第15回『資本論』第二部学習会 第16章「可変資本の回転」と第17章「剰余価値の流通」を学習する


静岡市社会科学学習会は、2月24日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第16章「可変資本の回転」と第17章「剰余価値の流通」を学習しました。

『資本論』学習会の様子 写真は昨年12の写真です

 討論では「第2節の中に、マルクスが資本循環論を完成させる前に書いた文書が残っていると言うが、説明にあった資本家が労働力を買うために支出した貨幣が賃金として労働者に渡った事で、『資本であることをやめてしまっている』と言っている事を指しているのか」「資本家は、労働力と生産手段を購入する事で、貨幣資本の価値が生産資本に変わっているのに、資本価値は維持され、価値増殖をする準備に入っているのに、そこを見る事ができずに、貨幣の流れに目を取られ、貨幣が労働者の収入となる事で『資本であることをやめてしまっている』と言う」「注32で資本の回転の違いによって、資本主義社会の矛盾が吹き出してくるという事を言っている。また生産と消費の矛盾の事も言っているが、関連はあるのか」「資本の回転は、資本主義社会では個々の企業で違う。そのため社会全体での生産と消費が上手く出来るのか、生産手段と消費手段の供給と、消費が上手くかみ合い社会を維持する事が出来るのか、しかし、消費とはお金を持っている人の事を言っているという。この問題を考えるのは、次の篇の第3篇であると言っている」など話合いました。

◆次回は、3月10(木)午後6時~8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第3篇「社会的総資本の再生産と流通」第18章「諸論」。持ち物は、『資本論』第2部(新版・新日本新書版の第7分冊)です。

第8回「多国籍企業と日本経済」学習会 「医薬品産業におけるグローバル化と現代医薬品企業」読み合わせと意見交換をする


静岡市社会科学学習会は、2月15日(火)「多国籍企業と日本経済」学習会を「アイセル21」で開き、「医薬品産業におけるグローバル化と現代医薬品企業」を学習しました。

 意見交換では「製薬企業は、自社が作った薬の特許が切れると年間で数百億円の売上が減る。そのため特許が切れるまでに次の新薬を開発しなければいけないが、それが出来ずに『シャイアー』を買収した。日本の製薬企業は規模が小さいが、研究開発する方向を高脂血症などにしぼる。国は医療費を削減するとしてメタボ対策を進める方向に動いた」「製薬企業への規制緩和では、以前は新薬の安全性や有効性をたしかなものにするためフェーズ1から7の承認申請の段階があったが、今回のコロナワクチンではフェーズ3までしかない企業まかせになっているのではないか」「日本の製薬会社は、何故ワクチン開発をしないのかという疑問があるが、開発するような方向には進むことが出来なかったと思う」「今日の新薬作りはゲノム情報を元にしての創薬だが、このような技術は日本の企業にはない。これは製薬企業だけでなく日本全体で研究開発者がアメリカなどに流失している。そのために日本企業の競争力が低下している」「昔は、日本の企業は長期的な視野での経営が行われていたが、それが逆転して、日本の企業が目先の利益だけを見て、長期的な研究開発を縮小した。しかし結局日本の企業力が落ちている。何時からこの方向に変わったのか」「新自由主義的な目先の利益を追求する株主資本主義と言われる方向に、バブル崩壊後から90年代にかけて日本企業の多国籍企業化がアメリカからの圧力で急速に進むのと同じ時期に短期的利益を重視する方向に変わったのではないか」などの意見が出ました。

◆次回は、3月15日(火)午後6時~8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「インターネット通販大手のAmazonとアリババ」の読み合わせ、意見交換。持ち物は、「多国籍企業・グローバル企業と日本経済」です。

第14回2021『資本論』第2巻学習会 第13章「生産時間」第14章「流通時間」、第15章「資本前貸の大きさにおよぼす回転時間の影響」を学習する


静岡市社会科学学習会は、2月10日(木)『資本論』2巻学習会を開き、第13章「生産時間」第14章「流通時間」、第15章「資本前貸の大きさにおよぼす回転時間の影響」を学習しました。

第14回『資本論』学習会の様子

 意見交換では「労働は、時間とか期間という言葉で言い表していて、流通は時間という言葉で言っているが、この時間と期間の違いは何か」「労働期間の方は、期間内労働が注がれている時間と労働は注がれてはいない時間の両方が含まれていると思う」「401ページに『短距離よりも長距離にわたるほうが輸送の相対的な安さはいっそう大きくなるということがある』と書いてあるがどの様な事か」「ここでは『安さ』を問題にしているので、輸送の時間は短縮されたが、その輸送にかかる全体の経費は高くなる事があると言う事ではないか」「『資本遊離』とは何か、また『流通期間が倍数の場合には遊離はないのです』と言っているがどの様な事か」「資本の遊離とは、資本が余る。資本が遊ぶ、必要としている資本額回収されていないので今ある資本は一時的に再投下する事が出来ない状態にあると言う事だと思う」「流通期間の倍数の事だが、例えば生産時間が6時間、流通時間が6時間ならば、資本は遊離しないで連続して投下する事が出来る。生産時間が3週間で流通時間が9週間の場合も、3週間の生産が終わった時には、9週間の流通が終わり資本が回収される時点と生産を再開する時点が重なるので、やはり資本が遊んで生産の再開を待つという事はない。しかし、生産時間が3週間、流通時間が8週間という事になると、流通が終わり資本が回収される時点と生産を再開する時点が異なる事から、資本が一時的に遊離する事があると言っている」など意見が出されました。

◆次回は、2月24日(木)午後6時~8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第16章「可変資本の回転」第17章「剰余価値の流通」。持ち物は、『資本論』第2巻   (新版・新日本新書版の第6分冊)

気候危機も大事な春闘課題―世界の動きに周回遅れの日本企業


2月9日、静岡市内で「学習の友」2月号の読み合わせ学習会がありました。

今回は、特集「2022春闘事典」の一つ「気候危機と労働運動」(竹下武全労連常任幹事)を読合わせしました。「地球温暖化の問題は、富の不公平な配分や不公正な現代経済が深刻な気候危機をもたらしている」とし、これにたいし「再生可能エネルギーへ大胆に転換して雇用創出をはかり、環境をまもりながら経済成長につなげる『グリーン・リカバリー』(緑の復興)が各国でとりくまれている。」と云います。日本では原発・石炭火力にしがみつき、転換を妨げていると批判し、「地域、産業、企業のありかたを変えることに労働運動の役割があ」ると指摘します。討論では、「『地域的エネルギー自給率の都道府県ランキングで1位は秋田県の45.1%』とは、どうゆうことか。」「エネルギーの地産地消ということではないか。」「再生可能エネルギーのみの数値ではないだろう。」「東京なんかでは凄い少ないだろうね。」「雑誌の『エコノミスト』で、英国で2021年COP26をやり、自動車産業にとって無視できない動きが。国際会計基準を決めるIFRS財団が、気候変動リスクの情報開示の新ルールをつくった。今年6月までに自社の工場の燃料燃焼などで発する温室効果ガス排出量だけでなく、自社の製品から生ずる排出量も示す必要がある。削減量が低いと融資されなくなるということだ。」など、日本企業の対応の遅れが問題ということでした。

第17回「日本近現代史を読む」学習会 第15章「開戦後の国内支配体制の強化」を読み合わせ意見交換をする


静岡市社会科学学習会は、2月8日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第17回学習会を開き、第15章「開戦後の国内支配体制の強化」東条独裁の成立、戦時下の国民生活、兵力動員をめぐる諸矛盾、昭和天皇の戦争責任を考える、女たちの戦争-女性兵士を考えるの読み合わせ、意見交換を行いました。

 意見交換では「テキストの136ページに『日本におけるファシズム体制は、国務と統帥との矛盾にみられるように、国家諸機関の分立制を克服し、一元的な戦争指導体制を構築することには、かならずしも成功しませんでした』と書かれているが、どの様な事なのか」「テキストの134ページに『統帥権の独立と国家諸機関の分立制が大きな足枷となります。統帥権の独立が制度化されているため、政府は軍部を統制することができないだけでなく、各省の責任者であり単独で天皇を補弼する立場にある国務各大臣が独立した大きな権限を持っていました。……国務と統帥の分裂や、各省庁間、陸海軍の対立を克服できるほど一元化された権力を東条首相が掌握できたわけではなかった』と紹介している」「135ページに『戦争中の個人消費』というグラフがあり右下がりになっているが具体的にどの様な事だったのか」「当時は、収入も少なくなったが物もなかった。昭和18年に学校に入ったが、鞄がない。服もない。売ってもいなかった「軍需向けの物に取られて、国民向けの消費物資は作らなかったと言う事だと思う」「テレビで『金子みすゞ』詩の事を放映していたが、やさしい詩で弱い者の立場に立った詩で、当時の国が取り上げないので忘れられていく。国は特に少年向けに勇ましい詩を作って行く。それは戦意高揚を計っていくものだと思う」など意見が出されました。

◆次回は、日時は、2月8日(火)午後1時30分~3時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、 第16章「中国戦線の日本軍」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」です。

現代社会と社会変革―第7章20世紀の人類史的変化を土台に21世紀の社会変革の推進を‼

2月1日アイセル21において、勤労者通信大学基礎理論コーススクーリングの第8回学習会が開催されました。今回の出席者は7名でした。

 今回は、第3部 たたかいと社会進歩 第7章 現代社会と社会変革 です。講義の冒頭、「20世紀の人類史的変化」をざっと見るために、2ページの画像を集めた資料を見ての説明がありました。その後、レジメにそってテキストの内容についての説明がされました。今回も60ページにおよぶ広範囲であったため、用意されたチューターの大変さが分かりました。お疲れ様でした。
以下は、質疑討論の一部です。

 〇資料の写真でアイスランドがジェンダー平等で 一位になっていると、1975年のストライキ、9割 の女性が参加したとのこと。労働者だけでなく、専業主婦、商人も参加したと思う。(目的が)賃金格差と性別役割分担で、と言ったと思いますが、それで凄いことになっている。

 〇アイスランドは人口が34万人ぐらいで、静岡市より少ない国です。だから10万人ぐらいは参加しているのではないか。

 〇リーマンショックの時に、男が儲けを追求したがために、あのようなことになったと、マイケルムーアの映画でやっていた。

 〇リーマンの金融債権を国は買って破綻したが、女性経営の会社は買わなかったので、生き残った経験があった。

 〇現代における支配方法について、2つの方法があるといているが、もう一つあると思う。学術会議の会員の任命拒否問題があった。あれはあの人たちの思想が気に入らない、ということで排除した。また、盗聴法がつくられ国家にとってき危険な個人の取り締まりをする。これが、もう一つ国民を支配する方法としてあるのではないかと思うデジタル庁ができたが、あれは個人情報を集め 。
て監視していこうとするものだ。

 〇マイナンバーで紐づけされるのも入るのか。

 〇そうです。今は未だが、いずれ個人の資産を全部つかむ。社会保障、徴税などでも使うことになるだろう。

 〇これまでも国家の組織が、政治家だけでなく、文化人でも批判的な人を調査監視している。

 〇「20世紀の人類史的変化」の中に、ロシア革命が載っていない。人類史の積極面の変化ではないのか。

〇国際的にも、日本の歴史にもロシア革命は大きな影響を与えている。民族自決権、社会保障制度、8時間労働制だとか。同時に誤りもあり二面があることで扱いにくいのか。

  〇「福祉国家」から「新自由主義」路線へとあり、内容も「福祉国家」がみんな「新自由主義」になったわけではないので、290ページの記述がちょっと雑ではないか。

  〇フランス・ドイツは「福祉国家」を堅持している。ただ、  スペイン、緊縮に反対して1000万労働者がゼネスト雇用の流動化・労働法改悪などレベルな差はあるが、「新自由主義」的改革はやられているが、「福祉国家」解体のレベルではない。