「日本近現代史を読む」第18回学習会 第16章「中国戦線の日本軍」①日中戦争とアジア・太平洋戦争の連続性、②中国戦線の日本軍、③日本軍による戦争犯罪など学習する。


静岡市社会科学学習会は、3月8日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第18回学習会を開き、第16章「中国戦線の日本軍」を読み合わせ、①日中戦争とアジア・太平洋戦争の連続性、②中国戦線の日本軍、③日本軍による戦争犯罪、④臨時軍事費からみた戦争の性格、⑤戦争未亡人を読み合わせ、意見交換を行いました。

3月8日の「日本近現代史を読む」学習会の様子

 意見交換では「日米交渉の争点でハル・ノートの事が書かれているが、何故日米の交渉が行われたのか」「41年11月5日の御前会議で11月末までに日本側の要求(対日経済封鎖の解除)が実現できなければ12月初旬に開戦する事を日本は決めていた。ハル・ノートは11月26日に出され、その内容はアジアを満州事変以前の状態に戻すことを日本に要求する内容だった」「日本は、イギリス、アメリカ、フランスの4カ国で決めたワシントン体制を打破する事を目的に戦争を始めた。その背景には経済恐慌の問題、ロンドン軍縮会議の問題、そして満州事変の問題などかある」「南方では兵站がないので、物資がない、食料がないので日本軍の死亡原因はほとんど餓死だった。なぜこのような無謀な戦争をしたのか」「資料の中でも日本軍の兵站能力が乏しく、食料なども現地での調達になっていくが、協力が得られないと略奪行為が行われた」「アメリカなどは硫黄島作戦の時には、病院船を戦場において、傷病者が出るとすぐに治療をする事までやっていた」「日本の軍事費の事が書かれているが戦争中の軍事費はどれくらいの割合を占めていたのか」「資料の中に国家予算に占める軍事費の割合というグラフがあるが、80%を超えている」「莫大な軍事費をまかなうため国債が発行され、日銀が引き受けていた。これを反省して今の財政法では、国債を禁止している」など意見が出されました。

◆次回は、4月12日(火)午後1時30分~3時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第17章「大東亜共栄圏というスローガンの下で」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」です。