第52回『資本論』学習会 第7篇「資本の蓄積過程」、第21章「単純再生産」を学習する


2月28日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開きました。今回から第7編の「資本の蓄積過程」に入り、そして第21章を読み合わせしポイント説明を行い討論に入りました。

 討論では、「第21章は単純再生産を取り上げているが、何故マルクスは単純再生産を問題にしているのか」「資本は生産を繰り返すが、それは拡大再生産が基本だと思うが、この単純再生産が生産の単なる繰り返しであても、この過程に新しい性格を不変資本と可変資本に刻印する。付与すると言っている」「本文で『およそ蓄積というものを全く無視しても、生産過程の単なる継続、あるいは単純再生産は、長かろうと短かろうと、ある期間ののちには、どの資本をも蓄積された資本または資本化された剰余価値に必然的に転化させる』と言っているが、これはどの様な事か」「例えば、百万円の前貸し資本で生産を開始し、百十万円の商品が生産され、その内10万円は資本家が個人的に消費して、再び百万円を投下して単純な規模での生産を開始しても、この過程が10年間繰り返されると、前貸しされた百万円の資本は、全額剰余価値に、すなわち等価なしに取得された価値である剰余価値に置き換わってしまう事を言っているのでは」など話合いました。

◇次回は、3月14日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第12集会室。内容は、第22章「剰余価値の資本への転化」第1節、第2節。持ち物は、『資本論』(新日本新書版・第4分冊)です。

『経済』2月号の「官製バブルが拡大する格差とリスク」を読み合わせ、意見交換をする


2月19日(火)「現代経済学習会」を「アイセル21」で開き「官製バブルが拡大する格差とリスク」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 討論では、「本文で『国民負担率は戦後最高水準になり』と言っているが具体的には」「国民負担率とは、租税負担及び社会保障負担を合わせた義務的な公的負担の国民所得に対する比率の事で、平成30年度は42・5%で、その内訳は、社会保障負担17・6%、税負担24・9%で、まさに高い水準となっている」「日銀が国債を購入し財政法が禁止している財政政策を行い、株高を演出し国民の年金をリスクの高い株市場に投入するなど、安倍内閣の無責任さは極みに達している。まさに『後は野となれ山となれ』という事だ」「本文で『株高の恩恵は海外投資家・大企業・富裕層』と言っているが、多国籍企業化した大企業が海外で投資活動、企業活動を行う事で、その国の貧困層を減少させるなどの役割をする積極面も有るのではないかと思う」「資本主義の発展は、国の生産力を高める、人々の生活水準を高めるなどの『文明化作用』と言われる面があることは確かだ。同時に資本の目的は利潤の追求であり、高められた生産力の目的を直接国民生活の向上に振り向けるためには、資本主義の変革が必要ではないか」など意見が出ました。

◇次回は、3月19日(火)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第12集会室。内容は、「2008-9年不況後の日本産業と国際貿易」読み合わせと討論。持ち物は、『経済』誌 2019年3月号。

憲法学習会「北東アジアの歴史と平和」


2月16日「北東アジアの歴史と平和」と題して南雲初義氏の講演会を、静岡県学習協と西部地区労連の共催で行いました。韓国と北朝鮮の経済比較から始まり、北朝鮮の現代史を詳細な資料を元に報告して頂きました。北東アジアの新しい未来は「対話による平和的解決以外ない」という立場の重要性が強調されました。


『資本論』学習会 第20章「労賃の国民的相違」を読み合わせ、討論する


2月14日(木)第51回『資本論』学習会を開き、第20章を読み合わせしポイント説明の後、討論に入りました。

 討論では「賃金を国際的に比較する場合、現代では『購買力』で比較するがマルクスはどの様に言っているのか」「マルクスは、異なった国の賃金を比較すると言う事は、労働力の価値の大きさとか、労働力の価値と剰余価値の相対的大きさ、影響する全ての要因を考えなければならないと言っている。具体的には、出来高賃金だけが労働の強度や生産力の違いを示す事が出来るので、時間賃金を出来高賃金に換算して比較すべきだと言っている」「本文で『しかし、価値法則は、国際的に適用される場合には、次の事によってさらに修正される』と言っているが、具体的にはどの様な事か」「一国では生産性の高さ低さというのは、競争によって平均化されるが、世界市場では、そうならないで生産性の進んだ国では、労働強度の大きい労働ということで世界市場では評価されてしまうと言う事ではないか」「本文で『世界市場ではより生産的な国民的労働は、このより生産的な国民が競争によってその商品の販売価格をその価値にまで引き下げることを余儀なくされない限り』と言っている『生産的な国民が競争によってその商品の販売価格をその価値にまで引き下げられる』事を修正と言っているのではないか」など意見が出ました。

◇次回は、日時は、2月28日(木)午後6時30分より。会場は、「アイセル21」第12集会室。内容は、第7篇「資本の蓄積過程」第21章「単純再生産」。持ち物は、新日本新書版『資本論』第四分冊。

19春闘消費税引き上げノー・大幅賃上げで暮らしを守り日本経済活性化を‼


静岡支部『学習の友』学習会

 今回は「19春闘データ学習」(藤田宏労働総研常任理事)を最初に読合せし  ました。2002年~17年の15年間で、大企業(資本金10億円以上)の経常利益は2.52倍に、株主への配当金は4.22倍に増え、大企業の内部留保も347兆円(02年167兆円)に増加した一方、中小企業を含む労働者の賃金は02年の0.98倍と減少しています。金融資産1億円以上の富裕層は、03年の168万世帯から17年の299万世帯へと1.8倍近く増え、一方年収200万円以下のワーキングプアが06年に1千万人を超えそれ以降超え続けています。19年春闘は、「貧困と格差」を打開するため、賃金の底上げと大幅賃上げをかちとることがとが重要と指摘します。先進資本主義国のなかで賃金が減少しているのは日本だけ。賃上げは、日本経済の活性化のためにも重要と指摘する。全労連・国民春闘が今春闘で2.5万円賃上げ要求を掲げています。消費税8%へ増税、物価上昇を考慮すると2.3万円で生活改善分2千円を見込むと、2.5万円です。この要求は控えめです。この10年間で名目賃金は16万円、実質賃金は45.9万円も減少しているからです。10月から引上げ予定の消費税10%ノーの声を広げることも重要です。賃上げの必要額は59.9兆円。内部留保は667.3兆円。8.9%取り崩せば実現可能です。

第1回「日本と世界の近現代史」学習会 夜の部を開く


第1回学習会・夜の部を8日に開き「改憲と『明治150』史観」と「明治維新の変革と資本主義の形成」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 意見交換では、「歴史の学習の時に『何故日本は植民地にならなかったのか』という疑問が出るが、今回の学習の中で当時の日本人が武力では圧倒的な力を持っていた外国を相手、近代化の資金を外資に頼らない、商業活動も日本内地での活動を禁止し、そのために経済的な利益が外国に持ち出されなかった。また、江戸幕府が外国と結んだ不平等条約の解消に努力をしていた。等々を知ると、『明治に学べ』などと言っている安倍政権こそ、このような明治期の政治家の姿勢に学び、アメリカへの政治と経済への従属、不平等関係の解消へ行動をおこすべきと思う。この面で明治の精神を受け継いでいるのは、革新陣営ではないかと思う」「大日本帝国憲法は、天賦人権、国民主権の制限など否定面があるが、憲法制定、国会開設を求めた自由民権運動の圧力の結果として作り上げた『立憲政治体制』であり、国際的に見てもこの時期に憲法を制定し議会を持っていた国は少数であった。アジアでは日本が唯一であり、明治維新変革期がこの時期で終わった。とするテキストの見地は重要だと思う」「テキストでは『奥羽北越同盟』と表記されているが、自分が歴史を勉強した時には、『奥羽北同盟』と言っていたが、日本歴史の研究が進んでいる事を感じた」など意見が出ました。

◇日時は、3月8日(金)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第11集会室。内容は、「『明治』期の3つの戦争は何をもたらしたか」の読み合わせと意見交換 。持ち物は、2018年『経済』11月号。

第1回「日本と世界の近現代史」学習会 昼の部を開く


第1学習会を2月8日に開き「明治維新の変革と資本主義の形成」を読み合わせと討論を行いました。

 最初に学習会の進め方などを提案し、自己紹介をおこない、また今回から参加する人もいました。討論では「山田さんの随想で『日露戦争の礼賛、日中戦争や日独伊三国同盟の無視など』と言っているが、どの様な事か」「今日でも日露戦争は、日本が大国ロシアを相手に奮闘で勝利した。との見方が支配的ではないか。しかし実体は、当時の国際情勢を反映したイギリスの情報提供、アメリカの戦費への資金提供などがなければ戦争に勝利する事は出来なかった。などの事は知られていない」「江戸時代から明治期へかけての土地の所有はどの様に変化したのか」「戦前農民の約4割が『小作人』であったが、地租改正により貨幣で税金を納めるようになり、様々な事情で税金を納められなくなった自作農が、土地を手放し小作農民に転落して行ったのではないか」「明治維新は「西郷隆盛、大久保利通などの死により維新変革の主体が消滅し明治維新が終了した。との見方であったがテキストでは、『自由民権運動期の激動を経ることによって、初めて、日本人は近代世界に伍して行ける権力と経済力の構築という維新変革の課題を基本的に達成した』とあるが、この見方も通説とは違い、研究の深化を感じる」「テキストで『大日本帝国憲法によって制度化された近代天皇制国家は、改憲されることがないまま、その枠内で大正デモクラシー国家を生み出したかと思うと、昭和の軍部独裁的ファシズム国家にもなりえたという柔軟な複合的構造をもっていました』との指摘があるが、構造と同時に国民の運動がそのような変化を作り出したという面もあるのではないか。この事は、現在でも日本国憲法という憲法は変わっていないが、この憲法の中で60年代~70年代の革新高揚期が国民の運動で実現し、今日のような安倍独裁と言われるような状況も作り出されているのではないか」など意見が出ました。

◇日時は、3月8日(金)午後1時30分~4時。会場は、「アイセル21」第11集会室。内容は、「『明治』期の3つの戦争は何をもたらしたか」の読み合わせと意見交換 。持ち物は、2018年『経済』11月号。