実体経済上昇がなく株価は上がる異常な日本 国民生活向上で、正常な経済に切替えを!
- 2024年06月17日
- 「学習の友」学習会
6月14日、静岡市内において「学習の友」6月号による学習会が開催されました。
今回は6月号の特集記事の「物価高・株高・NISA-日本経済の今を読み解く」(山田博文群馬大学名誉教授)を読合せ討論しました。 国民生活は苦しいなか株式市場は大活況で、株価は戦後の最高値を記録しています。大株主と国民との資産格差が更に広がっています。特に近年情報通信手段(ICT)の発展により、証券売買取引が超高速となり不正や金融犯罪が発生しやすくなりましたが、日本では規制、行政処分が甘くなっていると云います。その上で、「日本銀行による株価下支え政策に支援され、日本の株式市場は、世界の投機マネーの草刈り場になっている」と指摘をします。そして、「最近の株高は、日本経済の成長や企業経営の好転ではなく、ドル高=円安という為替相場が主な背景になってい」ると明らかにします。日銀はすでに時価総額70兆円ほどの株式を買い入れています。日銀保有株が下落すると、円安・円暴落を招き、輸入物が暴騰し国内物価の、国民生活が直撃を受けます。そうしたなかで政府は「資産運用立国」を掲げ、株式投資・不動産投資を勧め、資産を持たない多数の国民を切り捨て、一層の格差拡大の政策を推し進めています。家計は火の車状態なのに、政府は有効な政策を打っていません。いま大切なのは、「国民生活関連予算を拡充することです。」と指摘をします。 討論では次のような意見がありました。「今日ニュースであったが、『日銀が国債買入れ額を減額する』とあったが、経済にはどういう影響があるのか。」「今のところどれだけの金額かわからないが、影響は限定的と思うがね。」「それは日銀が金融を正常化しようとしているということだよね。」「日銀の『異次元の金融緩和』をやめて元に戻そうとするが、それをやりすぎると不況になるので、調整しながやっているということだ。」「ただ実体経済が回復しないから、思うようにはならないのではないか。」「日銀が銀行から国債を買わなくなると、国債は売れなくなる。そうすると国債の価格が落ちてくる。落ちてくると金利が上がる。金利が上がると金利負担を政府はできなくなる。で大変になってくる。だから極端な買入をおさえるのはできないのではないか。」「景気が良くなれば、需要が増え金利が上がる。こうなれば好循環となるが、景気回復がないままでは負担だけだ。」「とにかく実体経済を回復させないとだめだ。」「最賃低迷で消費不況ではだめということだ。」「日銀の動きは、おそらく海外向けのポーズだと思う。ちょっと変えて様子を視るということだ。」「一般的には金利を上げると株価は下がる。だけど今の日本は逆の動きになっている。政府の政策を超えた海外の投資家の動きがある。日本の経済事情がそういうところに来ている。本気になってかえれば良いが、『どうせ日銀が買い支えてくれる』と、足元をみられているということだ。政府はわかっていてもやりようがないようだ。」「れいわ新選組の主張が『MMT理論』で、お札をどんどん刷れば良いという立場だ。」「物価が上がらなければどんどんお札を刷って、物価が上がれば限界というものだ。」「今そういう経済学者がネットで発信している。」「もともとはアメリカのサンダースのブレーンの政策だ。」「アメリカの国債と日本のとは違うのだが。ドルは国際通貨だからね。」「記事の参考文献(22ページ)の『国債ビジネスと政府債務大国日本の危機』で山田博文氏は、『MMT理論』を批判している。国債は大企業にとっては大儲けの手段だ。国が安心の元本保障の証券。そういう面を『MMT理論』の者は見ていないといっている。」など、活発な意見がありました。