世界の激変の中で平和運動の「なすべき点 考えるべき点」とは
- 2024年08月15日
- 「学習の友」学習会

8月9日、静岡市内において「学習の友」8月号の学習会が開催されました。
今月は特集「アジアの平和・共同へ」の2つの記事を、読み合わせ討論しました。「石垣島で、非正規労働者の暮らしを守るユニオン運動」(土田敦子沖縄公共一般・石垣ユニオン事務局長)インタビュー記事と、「日米安保体制の克服にむけた一考察―世界秩序の激変のなかでいかに考え、いかにたたかうか」(荻野瑞穂平和問題研究家)です。土田氏は、自衛隊の駐屯基地の開設によってもたらされた石垣島の島民・労働者の現状を紹介し、そのなかで地域住民と連帯し、活動してきた石垣ユニオンの取組みも紹介しています。各職場の実態をつかむアンケート活動や、給食費無償化運動、ジェンダー問題などの社会運動にも関わってきています。建設工事の続くミサイル基地の問題は、石垣の生活を脅かすようになっています。今も「島を戦場にさせない」諸活動を積み重ねている最南端の14人の石垣ユニオンでした。荻野氏は、岸田政権が攻撃的兵器輸出解禁、米軍と自衛隊の指揮系統のさらなる統合を目指そうとしてしてい」る、そのために日米安保体制のあゆみを振り返り、現段階を明らかにすおり、日本の反核平和運動が「新たな状況にみあった構造と実践を必要とるとします。当初日米安保条約は、日本への侵略を米軍が抑止し、自衛隊はそれまで押しとどめるということでした。この背景には60年安保闘争後の強力な反戦平和運動と、国会での反安保勢力の存在がありました。冷戦後日米安保はグローバル化し、カバー範囲が地球全域へ拡大。在日米軍の再編。一層の自衛隊の米軍への協力が進められます。そうして今3つの再編過程が進められています。①日本の米中対立への加担。②先進国多国間安保への組み込み。③国内秩序の権威主義化(国家による経済コントロール、クリアランス制度の強化)、です。しかし対立する米中は、経済的相互依存をしており、また貧困と格差を拡大するグローバル経済の土俵の上にいます。地球温暖化やパンデミックへの対処、核兵器禁止などの人類的課題の解決が停滞しています。筆者は日米安保体制を終らせるためとして、3つを強調します。①どんな運動もグローバルな視野と行動を持つ。②日米安保は、米欧日安保体制の一環とみる。③日本の平和運動は、現在起きている戦争、現実との格闘が必要。その点でガザ問題で力を発揮すべき云います。 討論では、荻野氏の記事について、次のような意見がありました。「クリアランス制度というのはなんだ。」「セキュリティークリアランス制度で、機密情報を扱う際の制度。特定機密保護法による。」「経済安保は、武器の情報とかが中国にわたらないように、関係者を調査し怪しい奴は関与させないというもの。」「これには矛盾がある。米国や日本は中国に依存しているが、それを輸出してはいけないとなる。商売あがったりの企業も出る。」「世界規模で『人口減少』とあるが、世界規模では増大している。次世紀には100億人になると云われている。先進国が減少だ。」「米中にとってガザは『弱い環』とは、よくわからない。」「その前の『ロシアや中国も、イスラエルと妥協的な関係をつくってきた』とあるが、そうなのか。」「ロシアにもユダヤ人がたくさんいて、ロシアも関係している。」「イスラエルの中にはロシアから移住してきたユダヤ人が多い。」「中国は結構イスラエルと経済的な結びつきがある。イスラエルは科学技術が進んでいるから、中国は輸入している。」「中国にとって『弱い環』ってなにか。」「長崎市がイスラエルを呼ばなかった。そこでG7諸国が欠席した。これが支配層の『弱い環』だ。」「『お前ら、あいつらに味方するのか』ていうとこか。」「長崎市長は凄い。それを貫いた。周りから圧力が凄かったのではないか。それを跳ねのけた。」「長崎市長の挨拶も市民とつくったものだ。」「挨拶についての支持も多い。」などの意見がありました。最後に「ユーコープ」の平和の取組みについて参加された方からお聴きしました。