第19回『資本論』第二部学習会 第3篇・20章「単純再生産」の第1節から第3節を学習する


静岡市社会科学学習会は、4月28日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第20章「単純再生産」の第1節から第3節を学習しました。

 討論では「単純再生産の表式で、生産手段生産部門と消費手段生産部門とに大きく二つに分けたのがマルクスが発見した事と言う事か」「資本主義社会の様々な生産部門をこの二つに分けないと再生産を考えて行く上で非常に複雑になると言う事ではないか」「再生産を考えて行く上で、まず考えるのは年間生産物がどの様に流通すると次年度に同じ規模での生産を準備する事が出来るのかと言う事で、この年間生産物を生産手段との生産部門と消費手段の生産部門に分けたのではないか。つまり生産を開始する事が出来る生産手段の準備、労働者が再び市場に登場する、そして資本家の生活も維持できる事」「以前学んだケネーの経済表も部門を二つに分けていた。食料を生産する部門と道具や馬車などを生産する部門に、これも参考にしたのではないか」「単純再生産の変換表で第一部門の4000Cと第Ⅱ部門の500v+500mの変換は何を示しているのか」「第一部門4000cは、同じ部門の中で生産物が交換される事、第一部門の資本家が自分の部門で生産した生産手段を4000cで買い取る事を示している。同じ事が第Ⅱ部門の500v+500mでも言えると思う」など話合いました。

◆次回は、5月12日(木)午後6時から8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第20章「単純再生産」第4節から第8節。持ち物は、『資本論』第2部(新版・新日本新書版の第7分冊)。

第10回「多国籍企業と日本経済」学習会 「アマゾンにみる流通分野の新展開と『反アマゾン法』」を読み合わせ、意見交換をする


静岡市社会科学学習会は、4月19日(火)「多国籍企業と日本経済」学習会を「アイセル21」で開きました。読み合わせの後、意見交換を行いました。

4月19日「多国籍企業と日本経済」学習会の様子

 意見交換では「アマゾンの無料配送サービスはどの様にして実現しているのか。消費者は無料だけれどもその負担は何処が持っているのか」「テキストでは、アマゾンは営業経費が多い事が指摘され、また取引業者に対して不当な取引を強いる問題が指摘されていると、さまざまな名目で手数料を半強制的に徴収されているとある。このような中から配送料を工面しているのではないか。また配送業者へ安い価格での配送料を求めると言う事も以前指摘された事がある」「テキストでは『プラットホーマー規制に向けて基本原則を作成し、2019年から独占禁止法や個人情報保護法の改正議論が進められる予定』とあるがこの規制がどの様な内容なのか」「デジタルプラットフォーマー規制法の特徴は3つあり、第1は、本法はあくまでデジタルプラットフォーマーが透明かつ公正な取引に“自主的に”取り組むことを期待するものであって、国の関与や規制は必要最小限にとどめている。そして特定デジタルプラットフォーマーには、①取引条件等の情報の開示②自主的な手続き・体制の整備とある。これは規制の前提が企業まかせという面があり、規制とは名ばかりのものではないか」「出されている資料の中に、日本はアマゾンにとつては『美味しい市場という』指摘がある。以前安倍元首相は日本を世界一企業が活躍する事ができる国にするという事を言っていたこの言葉はそれが実現している事を示しているのではないか」などの意見が出ました。

◆次回は、日時は、5月17日(火) 午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「多国籍企業を規制する新しい展開」。持ち物は、「多国籍企業・グローバル企業と日本経済」です。

未組織労働者とユニオンをつなげ-成長できる地域の居場所をつくろう‼


4月13日、静岡市内において「学習の友」学習会を開催しました。

 今回は、特集記事の「地域の労働者とともに手をとり要求前進を! ローカルユニオン 個人加盟ユニオンの発展を!」(原英彦全労連常任幹事)を読み合わせしました。コロナ禍が長期化するなか、雇用悪化、生活に困窮する未組織労働者と、ローカルユニオンや各産別組織の個人加盟ユニオンを結ぶ取組みを全労連はいま展開しています。前進をしている組織に共通しているのは、「組織がしっかりと地域に根をはって労働組合として要求運動を実践できているかかどうか」だと指摘します。また、最近、最も多い労働相談内容が「ハラスメント」と個人的問題となり、職場の仲間を誘い相談内容の解決と労組づくりを一体とした従来の取組みとはならなくなっています。「こうしたなかで、労働者として集まり、学び、成長する地域組織の居場所づくりと学習サポート体制の確立がもとめられ」ることとなります。地域の仲間とともに学ぶ、要求し、レクリエーションも楽しみながら労組の役割学習や魅力の共有をする取り組みを大切になると云います。討論では、次のような意見がありました。〇産業別個人加盟ユニオンというのは静岡では何があるのかな。〇JMITUの地域支部というのが西部の労働相談・個人加盟ユニオンの受け皿になっている。ローカルユニオン静岡が静岡県評傘下で静岡市にある。建交労も産別個人加盟ユニオンとしてある。〇連合の地域ユニオンが結構やっている。もともと総評のときコミュニティユニオンというのをつくっていて、それが継続している。自治労なのでそこそこキチンとした活動をしているようだ。〇やはり一定お金がないとできない。〇連合はもともは重視していなかったが、2000年代頃から重視し金も出しているようだ。〇そういうところとの交流はないの?〇全労連はわからないが、連合傘下と全労協関係で交流はあるようだ。県共闘のふれあいユニオンなんかもあるようだ。〇そういうところは、人間関係重視でやっている。〇年金者組合みたいに遊びが中心なのか。〇遊びは大事なのだ。〇連合は「連合メイト」という組織がある。すぐに労組に入れない人でも繋がりをもてる組織だ。お金がいらなくて、登録だけして、相談できたりする。〇やはり金があるからできるんだ。〇ローカルユニオン静岡の労働相談もハラスメントが多いのか。〇ほとんどハラスメントだ。で未組織が圧倒的だ。〇そういう点では人間関係に悩んでいる人が多いということだ。

第18回『資本論』第2巻学習会 第19章「対象についての従来の諸叙述」第2節の3、4、5と第3節を学習する


静岡市社会科学学習会は、4月14日(木)『資本論』2巻学習会を開き、第19章「対象についての従来の諸叙述」第2節の3、4、5と第3節を学習しました。報告の後意見交換をしました。

意見交換では「アダムスミスは、労働の二重性が分からなかったので、cをv+mに分解していくドグマに陥ったと思うが、抽象的人間労働で新たな価値を創造し、具体的有用労働で生産手段の価値を移転すると言う理解で良いのか」「具体的有用労働で例えば消耗した材料の価値を新しい商品に移している」「『資本論』の618ページで『この価値の一部分は、商品の生産において支出された生産手段の価値が新たな形態で再現したものにすぎない。この価値は、この商品の生産過程中で生産されたものではない。というのは、生産手段は、〔この商品〕生産過程よりまえに、その過程とはかかわりなく、この価値をもっていたからである』とあるがどの様な事か」「商品の価値はc+v+mだがv+mは生産過程で労働により価値が創造されcは生産手段が持っていた価値である事を言っている」「テキストには、マルクスの古い認識と新しい認識が混在していると言うが、『労働者がそれによって生活しなければならない収入となる』と言う事は、間違っているのか」「ここで言いたいのは、資本家が持っている資本が労働者の収入となる事は間違いだと、肝心なのは可変資本は貨幣の姿から労働力という商品資本の姿に変態したのだと言う事、この事を見ないで貨幣の動きだけに目を取られてしまう。資本家が持っていた貨幣が労働者の賃金となる事は事実だが、スミスはそこしか見えない。肝心な事は資本価値が貨幣の姿から労働力という商品資本の姿に変態した事、この資本の循環を見る事が大切だと行っているのではないか」など意見が出されました。

◆次回は、4月28日(木)午後6時~8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第20章「単純再生産」第1節から第3節。持ち物は、『資本論』第2部(新版・新日本新書版の第7分冊)です。

「日本近現代史を読む」第19回学習会 第17章「大東亜共栄圏というスローガンの下で」を学習する。


静岡市社会科学学習会は、4月12日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第19回学習会を開き、第17章「大東亜共栄圏というスローガンの下で」の読み合わせ、意見交換を行いました。

4月12日「日本近現代史を読む」学習会の様子

 意見交換では「テキストの151ページに『この目的を達成するため、『民生に及ぼさざるを得ざる重圧は之れを忍ばしめ』』とあるがどの様な意味か」「大本営政府連絡会議で決定された占領地での行政方針では、日本の国防に必要な資源を占領地から急いで確保しろと言い、そのために現地の人の生活に悪影響があっても我慢させろと言う内容と言っている。これは大東亜共栄圏の現実は共栄ではなく、収奪に他ならない事だと思う」「同じ151ページに『重要なことは、このような方針にもとづき日本がおこなってきた重要資源の一方的収奪が、それまで欧米列強が東南アジア地域につくり上げてきた交易・流通システムを崩壊させたことです』とあるが、どの様な事か」「このシステムとは、植民地の宗主国が、資源や産品を収奪するかわりに、軽工業製品などの生活必需品を現地に供給し住民の生活は何とか成り立っていたが、日本は収奪するだけで現地住民の生活には無関心だったと言う事ではないか」「欧米も植民地支配である事には変わりはないが、住民の生活に一定の配慮をしていた。その意味では支配の仕方が上手かった。日本はただ収奪するだけで、農民を苦しめた」「テストにもあるが、日本の支配は現地の人たちの生活を苦しめ、そのなかで反日感情が高まり、日本の軍政に対して反対する運動・ゲリラ活動を大きくさせた。その中から戦後の民族独立運動を担う人たちが生まれて行った」など意見が出されました。

◆次回は、日時は、5月10日(火)午後1時30分~3時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第18章「戦局の転換」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」です。