第11回『資本論』第二部学習会 第10章「固定資本と流動資本とにかんする諸学説」を学習する


静岡市社会科学学習会は、12月23日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第10章「固定資本と流動資本とにかんする諸学説。重農主義者たちとアダム・スミス」を学習しました。

 討論では「景気の循環を固定資本の寿命が長い、短いから説明をすると言う事だが、日本の高度成長の時期の15年は、恐慌がなかったので、疑問に思う」「ここでマルクスが言っているのは、恐慌が起きる原因を固定資本の更新に求めているのではなく、次の『回転循環のための一つの物質的基礎を作り出す』つまり、恐慌からの回復期には、企業は一斉に固定資本の更新を行う。それが新たな経済循環の物質的基礎、10年周期の基礎になると言う事を言っている。現実の恐慌は様々な理由から発生する」「『A・スミスが流動資本の構成諸部分を数え上げるさいに労働力を忘れていることである。これには2つの理由がある』とあるがこの二つとは何か」「第一の理由は、労働力は商品ではあるが資本ではない。商品であることをやめた時に生産資本の構成要素になるだから流動資本として掴めない。第二の理由は、労働力に投下される資本部分は、労働者の生活手段の形態でつかまれ、真正面から労働力を流動資本として掴めない」など話合いました。次回は、資本論第一分冊もお持ち下さい。

◆次回は、日時は、2022年1月13日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第11章「固定資本と流動資本とにかんする諸学説。リカードウ」。持ち物は、『資本論』第2部(新版・新日本新書版の第6分冊)です。注意第1分冊もお持ち下さい。

憲法公布75年記念憲法講座(憲法会議主催)ZOOM学習会を静岡市内で開催


  静岡県学習協静岡支部と静岡市社会科学学習会の共催で12月19日、東京市ヶ谷で開催された憲法会議主催のZOOM学習会、「憲法公布75年記念 秋の憲法講座」を、リアルタイムで視聴する学習会として、静岡市「アイセル21」において開きました。当日は、21名とたくさんの皆さんの参加がありました。講師の渡辺治氏は、総選挙後の改憲をめげる情勢とたたかう展望を、浜矩子氏は、総選挙後の経済運営のあるべき姿と政権批判を展開しました。なお、「憲法講座」を視聴したい場合は、憲法会議HPか、リンク先「静岡市社会科学・学習会」のブログにおいても見ることができます。

第7回「多国籍企業と日本経済」学習会 「自動車産業の『CASE』をめぐる競争と支配」読み合わせ意見交換をする


静岡市社会科学学習会は、12月21日(火)「多国籍企業と日本経済」学習会を「アイセル21」で開きました。 「多国籍企業・グローバル企業と日本経済」 の「自動車産業の『CASE』をめぐる競争と支配」を読み合わせの後、意見交換を行いました。

 意見交換では「赤旗日曜版で、電気自動車へ移行は必然とあり、その中で『現在の自動車市場でトヨタをはじめ日本企業は圧倒的強さを見せてる。だがEVでは日本勢は劣勢になっており』と紹介されている。なぜ日本の産業は衰退傾向なのか」「EVは航続距離が短く充電に時間がかかるなどの問題点もある。これからの技術革新が必要な部分もある」「EV車は電気をエネルギーとしている。これで本当に環境を守ることが出来るのか」「EV化は、自動車産業の戦略問題でもある。世界的な業界再編にも繋がる問題でもある」「自分が長く勤めていた会社は、工業部品を作っていた。取引先企業に自動車関連企業があったが、半年前に1割に減資した。EV化を予測して企業の縮小へ向かったと思う」「参考文献で、今中国のハイテク技術を支えている人々は、以前は米国へ留学しそこで先端技術を習得し、帰国して政府の援助も受けて起業し、米国と覇権を争う技術力を持つようになったと書かれていた」「日本の技術力は低下していると思う。日立を見ても技術力が低下している。工場では設計と製造と検査の部署があり、それぞれ技術力を持って切磋琢磨しながらお互いの技術力を高めていた。しかし現在は、製造と検査にお金をかけないで、設計だけ、検査も書類だけ、このようになると技術者は育たない。結果企業の技術力も落ちていく」などの意見が出ました。

◆次回は、1月25日(火)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「グローバル・バンクの動向と今後の展望」の読み合わせ、意見交換。持ち物は、「多国籍企業・グローバル企業と日本経済」です。

「日本近現代史を読む」第15回学習会 第13章「占領地と植民地支配」読み合わせ意見交換をする


静岡市社会科学学習会は、12月14日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第15回学習会を開き、第13章「占領地と植民地支配」の読み合わせ、意見交換を行いました。

 意見交換では「テキストの中に『平頂山事件』が取り上げられているが、この事件は何の根拠もなく、3000人もの住民を虐殺した事件で、中国に旅行に行った時、記念館を見学し写真も撮ってきたので紹介したい。涙なしには見学出来ない悲惨な事件だった」「当時日本は、なぜ『満州国』を作ろうとしたのか」「日本は、日露戦争の結果、遼東半島の租借権を手に入れ、また史ロシアが建設した東清鉄道の南満州支線を手に入れ、また鉄道を守る関東軍の駐留も認められた。この事を足がかりに、満州事変を起こしその後『満州国』を建国した。この国は、関東軍史と日本人官僚による傀儡国家で、毎月数百人もの抗日ゲリラを処刑しなければ維持できない国家だった」「資料の中で『中国の国民政府も、共産党への攻撃を優先されて、東北の失敗には手をこまねいていた』とあるが、どの様な事か」「この時期、蒋介石の国民政府は、共産党との闘いを重視していたと言う事」「創氏改名のところで、日本は、朝鮮の国民から言葉を奪い、日本語を話すことを強制したと言うが、これはもの凄い事だと思う」「創氏改名のところを見ると、日本は実に隅々までその政策を実行していると思った」「皇民化政策とは、天皇の子にするという事、あたかも日本人と同じように扱うように見えるが、広島などでは原爆被害の補償の対象としていないなど実に酷い」など意見が出されました。

◆次回は、1月11日(火)午後1時30分~3時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第14章「第二次世界大戦と日本の武力南進」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」です。

資本主義の搾取のしくみ―第5章    資本主義の搾取は生産過程でおきている

12月7日アイセル21(静岡市内)において、勤労者通信大学基礎理論コーススクーリングの第6回学習会が開催されました。今回の出席者は8名でした。

今回は、労働者教育協会が作成した動画「資本主義の搾取のしくみ」(増田正人法政大学教授・経済学教科委員)を、視聴することとなりました。テキストの範囲は、第5章第1節となります。 増田氏は、ほぼテキストにそった解説をしています。まず、資本主義以前の社会に比べ、資本主義社会は搾取が「みえにくい」と指摘します。資本主義社会は労働力の商品の売買を通じて搾取が行われるが、労働力の売買は基本的には、対等平等の契約関係である。等価交換(価値通りの交換)の下での交換となっていが、それでも、搾取が行われている。「ですので、ちゃんと勉強しないと搾取ってことの実態がわからない。それが資本主義社会の特徴だ」と言いました。次に、資本家のもうけ(利潤)は、流通過程ではなく、生産過程で生まれていることを述べ、生産過程での搾取 のしくみについて、解明していきました。 最後に、搾取強化の3つの方法を説明しました。
動画視聴の後、質疑討論をおこないました。以下は、その一部です。
〇 P179に「労働力に投下した1億円の価値部分は、その価値を新商品に移転するのでは」なく、「別に新しい価値をつくりだし、新商品に新しい価値をつけ加えるのです。」と記載があるが、労働によって投下した 労働力の価値分は、他の生産手段と同じように「移転」すると表現できないか。そして例題では3億円の新たな価値を「つけ加える」というのではいけないのか。○ 他の生産手段は(原料・機械など)は、形を変えなどしてもそのまま価値が「移転」するといえるが、労働力の価値1億円を投資し、それを使うことで(労働)によって、「4億円の新しい価値をつけ加えることにな」る。計算上は4億-1億=3億であるが、3億円をつけ加えたわけではないのではないか。 ○ P181の「労働力の価値の1日分は、労働者が2時間働くことで生産できるようになっており」とは、これはどうゆうことですか。 ○ P177の表で、1億円で4億円の価値をつくる。これは、8時間の労働時間を例として前提となっている。とすると、賃金部分は2時間だということです。 ○ 具体例として、私が働いていた製造職場では、1か月100万円の原価を製造し、賃金は30万円前後だった。だいたい例に近いと思う。 ○ マルクスの時代は、剰余価値率は100%だったが、今は300%ぐらい、もっといっているかも。 ○  労働と労働力の違いを教えてほしい。 ○ P166に「労働力とは、人間の身体に備わった能力のこです。労働とは、労働力を発揮し、それを使用することです。」とあります。

日本の労働組合はどうあるべきか?著書「労働組合とは何か」をめぐって


12月8日、静岡市内で「学習の友」学習会を開催しました。

今回は、「木下武男著『労働組合とは何か』をめぐって」(兵頭敦史専修大教授・労教協理事)を最初に詠み合わせしました。著者木下氏は、日本では労組の力が極端に弱い。これは「本当の労働組合」ではないからだと主張します。「本当の労働組合」は、「欧米」にある、「相互扶助」「法律制定」「集合取引(=企業横断的な団体交渉)」という3つの方法をつうじ、労働者間競争を抑制し、労働条件を向上する組織とします。また、職業別・一般・産業別労組であるとも云います。そして、貧困の中で新しい下層労働者が「はい上がる武器」として労組があり、ユニオニズム創造の主役となって社会を変えるであろうと云い、そのために「本当の労働組合」にしなければならないと論じます。兵頭氏は、本稿冒頭の問題意識には共感をするが、「共感できるの点はこの部分に限られる。」とし、以下疑問点をあげていきます。「横断的な労使関係」の実現には、使用者側にそれを応諾させる、各職場・企業レベルでの闘争が決定的に重要だが、本書はそれを著しく軽視します。また、主要な論点を導き出すうえでの事実認識などについての誤りがあまりにも多いとも指摘します。兵頭氏は最後に「著者は、労働運動史の専門研究者であるという最低限の矜持をもち、「このような本は出」すべきではなかったと思われる。と結んでいます。 討論では、次のような意見がありました。 「兵頭氏は、『現に横断的な交渉システムのない(使用者が応じていない)日本の現実をふまえれば、労働条件の社会的規制という目標に達するためには、職場・企業レベルにおける交渉や闘争。その基礎としての日常的な職場活動は決定的な重要性もつ。』と云う。正論ではあるが、現在の日本の職場の状況で果たして、まともな職場活動が維持できるのか疑問に思う点もある。」「兵頭氏の唯一共感した点として『多くの人は、生活が苦しいのは政治のせいであり、政治さえ変えればよくなると思っている』『しかし、労働者の働き方をかえられるのは・・・労働組合である』という記述に凝縮された問題意識であると云う。一理あるとは思うが、政治を変えることによって変えられることもある。ケア労働や公務員賃金などは特にそうだ。組合だけ、労使の力関係だけでなく、政治を変えることが、大きな転換点になると思う。その点で「唯一の共感」をほんとかなぁと疑問に思った。」「岸田は、ケア労働者・看護師の賃金を改善すると言って、財界は最も介護報酬減らせと言って、結局財界の言いなりとなるか。」「その賃上げも微々たるものだが、上がった分を利用者負担でまかなう、削減と賃上げが相殺される。看護師もコロナに関わる人は上げるが、その他の人はあげない。格差・分断を持ち込んでいる。これは、連合の取り込みのためのリップサービスではないか思う。」

第10回『資本論』第2巻学習会 第8章「固定資本と流動資本」第9章「前貸資本の総回転。回転循環」を学習する


静岡市社会科学学習会は、12月9日(木)『資本論』2巻学習会を開き、第8章「固定資本と流動資本」と第9章「前貸資本の総回転。回転循環」を学習しました。報告の後意見交換をしました。 

意見交換では「今日の学習の中で恐慌の問題が出ているが、今までの学習で恐慌の問題を取り上げた事があるのか」「今日の学習の中では、恐慌が10年周期で起きるその根拠として『物質的基礎』として企業での主要な固定資本の事を取り上げている。第2巻の中では、第2章「生産資本の中でも『恐慌の考察にさいして重要な一点』として、恐慌発生のメカニズムの事が書かれている」「販売と購買の分離と、労働者の賃金が低く抑えられている事から来る生産と消費の矛盾これを恐慌の根拠としている。そして最近の不破は、恐慌の運動論として商業資本の介入の事を言っている」「資本論の中では恐慌についてまとめて論じている部分はない。その理由として、マルクス自身は資本論の中で、まとめて恐慌を論じる予定はなかったと言う意見と、不破さんは、マルクスは恐慌をまとめて論じる予定だったが、マルクスの死によって実現できず、エンゲルスはそのマルクスの意図を知らずに第2・3巻を編集したため資本論では恐慌をまとめて論じている部分がないと言う」「固定資本の更新が平均10年で、それが恐慌の周期の基礎になっている。と言う事が資本論で書かれているが、本当にそうなのか」「恐慌の周期性の根拠として固定資本の更新が取り上げられているが、企業が何時固定資本を更新するかは企業によって違う、しかし恐慌によって周期が社会的に一致してくる。それは恐慌が回復し景気が良くなった時に、企業の競争力を強めるため、新しい機械を導入する事を多くの企業が行う。固定資本の更新が社会的に一致してくる」など意見が出されました。

◆次回は、日時は12月23日(木)午後6時30分から8時30分。内容は、第10章「固定資本と流動資本とにかんする諸学説。重農主義者たちとアダム・スミス」。会場は、「アイセル21」第42集会室。持ち物は、『資本論』第2巻(新版・新日本新書版の第6分冊)です。