核兵器のない・戦争のない世界へ 無力な軍事同盟・核抑止力論―めざそう現実的平和の方向



7月14日、静岡市内において「学習の友」学習会が開催されました。

 今回の7月号の特集は、「核兵器のない世界へ、労働者の力発揮を」です。学習会では、まず「戦争も核兵器もない未来を求めて―きのこ雲の下の体験を次世代へつなぐ」(児玉三智子被団協事務局次長)を読み、次に「憲法・くらし・安保総学習第2回『平和の準備』を―ヨーロッパの現実とアジアの可能性」(森原公敏日本共産党国際委員会副責任者)を読合せしました。 最初の児玉氏の記事は、ご本人の壮絶な被爆体験と、核兵器禁止運動へ進む過程、今後の運動の発展をめざす決意が語られています。 総学習の記事は、岸田内閣の「国家国防戦略」のなかでの考えが「反撃能力」「敵基地攻撃能力」を保有し、攻撃を断念させる「懲罰的抑止」の考えであるとし、それでは止められないことをウクライナ侵略戦争の発生までの背景を通して、明らかにしています。ヨーロッパでは冷戦終結後、2つの軍事同盟の内NATOが存続をしたことにより、紛争の平和的解決が妨げられたと指摘します。そして、ASEAN諸国がすすめる「東南アジア友好協力条約」(TAC)の方向(「紛争の平和的解決」「武力による威嚇または行使の放棄」)でこそ、現実的な平和の準備となるとしています。 討論では次のような発言がありました。 「これまで『そうはいっても核兵器使用はいけない』といっていた日本政府が、ウクライナ問題をきっかけに核抑止力論に変わった。時代認識が大きく後退していると思う。」「クラスター爆弾がアメリカから送られるという。非人道的兵器使用の突破口にしようとしているのか。」「イギリスなんかは禁止条約批准で反対のようだが。」「日本は容認だ。平和憲法の日本がどうしょうもない。」「日本はNATOに入ろうとしている。NATOは大西洋で場所が違うぞ。」「ウクライナ戦争の背景がよくわからないが。」「東欧諸国がNATOに入り、ウクライナという隣の国が入ろうとしている。これはキューバ危機のアメリカの立場と似ているとの指摘がある。」「クリミア半島はもともとロシア人が多く、新ロシア派政権が倒れてロシア加盟を志向するに至ったようだ。」「アメリカの世論は戦争こりごりだが、一方軍需産業は『どこかで戦争してね』だ。そこで、ウクライナで後ろから武器を援助している。これは中国にも云えて、中国と日本が戦争をして、後ろでアメリカが武器を援助し、軍需産業は大儲けをする。こういう構図ができあがっている。日本のみなさんアメリカが一緒に戦ってくれると思わないように、もしそう思う政権が日本にできたらすぐ倒される。今読んでいる本にそんなことが書いてある。」「アメリカの軍事関係の報告書で恐ろしいと思ったのは、台湾を契機に戦争が起こる。そこでやるのは、日本と中国。その結果中国が強いので日本が壊滅される。日本が壊滅されれば新たなマーケットが生まれる。そこまで考えている。」「ロシアもうまく乗せられて最初の一撃を発したともとれる。」「アメリカの軍産複合体が今どういうことを考えているのか聴いてみたい。」など活発な討論となりました。