第16回『資本論』第2巻学習会 第3編「社会的総資本の再生産と流通」第18章「緒論」学習する


静岡市社会科学学習会は、3月10日(木)『資本論』2巻学習会を開き、3編「社会的総資本の再生産と流通」第18章「緒論」を学習しました。報告の後意見交換をしました。

意見交換では「第18章の表題が『緒論』と緒という文字が使われているが、何故この緒という文字を使ったのか」「諸という文字があるが、これは、物が多くある、もろもろという意味がある。緒の方は、物事の始まり発端と言う意味があるので、第3篇の中での第18章の位置づけとから見て緒を使ったと思う」「『資本論』の563ページに『だから貨幣資本は全過程を起動する原動力として現れる』とあるが、この意味は何か」「同じ所に『貨幣資本は、……資本としてのその過程を開始するさいにとる形態』とある。貨幣資本の全過程の出発点をなす形態という意味ではないか」「『資本論』の569ページに『社会的生産のもとでは貨幣資本はなくなる。社会が労働力と生産手段をさまざまな事業部門に配分する。生産者たちは、たとえば指図証券を受け取って、それと引き換えに、社会的消費在庫のなかから自分たちの労働時間に相当する分量を引き出すかもしれない。この指図証券は貨幣ではない。それは流通しない』とあるがどの様な事か」「将来の共産主義社会は商品交換社会ではなくなる。そのため商品交換に必要な貨幣もなくなると言う。貨幣ではなく指図証券で生活に必要な物を受け取る。この指図証券は労働時間に応じて受け取る生活物資の量が違うという事ではないか」「さらに生産力が高くなれば、指図証券なくなり、自由に生活物資を受け取ることの社会、譲渡社会になると言う事ではないか」などの意見が出されました。

◆次回は、3月24日(木)午後6時より8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第19章「対象についての従来の諸叙述」第1節、第2節1と2。持ち物は、『資本論』第7分冊。