科学的社会主義思想と「個人の尊厳」の関係を考える


今回は初めに「個人の尊厳と科学的社会主義」(牧野広義阪南大学名誉教授)を読み合わせしました。「戦争法」反対運動の中で、日本国憲法擁護の訴えがされましたが、その中には「個人の尊重」「個人の尊厳」の思想がすわっています。世界の憲法等で「人間の尊厳」がうたわれたのは第二次大戦後です。膨大な犠牲の中で必要性が認識されました。「人類の多年にわたる自由獲得の努力」つまり人権獲得のたたかいに貢献し、人類の未来を開くために貢献してきた思想の一つが、マルクスの科学的社会主義です。マルクスはイギリスの労働者が勝ち取った「工場法」をめぐりたたかいを「資本家階級と労働者階級の階級闘争」としてとらえました。そして階級闘争は労働者が人間らしく生きる権利を守るためのものととらえます。マルクスは資本主義を変革した将来の社会について「各人の自由な発展が万人の自由な発展の条件となる協同社会」「自由な人間たちの連合社会」などと言いました。資本家が資本蓄積の目的で社会の生産力を発展させましたが、将来社会はそれを継承し「各人の十分で自由な発達を根本原理とする、より高度な社会形態」と言われます。私たちは「個人の尊重」、「個人の尊厳」を実現するための「実践と結びつけて、マルクスの思想をより深く学びたいものです」と結んでいます。

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