住宅ローンを販売し、それをさらに売る事によって、また利益を得る。これを大規模に展開したが、住宅が高値で売れなくなり、その結果住宅ローンを返す事が出来なくなり、ローンが破綻した事が連鎖して世界的な金融恐慌が発生した」「テキストの中で『デジタル・バンキングの提供に注力しており……そこでは従来型の対面店舗型のサービスは削減され』とある。金融機関が経費の削減に向かう背景は何か」「銀行の通帳からスマホアプリへの転換の背景には、銀行が国税局に毎年二百円印紙をおさめなければならず、これが莫大な経費となっている」「昔の銀行は、全て手作業で計算をしていた。小さな支店でも50人ぐらいの行員がいたが、コンビューター化により数人のオペレーターがいれば良くなっている。また特別の能力は必要なく派遣社員で良くなった」「日銀の低金利政策により銀行の収益が悪くなり地方銀行、信用金庫などの合併が続いている。これはオーバーバンキングを解消する財務省の政策と思う」「金融資本が経済全体の支配者と思う。テキストでも『メガ・バンクの収益状況の特徴は、安定している』言う、産業資本に対する支配力も失ってはいない」などの意見が出ました。

◆次回は、日時は、2月15日(火) 午後6時~8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「医薬品産業におけるグローバル化と現代医薬品企業」の読み合わせ、意見交換。持ち物は、「多国籍企業・グローバル企業と日本経済」です。

憲法公布75年記念憲法講座(憲法会議主催)ZOOM学習会を静岡市内で開催


  静岡県学習協静岡支部と静岡市社会科学学習会の共催で12月19日、東京市ヶ谷で開催された憲法会議主催のZOOM学習会、「憲法公布75年記念 秋の憲法講座」を、リアルタイムで視聴する学習会として、静岡市「アイセル21」において開きました。当日は、21名とたくさんの皆さんの参加がありました。講師の渡辺治氏は、総選挙後の改憲をめげる情勢とたたかう展望を、浜矩子氏は、総選挙後の経済運営のあるべき姿と政権批判を展開しました。なお、「憲法講座」を視聴したい場合は、憲法会議HPか、リンク先「静岡市社会科学・学習会」のブログにおいても見ることができます。

第9回『資本論』第2部学習会 第2篇「資本の回転」、第7章「回転時間と回転数」、第8章「固定資本と流動資本」、第1節「形態的区別」を学習する


静岡市社会科学学習会は、11月26日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第2篇第7章「回転時間と回転数」、第8章「固定資本と流動資本」第1節「形態的区別」を学習しました。(下記の写真は10月28日の様子です)

 討論では「『資本論』の261ページに『家畜は役畜としては固定資本である肥育家畜としては…流動資本である』とあるが、どの「役畜は耕耘機と同じで固定資本、ところが食肉の家畜は原料であり流動資本である」「報告の中で『搾取を覆い隠すような働きが出てきてしまう。この流動資本、固定資本という言葉を使うことによって、その内面や背後に、繰り広げられている搾取の仕組みが覆い隠されてしまう』とあるが、何処で解明されるのか」「第6分冊全体が回転論であり、今後の学習の中で解明される」「『資本論』の259ページに『この独自な流通様式は、労働手段がその価値を生産物に引き渡す-または価値形成者として生産過程中にふるまう-独自な様式から生じる』とあるがどの様な事か」「図の説明で言うと、固定資本の耐用年数は10年で、固定資本の価値10億円だから1年では1億円の価値が流通すると言う事、この1億円は10年後に固定資本を更新するため、経費として積み立てられると言う事ではないか」などを話合いました。

◆次回は、日時・12月9日(木)午後6時30分から8時30分。会場・「アイセル21」第42集会室。内容・「第8章」、第2節「固定資本の構成諸部分・補填・修理・蓄積」、第9章「前貸資本の総回転。回転循環」。持ち物・『資本論』第2部(新版・新日本新書版の第6分冊)です。