「日本近現代史を読む」第9回学習会 第7章「産業の発達と社会の変動」の読み合わせ、意見交換する


静岡市社会科学学習会は、5月11日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第9回学習会を開き、第7章「産業の発達と社会の変動」の読み合わせと意見交換を行いました。

 意見交換では「テキストに工廠とあるが何か」「工廠とは、軍隊直属の軍事工場の事で、武器・弾薬をはじとする軍需品を開発・製造・貯蔵・支給をするための施設」「最初に政府が富国強兵政策に基づいて工場や鉱山などを作ったが、やがてそれを民間に払い下げ、その払い下げを受けてのし上がったがその後の財閥となっていく。65ページの③に書かれているが、政府高官と結びついた財閥の事を政商と言うが、基本的には今も変わらない」「この時代は、時計などはあまりなく、資本家が時計を操作して、5時なのに6時だとして、働くことを強いるなど、ただでも長い労働時間をさらに長くしていた事があつた」「小作農の小作料ばどのぐらいだったのか」「江戸時代は、5公5民と言われたが、この時期も小作農はお金では小作料を納めることができないので、お米で地主に納めた。小説家である長塚節が『土』という小説の中で、茨城の貧しい農民の生活をえがいている」「資料の中に田中正造が書いた天皇に古河鉱業の営業を停止してほしいと直訴した文書が載っているが、人々の生活の様子がリアルに書かれている。食べるものもなく、病気をしても薬がない、人々は痩せ細って、骸骨のようだなど書かれている」「立松和平が小説『白い河』で足尾鉱毒事件と田中正造を描いている。日露戦争にむかう騒然たる時代の中で、この事件を見ている」などの意見が出されました。

◆次回は、日時は、6月8日(火)午後1時30分~3時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第8章「第一次世界大戦とロシア革命の影響」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」です。

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