第24回資本論学習会 第24章「いわゆる本源的蓄積」と第25章「近代的植民理論」を学習する


静岡市社会科学学習会は、2月25日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第24章と第25章を学習しました。

 討論では「『資本論』の1247ページに『彼らは、ローマの非解放民がかって自分の保護者の主人になるために用いた下劣な手段で成り上がった』と書かれているが、具体的にどのような事があったのか」「『資本論』の中では具体的な事は書かれていない。思うにローマの権力闘争は、騙し、暗殺などが行われた。この事を念頭に書いたのではないか」「今日学習した所は、史的唯物論の社会発展の法則を、歴史的事実に即し、封建制から資本主義への発展を実証する。科学的に解明した箇所であり、また資本主義から社会主義へ発展する必然性が第7節で書かれている」 1年間続けてきた学習会は、今回で終了します。参加者からは、「1年間学習会に参加して『資本論』に対する見方が変わった。引き続き学習したい。また、19世紀のイギリスでよくぞここまで調べ上げ書いたものだと感心した」「第1巻はマルクスが出版したが、2巻と3巻はマルクスの草稿をエンゲルスがまとめ上げ編集をして出版している。『資本論』の全体をまとまった著作として読めるのはエンゲルスの努力があったからと思う」などを話し合いました。

◆6月10日から『資本論』第2巻学習会が始まります。 参加を希望する人などはご連絡ください。

第48回・現代経済学習会 『経済』2月号の「《座談会》『楽天市場』の実態と法規制の課題」を学習


静岡市社会科学学習会は、2月16日(火)「現代経済学習会」を「アイセル21」で開き、『経済』の読み合わせと意見交換を行いました。

 討論では「『楽天市場』で『送料無料ライン』が強制的に導入され、しかも3980円以上の場合となれば、小規模の業者は当然商品の価格を上げざるをえない。これは消費者にとっても問題である」「友人で農業をしている人が、ネット販売を始めたら売り上げが数十倍となり、今ではネット販売中心となつている。ネットの影響力は大きい」「『楽天のような、デジタル・プラットフォームと個人事業者との関係を規制する法律はなかつた』とあり、昨年法律は出来たが、まだ不十分だと思う」「ネットを活用しての経済活動は、先端的で参加者は平等だと思っていたが、楽天市場の実態を見ると、大企業が中小企業を支配している実経済の実態と同じで驚いた」「政府は、デジタル・プラットフォームでの経済活動を成長戦略として重視しているが、まずは法律の整備が求められていると思う」などの意見が出ました。『経済』を使用した学習会は、今回で終了となります。5月から新しい学習会を始めます。

第23回『資本論』学習会 第7篇「資本の蓄積過程」第23章「資本主義的蓄積の一般法則」を学習する


静岡市社会科学学習会は、2月11日(木)第23回『資本論』学習会を開き第17章「資本主義的蓄積の一般法則」を学習しました。

 討論では「この章は、資本の増大が労働者階級の運命におよぼす影響について書かれ、この章で解明され、資本主義的蓄積の絶対的・一般的な法則がとして提起され、それが労働者階級へは『資本の蓄積に照応する貧困の蓄積を条件づける。したかって、い一方の極における富の蓄積は、同時に、その対局における、すなわち自分自身の生産物を資本として生産する階級の側における、貧困、労働苦、奴隷状態、無知、野蛮化、および道徳的堕落の蓄積である』と解明されている」「今日日本では、非正規労働者が4割を占めているが、この人たちは資本論の言う産業予備軍に入るのか」「第7章の第4節では、『相対的過剰人口の第三のカテゴリーである停滞的過剰人口は、現役労働者軍の一部をなすが、しかしまったく不規則な就業のもとにある。こうして、この人口は、資本に、自由に使用することできる労働力の尽きることのない貯水池を提供する』と言っている。日本の労働法では、失業者には入らないが、本来は産業予備軍に入る」「そもそも資本論で言う産業予備軍とは何を指しているのか」「産業予備軍と言うので、実際に労働をしていない労働者の事を指すのではないか」「1105ページに『近代的産業の全運動は、労働者人口の一部の、失業者または半失業者への不断の転化から生じる』と書いている。これは全く仕事をしていない人だけが失業者ではないと言っている。非正規労働者も産業予備軍に入る。」「第4節の『相対的過剰人口のさまざまな存在形態。……』の中で具体的に分析されている」などの意見が出ました。

◆次回は、2月25日(木曜)午後6時30分から8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第24章「いわゆる本源的蓄積」第25章「近代的植民理論」。持ち物は、新版または新書版『資本論』第四分冊。

会社の支払能力論とたたかう労働者は搾取論を学ぶことが必要だ‼


2月10日、静岡市内で「学習の友」学習会を開催しました。

2月の「友」学習会は、勤通大・基礎理論コース関連の「春闘のなかに、搾取論の学びを」(江口健志労教協常任理事・勤通大講師)を読合せました。討論では「労働組合運動は労働条件・生活改善が共通した意義だ。それだけでは制度は変わらない、そこで搾取の理論を学んで資本主義体制そのものの変革の主体になるための学習する意義があるという内容と思うが、何かスッキリしない。」「価値以下に下げられている賃金を上げる春闘要求は、正当な要求だと言えるのは、(支払能力論と理論的にたたかっていくには)また、会社の儲け・内部留保はそもそも労働者がつくっているのだと確信をもつためには、搾取論り学ぶのが大事だと言っていると思う。」「労働者の一般的意識は、会社と対立をしっかしている意識は自然発生的には生じない。会社があって自分が普通。搾取の理論は利害が対立していることを明らかにする。そこに大きな意味がある。それがないと会社の言っていることに負けちゃう。意識としては対立をしっかり持っていることが大切と筆者は言いたいのではないか。」との意見があり、疑問も解消しました。また、「グローバリズムは搾取強化の重大な契機でした。」という指摘に、各職場、労働側の変化の実態を知りたいとの質問がありました。1990年代から起こった職場・労働側の変化について出し合いました。

「日本近現代史を読む」第5回学習会 第4章「日清戦争-国際関係の変動」を学習する。


 静岡市社会科学学習会は、2月9日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第5回学習会を開き、第4章「日清戦争ー国際関係の変動」の読み合わせと意見交換を行いました。

 意見交換では「自由民権運動の中で、作られた憲法草案は、現在の憲法に引けを取らない民主的な内容だった。しかし大日本帝国憲法の内容はひどく、その原因は『憲法制定への道のりは、国民の憲法論議を保障するどころか、逆に抑えるものだった』という事だと思う」「伊藤博文は、憲法を議論する枢密院で『我が国に在に機軸とすべきは独り皇室あるのみ』と言っている。これは、国民を支配していくため皇室を利用し、天皇を神とし、国民に崇拝させる道を選んだことになる」「内村鑑三はキリスト教徒なのに日清戦争には賛成している」「日露戦争の時には反対をしたが、日清戦争には賛成をしている。それは朝鮮は日本の利益線、日本の防衛のためには朝鮮半島の軍事的確保が必要と、自由民権運動の参加者も多くの人が日清戦争に賛成している」「国学など朝鮮や中国をさげすむ思想があったが、日清戦争を通じて、この感情が広がり、社会に根をはっていくことになる。当時の知識人である福沢諭吉も『日清の戦いは文明と野蛮の戦い』と言っている」「三国干渉で日本は遼東半島を清国に返した。三国干渉は国民の中に屈辱感を植えつけ『がしんようたん』、復讐するために労苦にたえる、の合い言葉で次の戦争の準備へと駆り立てられたとあるが、これが日露戦争へとなつた。日清戦争が日本を戦争突き進むきっかけとなった」など意見が出されました。

◆次回は、3月9日(火)午後1時30分から3時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第5章「日露戦争」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」。