資本論学習会が開催される


11月9日(日)、県評会議室にて「資本論学習会」が開催され、13名が参加しました。

最初の報告は、多田義幸氏で「『資本論』から学ぶ労働者像」でした。多田氏は資本論の文章と自身の経験を重ね合わせながら、資本に支配された労働者から人間になるための条件とはという問題意識から、以下の6点を指摘しました。①序列による差別意識ではなく、対等な人間としての意識を持つこと、②儲けのための労働にたたかうと同時に、合目的的活動としての労働に働く意味を求めること、③資本のための時間から、自分のための時間を確保し時間の主人となること、④資本の客体としての労働者から、公然としたたたかいによって主体としての人間になること、⑤部分個人から、新しい労働に順応する全面的に発達した個人となること、⑥労働者の状態悪化に対して、社会的連帯により資本の規制を行う変革主体となること。

2番目の報告は、中谷信和氏で「『資本論』から考える「過度期」と「ソ連」」でした。中谷氏はまず、『資本論』が想定する共産制社会を説明し、過渡期とは、資本制から共産制への過渡期、国家は過渡期には存続する、共産制社会では階級・国家・軍隊・警察・強制・暴力・差別は無くなる、市場・貨幣がなくなるかどうかは論争問題と提起しました。また共産制社会への道は、ある程度自由で民主的な社会からしか出発できないとして、めざすのは自由な個人による連合体であるとしました。さらに、ソ連については、法による支配ではない直接暴力による支配であったとして、軍事的警察的国家による国家資本主義と提起しました。

資本論から学ぶ労働者像

資本論から考える過度期とソ連

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