第20回『資本論』学習会 第19章「出来賃金」第20章「労賃の国民的相違」を学習する


静岡市社会科学学習会は、12月24日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開き、第6篇の第19章と第20章を学習しました。

 討論では「資料の中の『賃労働と資本』では。労働者が資本家に売るのは労働であると書かれている。それではこの段階でマルクスは、労働者が搾取されているという認識はなかったのか」「この段階では、労賃は労働の価格であると言っているが、労賃が生産物に対する労働者の分け前ではないという事を強調する。しかし賃金が労働力を生産するために必要な労働時間という認識には到達していなかったのではないか」「出来高賃金が時間賃金の転化した形態であるが、それでは時間賃金と出来高賃金のどちらが先にあったのか」「マルクスは資本論の中で、出来高賃金は、資本主義的生産様式に最もふさわしい賃金形態と言っているので、時間賃金の変形として出来高賃金が生まれたのではないか」「賃金の国民的相違の所で、進んだ国では、労働の強度・生産性が高く、名目賃金は、遅れた国よりも高くなる。とあるが、現代では進んだ国が遅れた国に最新の工場を建設し現地の労働者を搾取している。生産性は進んだ国と同じ程度ではないか」「今日ではこの国民的相違を利用し、多国籍企業は、名目賃金が低い国への工場を移転し、現地の労働者を激しく搾取している。生産性も進んでいる。そして進んだ国の労働者の賃金を引き下げ搾取を強めるために、名目賃金の高さを強調している」などを話合いました。

◆次回は、2021年1月14日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第21章「単純再生産」。持ち物は、新版または新書版『資本論』第4分冊。

『学習の友』お試し購読の申込みについてのお願い


静岡県学習協は今、労働者教育協会が推進する「学習の友」お試しキャンペーンの取組を共にすすめています。以下がそのお願い文です。よろしければ一度お試しください。

ウソと隠ぺいの安倍政権のあとを継いだ菅首相は、日本学術会議への人事介入を行い、強権的な政治手法をむきだしにしています。コロナウイルス感染が拡がり、国民生活の危機が続く中で、「自助、共助、公助」を公言し、新自由主義的政策を展開する菅政権です。この政権を退陣させ、市民と野党の共闘強化と民主的な連合政権の樹立、その実現のためにも衆議院選挙のある2021年は特別な年になります。今それを支える労働組合・民主団体等の役割は一段と重要となっています。この情勢に相応しく、組織の一層の強化発展をめざすことが求められていると思います。組織の強化発展を支えるのは組合員です。その一人ひとりが今の情勢をしっかり受け止め、組織に団結することがなにより大切です。そのためには、労働者の学習教育活動がどうしても必要になります。

月刊誌「学習の友」は、労働者の学習教育活動をお手伝いする雑誌として、長年全国の労働者・労働組合により活用をいただいております。今学習の友社では、一層活用を拡げていただくために、「お試しキャンペーン」期間を設け、3か月無料(送料も)で購読いただくように取組みをしています。例えば「学習の友」を使った月一学習会を開催している労組も多数あります。こうした簡易な方法での学習も、月を重ねれば組合員の成長を促します。労組にとって大変大きな力になることでしょう。

この機会に、是非お申込みの検討をいただきますようお願いいたします。申込みは直接学習の友社、または静岡県学習協へお願いいたします。

現代経済学習会 『経済』11月号掲載論文「〈座談会〉日米経済関係の構造と特徴」を読み合わせ、意見交換する


静岡市社会科学学習会は、12月15日(火)「現代経済学習会」を「アイセル21」で開き「座談会・日米経済関係の構造と特徴」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 討論では「座談会の中で『巨大資本の関係では相互依存、相互浸透が進んでいるのに、それを国家間の対立にしなければならない理由はなんでしょうか』と問いかけられ『金融界は米中分離に反対しているし、グローバル資本も反対している』『軍事的優位を保つことがトランプのねらい…アメリカの軍事産業は規模も大きい』と言っているが」「米中対立は、アメリカが中国の経済的軍事的に力を付けている事に危機感を持ち対立をあおり経済的な対抗措置を取り、中国も覇権主義の動きを加速させ国際法を無視する行動をしている。」「第一次世界大戦、第二次世界大戦は、植民地の獲得や再編をめぐる大国間の対立が戦争へと進んでいったが、今も米国が築いた世界秩序に中国が軍事経済敵に挑戦する構図があり、戦争へと発展する危険がある」「米国は本当に中国との戦争を望んでいるのか、中国の覇権主義的動きには対抗するが、あくまでも米中の経済覇権の争いではないか」「米中対立の中で米国追随で良いか問われる。自民党政権では属国化の道しかない。野党連合政権を作り、従属外交から自主外交に転換する必要がある」など意見が出ました。

◆次回は、2021年1月19日(火)午後6時30分から8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「AI革命の歴史的意義と資本主義的充用」の読み合わせと討論。持ち物は、『経済』1月号。

コロナ禍の中労組加入で職場改善―大きな高揚をむかえた米国労組の運動


今回は12月号の特集から「米国の労働運動の現状と課題―大統領選を経て」(布施恵補全労連国際局長)を読合せしました。米国はコロナ感染者数ワースト1位でコントロール不能な状況です。こうした中、労組があれば職場の安全性や感染防護の声をあげ、改善を要求することができます。また、労組加入者は、より良い医療保険に加入しており、医療へのアクセスが確保されています。休暇も労組の結んだ協約により取りやすくなっています。コロナ・パンデミックで、米国の労組も従来の運動が出来ていませんが、教職員の運動が一番顕著に前進しています。2018年にはじまった教員のストライキは、オクラホマ、アリゾナなど共和党が強く保守的な南部を中心にひろがり、労働条件の向上を勝ち取っています。2018年は48万5千人、2019年は42万5千人がストに参加し、その過半が教員でした。レーガン政権時に航空管制官ストの大弾圧で、後退していましたが、再び高揚しています。米国のナショナルセンターAFL-CIOは、未組織の組織化が第一義的課題として推進され、組織化センターで定式化された組織化メゾット(方式)が強力に推進されています。学生をオルガナイザーとして大量に採用し、組織化に投入していました。「運動の前進と一体で組織拡大を」の議論が今されているということです。

『資本論』第19回学習会 第17章「労働力の価値または価格の労賃への転化」第18章「時間賃金」の報告を受け討議する


静岡市社会科学学習会は、12月10日(木)第19回『資本論』学習会を開き17章と18章を学習しました。

 討論では「テキストで『われわれは、さきに、過度労働の破滅的諸結果を見たが、ここでは、過少労働から労働者に生じる苦しみの源泉を発見する』とあるが、この『さきの』とは、何処を指しているのか」「第8章『労働日』の記述を指しているのではないか。この章は、絶対的剰余価値として労働時間が延長され、過労死や早死にを生むようなイギリス社会の中で、労働者時間短縮を求め『工場法』を獲得していく過程を見てきた」「テキストでも説明の中でも『労働力の価値』『労働力の価格』『労働の価値』『労働の価格』という言葉が出てくるが、何を指しているのか」「『労働力の価値』と『労働力の価格』は、内容は同じですが、『労働力の価格』とは『労働力の価値』を貨幣で表したものではないか。同じ事が『労働の価値』と『労働の価格』でも言える」「大きく違うのは、『労働力の価値』と『労働の価格』で、『労働力の価値』とは、労働者と家族の生活費を指し、労働者は資本家の下で労働し、『労働力の価値』に相当する新たな価値を生産し、この部分を『必要労働時間』と言います。労働はそこで終わらずに資本家の儲けとなる価値、剰余価値を生産し、この労働の部分を『剰余労働時間』と言います。しかし、賃金が『労働の価格』と現象することで、労働者は『剰余労働時間』を含め、全労働時間に生産した価値の対価として賃金として受け取っていると現象し搾取を隠ぺいする事になる」などの意見が出ました。

◆次回は、12月24日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第19章「出来高賃金」第20章「労賃の国民的相違」。持ち物は、資本論第1巻(新書版は第4分冊、新版は第3分冊)です。

「日本近現代史を読む」第4回学習会 第2章「明治維新-改革と近代化」改革政策と社会状況、外交路線と国際関係、開化政策と民衆生活を読み合わせ、意見交換をする。


静岡市社会科学学習会は、12月8日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第4回学習会を開き、第2章「明治維新―改革と近代化」の読み合わせと意見交換を行いました。

 意見交換では「テキストに戊辰戦争について『幕府側は抵抗しましたが、新政府軍はこれをやぶり、戦争は約1年5か月で終わりました』とあるが、戦争の時期が長いなと感じた」「江戸城の開城の後、上野、会津、函館などで戦争が続いた。東北の諸藩は、奥羽越列藩同盟を結んで新政府に敵対した。会津城の戦いはテレビドラマにもなった」「テキストに『1875年にはロシアと樺太・千島交換条約をむすんで、全千島列島を日本領、樺太をロシア領としました』とあるが、今でも未解決となっているロシアとの領土問題を解決する出発点として、この時に平和的に領土を確定した事を基礎にすえるべきと思う」「テキストに『地価を算定して土地所有者に豊凶にかかわりなく地価の100分の3の地租の納入を命じること、納入は金納とすることを決定しました』とあるが、以後どの様な影響が出たのか」「学習資料にも地租の改正を求めて農民一揆が各地で起こった事が紹介されているがね有名な秩父事件の原因にも不況で綿花が売れなくなり借金をして地租を納入した事があった」「『近世の幕藩体制を解体し、近代の天皇制国家を成立させていった政治変革・社会変革の過程を明治維新と呼んでいます』とあるが何故天皇制国家を作ったのか」「明治維新を推進した諸藩や武士たちが、幕府に変わる新しい権力の正当性を天皇制に求めたのではないか」など意見が出されました。

◆次回は、2021年1月12日(火)午後1時30分より3時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第3章 自由民権運動-国家路線の選択」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」です。