第12回『資本論』学習会 8章「労働日」第5節~第7節と第9章「剰余価値の率と総量」を学習する


静岡市社会科学学習会は、8月27日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き第8章「労働日」の第5節~第7節と第9章「剰余価値の率と総量」を学習しました。

 討論では「本文の中『資本は、剰余労働を求めるその無制限な盲動的衝動、その人狼的渇望の中で』と書かれているがこの『人狼的渇望』とは何か」「狼に化けることのできる人間または人間に化けた狼を意味する言葉。『資本家は本能として労働者の剰余労働を求める』と言う意味ではないか」「本文に『18世紀の大部分のあいだ、大工業の時代にいたるまでは、資本家はまた、イギリスで、労働力の週価値を支払うことにより労働者の1週間をまるまる自分のものにすることには成功していなかった』とはどの様な事か」「機械が使われる前までは、資本家は労働者を完全に支配しておらず、商品を生産する主役は技術を持った職人が行っていた。しかし機械が導入され技術を持った職人は必要なくなり女性、児童が工場で働きだし賃銀が下がり、資本家は何時でも労働者をクビにする事が出来、完全に労働者を支配するようになった」「本文に『1860年以来の比較的速い進歩は』と書かれているが1833年から工場法を巡る闘いの成果が出てきたのではないか」など話合いました。

◆次回は、9月10日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第10章「相対的剰余価値の概念」。持ち物は、新版・新新書版『資本論』の第3分冊

現代経済学習会 『経済』8月号、「空洞化・属国化の克服と新たな資本主義の模索を(下)」読み合わせ、意見交換する


静岡市社会科学学習会は、8月18日(火)「現代経済学習会」を「アイセル21」で開き「空洞化・属国化の克服と新たな資本主義の模索を(下)」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 討論では「空洞化・属国化を克服するために『新たな資本主義』を提起しているが、本当に実現出来るのか疑問がある。資本の本性からまた新自由主義に戻ってしまうのではないか」「新自由主義からの転換の意味もあると思うが、以前のケインズ主義に戻るのではなく、ヨーロッパで実現している企業に対する一定の規制を含む社会ではないか」「空洞化・属国化の克服のために、①空洞化をこれ以上深化させない②空洞化と属国化を推し進める危険な投資・貿易の自由化協定からの離脱と新たな協定の非拒否を③米国が押しつけてきたすべての属国化策の転換、廃棄を提起しているが、これを実現するためには自民党政治の転換が必要ではないか」「現在の野党が政治的な力量を拡大すると共に沖縄のように保守層を含む共闘を実現する必要がある。経済界の属国化に反対する人々との協力が必要」「空洞化への認識が希薄化した時期の事を言っているが、これは意図的に宣伝されたのではないか」「価値は製造業で創造される事を理論的に掴み、国内の製造業の再建を意識的に進める必要がある」など意見が出ました。

◆次回は、9月15日(火)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「大企業の金融重視経営への転換とアベノミクス」の学習。持ち物は、『経済』9月号

「日本と世界の近現代史」第17回学習会・昼の部開く第3章「20世紀末~21世紀初頭の資本主義」の世界5節、6節「小括」と「日本」の章を学ぶ


静岡市社会科学学習会は、8月14日午後、第17回学習会「アイセル21」で開き、「第3章20世紀末~21世紀初頭の資本主義」世界の5節と6節、日本の章を学習しました。

 討論では「101ページに『21世紀の日本を長期的に展望するならば、いまから危惧されるのは、先に述べたように、東京五輪後の2020年代の日本資本主義の危機です』と述べているが、今さらに新型コロナ対応を巡って矛盾がさらに大きくなっている」「静岡新聞の投書欄に、コロナ対応で、検査の徹底、一時的な経済活動の規制などを本格的に行えば、今深刻になっている地球温暖化対策、CO2排出抑制にも繋がるのではないかという意見があった」「今『Go To キャンペーン』で大手の旅行会社は利益を上げているが中・小の旅行会社では逆に減っている」「レーニンは『帝国主義論』の中で『その除去を人為的に引きのばされても、不可避的に腐敗せざるをえないこと、(最悪の場合に日和見主義の腫れ物の治癒が長びくと)その外皮も比較的長いあいだ腐敗したままの状態にとどまりかねないが、しかしそれでもやはり不可避的に除去される』と書いている。今の安倍内閣の事を言っている。すでに現実への対応能力が無いが、人的に存続が伸ばされている。これは国民にとって大きな悲劇だと思う」「新型コロナへの対応にしても、今の安倍内閣は無力で厚労省も動こうとしていない」「今こそ政治の転換が必要の時ではないか、多くの国民が安倍内閣の対応に批判的な意見を持っている」「経済の面からも安倍内閣のアメリカへの属国ぶりは際立っている。オール沖縄のような保守層も含めた共同が求められている」などの意見が出ました。

◆9月から「日本近現代史を読む」の学習会が始まります。
 詳しくは⇒こちらを見て下さい。

第11回『資本論』学習会 第3篇「絶対的剰余価値の生産」第8章「労働日」の第1節~第4節を学習する


静岡市社会科学学習会は、8月13日(木)第11回『資本論』学習会を開き第第8章の労働日、第1節から第4節を学習しました。

 討論では「P406『生産物の交換価値ではなくそれの使用価値が優位を占めていた場合には、剰余労働は、諸欲求の範囲によって制限されている』とあるが、具体的にはどの様な事か」「江戸時代では農民は米を領主に納めていたが農民に死をもたらすような労働ではなかったが、金鉱山などでは金が掘り出され金、貨幣が搾取の対象になると金鉱山での労働は死をもたらすほど過酷なものになった。米は使用価値であり、金は交換価値なのでそのようになった」「P404で労働者が資本家に『これは、われわれの契約および商品交換の法則に反する』と言っているが何故商品交換の法則に反するのか」「平均的働き方では、労働者は30年間働く事ができるが、資本家が労働時間を延長し10年で労働者の労働力を消費尽くしてしまうならば『君は3日分の労働力を消費しながら、僕には1日分の労働力を支払うのである』と。これは等価交換の商品交換の法則に反しているということではないか」「第3節『搾取の法的制限のないイギリス産業諸部門』では当時のイギリスで驚くほどの労働実態が、例えば3歳の子供が長時間働かされているなどが書かれている。第4節『昼間労働と夜間労働。交替制』では職場に機械が導入され、労働が改善されるのかと思ったが、逆に機械によってさらに長時間労働が行われた事が書かれていて驚いている」「製パン業での不純物混入が書かかれており、当時のイギリスで社会問題になった」などの意見が出ました。

◆次回は、8月27日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第8章「労働日」第5節~第7節、第9章「剰余価値の率と総量」。持ち物は、新版、又は新書版『資本論』第2分冊。