「『資本論』全三部を歴史的に読む」学習会開く


『経済』誌での連載が始まった不破さんの論文「『資本論』全三部を歴史的に読む」を学習しようと、5月26日(金)午後2時から「アイセル21」で学習会が開かれ10名が参加しました。
学習会は冒頭主催者から学習会の進め方の説明を受け、自己紹介をおこないました。元学校の先生、演劇活動に参加していた人、戦争経験の語り部として活動している人、クリシチャンなど様々な人が参加しました。今後の進め方としては、運営委員の三人が交代で学習の進行役をしていく事を確認しました。
不破論文を読み合わせし討論に入りました。質問では「原始共産制社会がどの様な事情でアジア的とマルクスは言ったのか 」「『商品の物神的性格とその秘密』とあるが、この物神的とは何か」「ヘーゲルの弁証法とマルクスの弁証法の違いとは」などの質問が出され、「マルクスの時代まだ原始共産制社会が世界各地にあった事が分からなかった。最初インドで人間社会の最初に無階級の社会があった事が発見されたために原始共産制社会の事をアジア的と呼んだのではないか」「宗教の神は人間が作り出したものなのに、その神を人間が信仰し人間が神によって支配されてしまっているように、資本主義社会の商品は人間が作り出した物なのに市場に持ち出された商品によって人間が支配されてしまう事では」「ヘーゲルは論理学の中で弁証法を展開したが、その論理学は神が世界を作り上げる設計図であった。神が世界を作り上げる方法としての弁証法から、自然、人間社会、人間の思考を捉えればそれは弁証法的であり、これを意識的に活用し社会の変革を目指したのがマルクスではないか」などの意見が出されました。
◇次回は、6月23日(金)午後2時より5時まで、「アイセル21」第44集会室にて、内容は「『資本論』全三部を歴史的に読む」の第2回を読み合わせ学習します。

『資本論』学習 第3章、第2節「b貨幣通流、c鋳貨。価値章標」を学ぶ


5月25日(木)第13回『資本論』学習会を8名の参加で開きました。
第3章「b貨幣通流、c鋳貨。価値章標」を読み合わせ、多田さんが準備したレジュメを使いポイントを説明し討論しました。
討論に入り次のような疑問、意見が出されました。「本文の中で流通と通流という二つの言葉が使用されているがその違いは」「『流通手段としての金は、価格の度量基準としての金から背理し、したがつてまた、諸商品の価格を実現する…』の部分の意味は」「『紙幣流通の独自な法則』の指摘があるが、インフレを理解する上で重要な事ではないか」。意見交換では、「貨幣が絶えずその出発点から遠ざかることを貨幣通流と言い、商品の循環運動の事を流通と言っているのではないか」「金は流通の中重量が目減りし、現実の等価物であることをやめる。この事が鋳貨をその公称金属純分の象徴に転化させる。自然発生的な傾向ではないか」「現在のアベノミクスは、日本銀行券の流通量を増やしインフレを起こそうとしているが、その事を理解する事の基本がここにあるのでは、しかし現在の日本では銀行に誰もお金を借りに来ない。賃金を上げこの国民の購買力を大きくする事が大事では」などの意見が出されました。その他、時間一杯まで意見交換をおこないました。
◇次回は、6月8日(木)午後6時30分より、「アイセル21」第12集会室、内容は第3章、第3節の貨幣です。ぜひご参加下さい。

長時間労働解消めざし厚労省通達を職場に生かそう!


(静岡市『学習の友』学習会)

今回読合せをした中で、斎藤力労働運動総合研究所常任理事の「長時間労働解消へ新ガイドラインを職場に生かすとりくみを」を紹介します。厚労省が1月20日「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(新ガイドライン)を公表しました。これは、2001年に策定された「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」(4・6通達)の考えを引継いで、次の2点が追加されたのが特徴です。第一は、労働時間の定義付けをしています。具体的には ①業務に必要な準備行為、終了時の後始末。②使用者に指示があった場合の即時に業務に従事する必要のある待機時間。(手待時間) ③参加義務のある研修・教育訓練の受講や学習等を明示しています。これ以外でも、「使用者の指揮命令下に置かれていると評価される時間」も含まれます。 第二に、「自己申告時間と実際の労働時間に大きなかい離があった場合は使用者に実態調査を行うことや改善措置を講ずることを求めています。実態が使用者の指揮命令下に置かれたと認められる時間は、労働時間とも述べています。しかし、これだけで働き方が改善されるわけではありません。労働者・労働組合の粘り強いたたかいが不可欠だと指摘をしています。

『経済』5月号掲載「『資本論』第1巻の魅力」を学びました


5月16日(火)「現代経済学習会」を「アイセル21」にて開き、「『資本論』第1巻の魅力」を読み合わせて討議をしました。
討論では、「剰余価値とは何か」「『資本論』全3巻はどの様な内容か」「資本主義社会は、労働者、資本家、地主の3大階級で構成と言われているが、日本や中国では地主がいるのか」「資本の有機的構成の高度化は社会主義ではどうなるか」などの質問に次のような意見が出されました。「人類社会は生産力を発展させきた。今は短時間の労働で国民全体の生活に必要なものを生産できる。剰余生産物は生産手段を所有していると言う事で資本家の私有となっている。これが剰余価値では」「『資本論』第1巻は資本の生産過程の分析、第2巻は流通過程の分析、第3巻は利潤、利子、地代などの分析が主な内容」」「戦後日本は農地改革で農地の地主は無くなったが、山林や居住地では地主がいる」「中国では革命闘争の中で地主の土地は農民に解放されて行った。これが革命の成功に大きな力となつたのではないか」「社会主義になっても生産手段に対する投資は増えていくが、それが有機的構成の高度化として問題になることはない」など討論がおこなわれました。
◇次回は6月20日(火)午後6時30分より8時30分、「アイセル21」第12集会室、内容は『経済』6月号の「平和主義と戦後日本経済の発展」と「生活苦を食いものにする大銀行カードローン」の二つを読み合わせ、討議します。

『資本論』学習会、第3章、第2節の「a商品変態」を学習


5月11日(木)第12回『資本論』学習会を開き8名が参加しました。
第3章「貨幣または商品流通」の第2節のa「商品変態」の部分を読み合わせ、渡辺さんがレジュメしたがってポイントを説明しました。討論の中では、「本文の中で『それらが使用価値である人の手に移行させる限りにおいて、それは社会的素材変換である。』とあり、また別の所では『社会的素材変換を媒介する諸商品の形態変換または変態だけを考察しなければならない。』とあるがこの違いは」との質問と「今回読み合わせた部分で初めて『恐慌の可能性を、とはいえただ可能性のみを、含んでいる』とありこの部分は重要ではないか」との意見がありました。
これに対して「マルクスは本文の中で『蛹化』という言葉を使い、商品が貨幣に変換されることの意味を語っているのではないか。商品の素材の変換だけに目を奪われずにその形態がすなわち使用価値から価値へ形態が変換している、変態している事に注目する事の大切さを語っているのでは」、「今回の所では恐慌の可能性と言う事が言われているが、貨幣恐慌の発生については十分に語られていない。これから資本が出てくる部分でさらに説明されるのでは」との意見が出されました。
◇次回は5月25日(木)午後6時30分より、場所は「アイセル21」第12集会室にて、内容は第3章「貨幣または商品流通」の第2節「b貨幣通流」と「c鋳貨。価値章標」です。