『経済』9月号 「大企業の金融重視経営への転換とアベノミクス」(藤田宏)の読み合わせと意見交換する


静岡市社会科学学習会は、9月15日(火)「現代経済学習会」を「アイセル21」で開き「大企業の金融重視経営への転換とアベノミクス」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 討論では「論文の中で『本業以外の財務・金融活動で生まれる金融収益重視の経営に本格的にシフトするようになった』と書かれているが、自ら進んで金融収益重視の経営を選んだのではなく、選ばざるをえなかったのではないか」「日本は世界で唯一経済成長できない国と言われているが、多国籍企業は業績を飛躍的に伸ばしている。利益を生み出すならば、金融重視経営も積極的に選ぶのではないか。日本経済が停滞してもかまわない」「以前は日本製品の技術力は世界の中でトップであったが、今では大きく後退しコロナワクチン製造、情報産業でも技術的に立ち後れている。それが金融重視の経営に拍車をかけているのでは」「日本のもの作り産業が大きく後退している原因は、アメリカからの圧力が原因ではないか。アメリカからの要求書、構造改革協議などを通じて『規制緩和』の名前で経済政策が変えられた。また、企業の長期的な成長を展望しての経営から、企業は株主の物の立場から当面の利益確保を優先する企業経営になった」「付加価値配分も営業純益への配分率が異常に増大している。逆に労働分配は低下している」など意見が出ました。

◆次回、日時は、10月17日(火)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「『現代貨幣理論』(MMT)は積極財政の根拠たりうるか」の読み合わせ討論。持ち物は、『経済』2020年10月号。

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