第57回『資本論』学習会 第23章、第2節「蓄積とそれにともなう集積と進行中における可変資本部分の相対的減少」を学習する


5月23日(木)「アイセル21」にて『資本論』学習会を開きました。第23章の第2節を読み合わせしポイント説明を行い討論に入りました。

 討論では、「本文に『資本主義生産とともに一つまったく新たな力る信用制度が形成され』と書かれているが、この信用制度とは何か」「ここでの信用制度とは、その後に書かれている『社会の表面に大小の量で散財している貨幣資力を、目に見えない糸で個々の資本家または結合資本家の手にかき集め』と書かれているように、銀行制度の事を言っているのでは」「本文で『資本の蓄積』、『資本の集積』、『資本の集中』という用語が使われているが、この違いは」「資本の集積とは、個別資本のもとで獲得された剰余価値を追加資本とする事による生産手段と労働力の集積の事であり、資本蓄積の別の表現です。資本の集中とは、二つ以上の資本が合併・吸収する事で資本価値を増大させる事で、資本家による資本家の収奪とは言える。集積と集中は違うが、資本の蓄積過程においては、資本の蓄積を基礎として資本の集中が行われ、集中によって集積が促進される面もあり、集積と集中は互いに作用しあう」「本文で『独自的資本主義的生産様式』と言う用語が使われているどの様な事か」「機械制大工業制の元での資本主義の事ではないか」など話合いました。

◇次回は、6月13日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第12集会室。内容は、第3節「相対的過剰人口または産業予備軍の累進的生産」。持ち物は、新日本新書版『資本論』第4分冊。

現代経済学習会 『経済』5月号の「現代に生きるマルクス経済学の魅力」を読み合わせ、意見交換をする


5月21日(火)「現代経済学習会」を「アイセル21」で開き「現代に生きるマルクス経済学の魅力」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 討論では、「『戦後マルクス経済学による世界経済分析が欠如していたのは、戦後アメリカにおけるニューディール体制がいかに形成され、それがどうして崩壊したのかについての内在的分析でした』とは」「『1971年の金とドルとの交換停止から1973年変動相場制に至る経過は、金に裏付けられた国際通貨ドル危機、ドル信認の危機ではなく、戦後形成されたケインズ的国際金融システムの危機・崩壊であり、それに代わって新自由主義的国際金融システムが形成』の検証と言っているのでは」「『マルクスが19世紀に論じた『信用崩壊が貨幣飢饉を引きおこす』という法則がここでも貫徹されたことになります』と言っているが」「新自由主義的国際金融システムの危機であったリーマン・ショックの時に『銀行間の貸付金利の急騰』が起こり、この事を貨幣飢饉の現れと言っているのでは」「『時間の経済』とは何か」「不破さんは『労働時間の大幅な短縮が可能になります。そうなれば、人間は、残りの生活時間を、自由に処理できるようになり、…このことを『時間の経済』と言っている』」など意見が出ました。

◇次回は、6月18日(火)午後6時30分~8時30分、会場は、「アイセル21」第12集会室、内容は、「『〔座談会〕多国籍企業の展開をどう見るか』の報告」の読み合わせと意見交換。持ち物は、『経済』誌 2019年6月号。

仲間の要求に応え労働組合運動の前進を!―今季の日本経団連春闘対策方針に注目―


静岡支部『学習の友』学習会が、5月13日に開催されました。

 今月は5月号の「企業から仲間を奪い返す労働組合運動」(赤堀正成労働総研)を読合せました。今春闘に合わせ日本経団連の春闘対策方針である「経労委報告」は、注目する記述があります。「SDGsの解決を目指す方針を明確にすることで、優秀な人材の確保・定着が期待できる」としています。このSDGsとは、2015年に国連が採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」のことです。これは「持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さないことを誓っています。」「17のゴール」を簡潔に表現すると、①貧困をなくそう、②飢餓をゼロに、③すべての人に健康と福祉を、④質の高い教育をみんなに、⑤ジェンダー平等を実現しよう、⑥安全な水とトイレを世界中に、⑦エネルギーをみんなにそしてクリーンに、⑧働きがいも経済成長も、⑨産業と技術革新の基盤をつくろう、⑩人や国の不平等等をなくそう、⑪住み続けられるまちづくりを、⑫つくる責任、つかう責任、⑬気候変動に具体的な対策を、⑭海の豊かさを守ろう、⑮陸の豊かさを守ろう、⑯平和と公正をすべての人に、⑰パートナーシップで目標を達成しよう。若年層の意識・要求を認めながら、財界はその要求に現に応えられないでいます。労働組合運動が応えるほかはないと強調しています。

第4回「日本と世界の近現代史」学習会開く-「経済」11月号をテキストに


第4回学習会・昼の部を10日に開き「『15年戦争』と日本資本主義」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 意見交換では「2・26事件を起こした陸軍皇道派の目的は」「事件は、一部の青年将校が起こしたものだが、事実上軍上層部の黙認があったと言われている。しかし、天皇は、自分が信用していた政治家が殺されたため、反乱軍として鎮圧された。しかし、この事件以後、政治への軍の発言権が強くなって行った」「論文では、天皇は、積極的に戦争を推進した分けではないと見えるが」「太平洋戦争の開戦と外交交渉での問題解決との間を揺れていたと言えるが、最終的には開戦を認めている。満州事変も事後であるが天皇は認めている」「『官金私消の腐敗性』のところで、「燃料自動車50台代価65万円を発注し、前払い金43万3000円を交付し、わずか1台の納入があつたただけであり、その後も同じような事が続いている。軍部は資本家の腐敗を攻撃していたが、軍事産業の結びつきの酷さが良く現れていると思う」「軍事企業として、三菱重工、日立製作所、石川島造船、川崎重工などが出てくる、これらの企業は戦後も日本資本主義を代表する企業して復活している」「アメリカとの無謀な戦争に勝利の展望も無く推進していると思う。また天皇もそれを認めている。政治家としては失格ではないか」など意見が出ました。

◇次回は、日時6月14日(金)昼の部-午後1時30分~4時、夜の部-午後6時30分~8時30分。会場「アイセル21」第42集会室(昼、夜両方)。内 容 「『15年戦争』と日本資本主義〈下〉」の読み合わせと意見交換 。持ち物、「経済」12月号。

第56回『資本論』学習会開く 第23章「資本主義的蓄積の一般法則」第1節「資本の構成が不変な場合における蓄積にともなう労働力需要の増大」学習する


5月9日(木)第56回『資本論』学習会を開き、第23章を、第1節を読み合わせしポイント説明の後、討論に入りました。

 討論では「マルクスは、資本の構成を価値の面と素材の面を見ているが何故か」「『資本論』では、商品を価値と使用価値統一である。生産過程を価値増殖過程と労働過程の二面から分析をしているように、資本の構成を価値の面と素材の面から見ている。それは、資本の有機的構成を資本の技術的構成によって規定された技術的構成の変化を反映する限りでの資本の価値構成が労働者の運命に大きく影響するためではないか」「『資本論』P1056から3人の富者を登場させて彼らの意見を引用しているが、なぜか」「資本の有機的構成が変化しない場合、資本の蓄積はプロレタリアートの増加をもたらすが、この変化を古典派経済学者は、『蓄積を、剰余生産物のうちの資本化される部分全部が生産的労働者によって消費される』とまで言っている。労働者の増加は、資本家による蓄積の結果であるにも関わらず、蓄積が労働力の需要を増大させて賃金の上昇をもたらすことを恐れる資本家の気持ちを表明したものではないか」「第1節は何故書かれたのか。イギリスでは協業、マニュファクチャ時代の蓄積は資本の構成は変化しないため労働者が増加していく時代があった事の反映ではないかと思う」など意見が出ました。

◇次回は、5月23日(木)午後6時30分から。会場は、「アイセル21」第12集会室。内容は、第2節「蓄積とそれにともなう集積と進行中における可変資本部分の相対的減少」。持ち物は、新日本新書版『資本論』第4分冊。