困窮者だれもが気軽に使える生活保護制度を実現しよう‼


6月9日、静岡市内において「学習の友」6月号をテキストにして学習会が開かれました。


今回は、「スティグマはどのように形成されたか―生活保護政策の変遷を探る」(原富悟労教協常任理事)を読合せしました。生活困窮状態にありながら、生活保護を申請しない人もいるとして、その原因を探っています。その中で、社会的に形成される差別・偏見=スティグマをあげます。1950年に、「国家には生活保障の義務がある」と宣言し、生活保護法が制定されます。しかし1980年代臨調設置により社会保障・生活保護の抑制が相次ぎます。1995年社会保障制度審議会の勧告は、制度の新しい基本的理念として「広く国民に健やかで安心できる生活を保障する」とし、「貧困はなくなった」という建前で「自立と連帯」が基盤といい、国の責任を曖昧にしました。最近では「自助・共助・公助」論が全面的に展開し、自民党国会議員やマスコミによる生活保護受給者への激いバッシングが起こっています。こうして「受給は恥」とのスティグマを育てたとし指摘します。討論では、「日本の生活保護捕捉率が11.7%となっているが、ドイツでは50%ぐらいでスウェーデンでは90%。困っている人はみんな受けられる状態だ」「だからバッシングもない」「日本では、『生活保護を受けている』と言えない雰囲気だ。ものすごく気を使うようだ。」など、日本の生活保護・社会保障がだれでも気軽に使えるものでないことが、浮き彫りになりました。

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