核兵器のない・戦争のない世界へ 無力な軍事同盟・核抑止力論―めざそう現実的平和の方向



7月14日、静岡市内において「学習の友」学習会が開催されました。

 今回の7月号の特集は、「核兵器のない世界へ、労働者の力発揮を」です。学習会では、まず「戦争も核兵器もない未来を求めて―きのこ雲の下の体験を次世代へつなぐ」(児玉三智子被団協事務局次長)を読み、次に「憲法・くらし・安保総学習第2回『平和の準備』を―ヨーロッパの現実とアジアの可能性」(森原公敏日本共産党国際委員会副責任者)を読合せしました。 最初の児玉氏の記事は、ご本人の壮絶な被爆体験と、核兵器禁止運動へ進む過程、今後の運動の発展をめざす決意が語られています。 総学習の記事は、岸田内閣の「国家国防戦略」のなかでの考えが「反撃能力」「敵基地攻撃能力」を保有し、攻撃を断念させる「懲罰的抑止」の考えであるとし、それでは止められないことをウクライナ侵略戦争の発生までの背景を通して、明らかにしています。ヨーロッパでは冷戦終結後、2つの軍事同盟の内NATOが存続をしたことにより、紛争の平和的解決が妨げられたと指摘します。そして、ASEAN諸国がすすめる「東南アジア友好協力条約」(TAC)の方向(「紛争の平和的解決」「武力による威嚇または行使の放棄」)でこそ、現実的な平和の準備となるとしています。 討論では次のような発言がありました。 「これまで『そうはいっても核兵器使用はいけない』といっていた日本政府が、ウクライナ問題をきっかけに核抑止力論に変わった。時代認識が大きく後退していると思う。」「クラスター爆弾がアメリカから送られるという。非人道的兵器使用の突破口にしようとしているのか。」「イギリスなんかは禁止条約批准で反対のようだが。」「日本は容認だ。平和憲法の日本がどうしょうもない。」「日本はNATOに入ろうとしている。NATOは大西洋で場所が違うぞ。」「ウクライナ戦争の背景がよくわからないが。」「東欧諸国がNATOに入り、ウクライナという隣の国が入ろうとしている。これはキューバ危機のアメリカの立場と似ているとの指摘がある。」「クリミア半島はもともとロシア人が多く、新ロシア派政権が倒れてロシア加盟を志向するに至ったようだ。」「アメリカの世論は戦争こりごりだが、一方軍需産業は『どこかで戦争してね』だ。そこで、ウクライナで後ろから武器を援助している。これは中国にも云えて、中国と日本が戦争をして、後ろでアメリカが武器を援助し、軍需産業は大儲けをする。こういう構図ができあがっている。日本のみなさんアメリカが一緒に戦ってくれると思わないように、もしそう思う政権が日本にできたらすぐ倒される。今読んでいる本にそんなことが書いてある。」「アメリカの軍事関係の報告書で恐ろしいと思ったのは、台湾を契機に戦争が起こる。そこでやるのは、日本と中国。その結果中国が強いので日本が壊滅される。日本が壊滅されれば新たなマーケットが生まれる。そこまで考えている。」「ロシアもうまく乗せられて最初の一撃を発したともとれる。」「アメリカの軍産複合体が今どういうことを考えているのか聴いてみたい。」など活発な討論となりました。

人権原理による社会保障の再構築を‼―国民の声を力に、新自由主義のごまかし歪曲と対峙しよう


6月9日、静岡市内において「学習の友」学習会を開催しました。

今回は6月号の特集記事、①「新自由主義的社会保障改革の現段階」(横山壽一金沢大学名誉教授)と、②「『最賃1500円+社会保障』で人間らしい生活を―非正規労働運動が提起した〈現役世代の生活保障〉」を読合せしました。 ①は、新自由主義の矛先が、福祉国家とりわけ社会保障に向けられ、「市場原理を浸透させることで人権原理を後退・変質させることに力を注いでき」たと指摘します。そこで、「新自由主義的社会保障改革の展開と現段階についてみていきます。」1980年代以降日本においても「構造改革」として「6大改革」が本格化し、社会保障については「高コスト構造の打破」として、公的責任の措置制度からの転換、福祉施設の民間委託・民営化、医療保険の給付と負担の見直し、市場型の介護サービスの創設と医療保険からの転換などを具体化してきたと云います。そして、新たな動向として、デジタル化の最大限の利用、マイナンバー・カードによる個人管理、民間に公的施設やサービスの解放も強化されているなどをあげています。さらに、高齢者窓口負担の強化、社会保障の圧縮など、新たな負担の仕組みによる負担強化も進んでいると指摘をします。 しかし、国民の粘り強い運動で後退を食い止め、守った部分も多々あり、人権原理が多くのところで維持され、反転攻勢を行う上での重要な足場となると云います。国民をごまかし歪めたり、無視している新自由主義としっかり対峙し、「総合的生活保障としての社会保障」をとの国民の声を「数に力」として示し、更に政治の革新へと進めていこうと訴えます。 ②は、生協労連委員長柳恵美子氏へのインタビュー記事で、生協労連の基礎的要求の一つ「最賃1500円」に、社会保障拡充を組み合わせ人間らしい生活をめざす運動方針の背景、問題意識を語っていただいた記事です。賃金があがらない社会のなかで、「本来国がやるべき社会保障負担を会社に押しつけてきた。国の責任を果たさせる必要があ」ると訴えています。 討論では、次のような意見がありました。「静岡市は、今の市立子ども園を最終的に半分を民間に移譲予定だと聞いたことがある。ほんとなら大変です。」「1985年のプラザ合意を調べたが、G5(米・英・仏・独・日)の財務大臣と中央銀行総裁が、米の貿易赤字の削減のために集まったもの。協調的ドル安政策を合意、当時1ドル235円だったのを215円になり、一年後には150円になった。」「これで日本の生産性が下がった。当時、金融自由化が明らかに進んだが、他の『改革』も進んでいった。」「社会保障と税制改革を進めるキーがマイナンバー制度だ。2015年導入。政府が自治体に指示して、いろんな情報の紐づけをしている。」「労働法制の改革、派遣法も1985年だ。」「この文書は短いが内容的には6大改革は膨大だ。」

生きづらさを乗り越えよう!青年の「職業的社会化」―労組の役割が


 5月12日、静岡市内において「学習の友」学習会を開催しました。

今月は特集「生きづらさを乗り越える青年労働運動」の記事3点を読合せしました。はじめに「文化支配のはたらきを知り、打ち破る」―自己責任論批判(中西新太郎関東学院大学教授)。次に「青年の『職業的社会化』と労働組合の役割―『生きづらさ』を乗り越えるために」(植上一希福岡大学教授インタビュー)最後に「居住保障運動と労働組合―反貧困のために」(佐藤和宏高碕経済大学准教授)をやりました。「文化的支配のはたらきを知り、打ち破る」では、テレビなどの情報媒体などををつうじて、知らないうちに権力者の支配の力がはたらいて、私たちの感じ方や行動におおきな影響を与えていると指摘します。それは、理不尽・不正なことを当たり前に感じたり、社会の矛盾により生じた問題、困難を「自分の責任」と錯覚させるはたらきをします。そして、問題を一人ひとりの個人の心の中に閉じこめ、外に広がらないようにします。しかし、文化的支配は、私たちの感じ方を強制的には動かせないという弱さをもっています。その点で、働く仲間が自由に話し合える場を提供できる労働組合の役割は重要で、文化的支配を打ち破る大きな力と豊かな可能性を持っていると云いします。「青年の『職業的社会化』と労働組合の役割」では、青年が職場のなかで働く者として認められることに困難を生じている現実があるなかで、労働組合が果たす役割は重要になっていると、明らかにしています。討論では、「若者の縁辺化」という用語がでてきたが、具体的にはイジメとか被害とかのことらしいが、中西新太郎さんはそれの本を書いている。」「職業的社会化というのも初めて聞くが。」「職場をとおして社会人となるという事か。」「今非正規とか派遣で社会化どころではない。」「社会人のメンバーに入っていけないということだ。」「これまでは職場で、先輩が仕事を教えてくれるのが当たり前だったが、今は企業は即戦力でそんなことは、大学でやってもらうぐらいの感覚だ。」「昔は企業の中で『良き従業員を育てる』だったが、今は『お前できないなら要らない』ということだ。」「公務の職場でも、高校・大学から入るのではなく、一旦簿記・会計学を習う専門学校や、民間企業に数年勤めてから入ってくるケースが増えている。」「労働組合も、下級職制は組合員なので、職場に入るとその人たちが指導して、組合活動をやらされたりして活動家になったりした。」「即戦力だという感覚で、いきなり無謀な仕事を押し付け、病気になってしまうことも増えてきた。」「ここでは専門学校を評価しているね。」「自分に自信が持てない人が増えているよね。」「派遣の30歳くらいの人が、いつまで経っても一人前になれないと言っていた。そうゆうふうに考えるのかと驚いた。」「そういう社会なんだね恐ろしいね。」「今の若い人はとても謙虚に思える接し方をするが、自分に自信がなくて言ってこれないということか。」「昔の若いのは『しゃらっくせい』やつばっかだったよな。」「仕事もできないくせに偉そうなこというなと言われた。」「お互いにそう言ってたたかいながらやってた。」「今は何があっても、ありがとうございます。お世話になりますなど、そこまでやる必要ないと思うような対応だ。」「文化的支配がすすんでいるのだよ。」「電車通勤して感じるが、昔は相手がどくまで接近したが、今の若い人はサッサッサッと避けていく。」「昔は自信の塊でお前が避けろという態度だった。自分が世界の中心だった。」「国鉄がJRになって職員が紳士的になった。昔はえばっていたが、何か懐かしい気がする。」「表面だけ丁寧なのだ。」など、云いたいことを言って盛り上がりました。

職場の人間関係を取り戻す 納得と共感の労働組合の活動を!


4月14日、静岡市内において「学習の友」学習会を開催しました。

 今回の4月号は、特集記事の①「心理的安全で元気な組織に」(長久啓太岡山学習協事務局長)、②「組合活動を見直して・・楽しくないとやっていられない!」(藤野りか福保労東海地本けやきの木法保育園分会分会長)、③「まともな人間関係」の回復と自立と連帯をめざして」(山田敬男労教協会長)の3つを読合せしました。今回中途退席者が多く、充実した討論とはなりませんでした。①は、最初に10の設問をします。これは「職場や組織に『心理的安全性』があるかをはかるためのもの」と云います。そして「組織に心理的安定性があると、集団知が発揮でき、意思決定が正確にできる。組織や運動がつねに新しい視点や意見を取り入れ、変化し続けていくことができる。」ということです。これは、その言葉が登場する以前から、問題意識をもって実践されてきたが、ここ数年関連する出版が相次ぎ、「学びを力に、組織文化の変革へチャレンジして」みようと訴えます。②は、職場からの報告です。保育園の職場から組合活動の在り方を、模索し実践し、一つずつ打開してきた経験報告でした。そして仲間が「組合に入ってよかった!」と思えるような組合活動を、引続き考えていきたいと筆者は語っています。③は、1990年以降の社会の構造的変化のなかで、人間関係が壊される。これを取り戻す運動の努力を呼びかけています。

大軍拡の実態を正しく伝える-許すな! 岸田大軍拡の2つの「絶対悪」


3月10日静岡市内において「学習の友」学習会を開催しました。

今回は、特集②の「国民生活視点による岸田軍拡の断罪」(二宮厚美神戸大名誉教授)の記事を読合せしました。「岸田政権による今回の『安保法制の歴史的大転換』には、2つの『絶対悪』がふくまれている」と云います。一つは「巨額の軍事費を使って、・・『プーチンによる先制攻撃』と同じような武力、すなわち『敵基地攻撃能力』を保有しようという」ことです。もう一は、軍拡が「日米間の集団的自衛権の行使を前提にし・・アメリカが先制攻撃によって呼び起こす戦争に日本が巻き込まれる状態を想定してすすめられている」ことです。また、事実上「財政破綻」に陥っている日本が、軍拡に必要な巨額の財源確保をする手段は難問です。特に大変なことは、「国民世論の大半を占めていた『大砲よりもバターを』の流れを、『バターよりも大砲を』に転換する方向に」岸田政権はむけざるをえないこと、と指摘をします。このあとで次ページの「現代抑止力論―『反撃能力』と統合抑止」(村上公国際問題研究者)も読合せし、「抑止力」論の内容も学習しました。討論では次のような疑問・意見がありました。「『軍事費を削って福祉にまわす』は『国民大運動』の政策だが、軍事費削減は立憲民主党も賛同しているのかな。」「最初の時はそうだったが、最近は違う論調になってきたか。曖昧だ。社民党は今もはっきり言っているが。」「県議選のなかで対話をしてみると、軍拡は否定的だ。沖縄のミサイル基地のことなんかみんな知らない。話題になると意気投合する。」「P63で、世論調査結果で『敵基地攻撃能力の保有』については、賛成が反対を大きく上回っているが、『防衛費43兆円増大』は反対が多いとなっている。」「実態を正しく伝えることが大事になっている。」「トマホークの射程が北京まで入っている。そんなことをやられたら、相手は軍拡してくる。」「抑止の限界という言葉がある。」「この前、山添参議院議員の国会質問で、米軍と一緒に戦争する場合に、『自衛隊の必要最小限度』にするとは何なんだと聞いたら、『それは相手次第だ』と答えた。歯止めがないということだ。」「海外で戦争するということは、相手をやっつけるまでやるということだ。軍事大国にならないとできないということだ。」など、なかなか勉強になる討論でした。

日本にもありました! 産別交渉・産別協定を確立させた産別労組


2月10日、静岡市内において「学習の友」学習会が開催されました。

今月は、特集記事「『魅力ある港湾労働』めざして〈産別ストライキ〉―地域の力に依拠した産別労働運動とその機能」(玉田雅也全国港湾書記長へのインタビュー記事)を読合せ討論しました。全国港湾は港湾産業の7つ労組で構成され、連合、全労連、中立などの系統を横断した組織です。1972年、産別運動を進めるには中央組織が必要ということで、職場、地域での闘いの発展のなかから生まれました。港は「一つの工場」となっている(重層構造)こと、港湾は受注産業で、発注者の大企業に比べ弱い立場にあることが特徴です。そこで業界の特殊性のなかで、企業横断的な労働運動が生まれたと云います。1967年の日曜日休日要求のストライキと要求実現以降、産別ストライキでどこでも体制をつくり、組織率4割でも15地域組織でパトロールをし、スト破りの点検、説得・講義行動をする。組合のないところでも港での仕事は止まります。また、スト後は滞留した仕事をさばくのも労働者のため、ストには現場の討論と納得を大切にしています。90年代後半以降、規制緩和とのたたかいで、規制緩和に反対との労使協定を結ぶ。ユーザーによる「合理化」を規制する事前協議制に対する、海外からの撤廃要求撤回のたたかい。年金基金登録の凍結を解除させ復活も。産別最賃引上げでストライキ闘争を展開、港湾協会からの産別最賃の運動への攻撃も跳ね返しつつあります。「産別協約体制は港湾での持続可能な『共生』システム」と指摘します。 討論では、「日本にこんな運動があるとは知らなかった。」「総評の時代につくられたのだ。元はみんな総評だったんだ。その後、連合だの全労連だのに分かれたが、産別は続けているということか。」「凄いね。」「全建総連と全国土建も共同組織をつくっているよね。」「清水にも全港湾があったね。」「2020年に行ったことがある。」「日本で産別交渉がこんな風にやられているのは凄い。」「港でストライキだと、なかなか見えないね。」「たまにネットのニュースで見る。」「JRとかでやれば、通勤してればわかるが。」「最後に示唆的経験とあるが何を学ぶべきなのか。」「産別労組はあっても、産別交渉はなかなかできない。韓国でも産別組合はあっても、産別交渉まではできていない。」「ヨーロッパは産別交渉がされている。産別交渉が本来の姿だ。」「産別交渉の結果は、組合に入っていなくても適用されるのだな。」「産別労使協定でね。」「ヨーロッパで労働組合や、ストライキに対しても比較的理解がある理由はここだ。」「港湾労働者も組織率4割でも、スト破りのパトロールをやってるとそれに応える労働者が多いということだね。」「ヨーロッパと同じような状態をつくっているということだ。」「ヨーロッパスタイルなんかを勉強しているんだろうね。」「これを他のところで作っていくのは大変だろうね。」「国際的な会議で学んできたと書いてある。」「港の労働者はそうしやすいだろうね。」「昔は交通関係のストライキはあったがね。今分断されている。」「介護労働者なんかは、産別の労組ができると大きな力になると思うが。」「それぞれの事業所が小さいよね。」「施設内の人間関係がドロドロとか、賃金が低くて仕事が大変だなど要求は高いはずだ。」「先生はどうなのかね。」「長野だったか、地域によって系統を横断した集会を開いたと聞いたことがある。」「静岡では県教組が全教の運動を妨害する。これではだめだ。」など、先進的な産別組合運動を学び、参加者一同大いに感心しました。

新自由主義にかわる社会ビジョンの提示-幅広い運動の合流・共同をすすめて


あけましておめでとうございます。1月6日に静岡市内において「学習の友」学習会を開催しました。

今回は1月号の特集記事の中から、「脱新自由主義へと向かう社会運動の胎動」(二宮元琉球大学教員)を読合せし討論しました。まず新自由主義政治は「社会の格差化と民主主義の衰退」という2つの矛盾をもたらしたが、これに対抗する世界の運動について「3つ局面を経て展開されてき」たと云います。最初に、1990年半ばからの「グローバル・ジャスティス運動やオルタ・グローバリゼーション運動」と呼ばれる運動。主として国際的な課題に取り組んだ運動でしたが、南米諸国を除くと各国の国内政治には限定的影響力しかない。つぎに、2010年代以降反緊縮左翼の運動で「広場の運動」として各国で連鎖的に拡大する。これは新自由主義政治に正面から抗議の声をあげた運動だった。広場の運動は、その後左翼政治勢力と結びつくことで、路上の運動から政治変革をめざす運動へと展開する。ギリシャのシリザ(急進左派連合)政権の誕生。イギリス労働党の最左派コービン党首選出。スペインのポデモス(反緊縮政党)躍進。アメリカの民主党サンダース善戦。2010年代の反緊縮左翼の運動は、非常に多様な運動の担い手が合流した点でも注目されると指摘します。そして今、「ニュー・ミュニシバリズム(新しい自治体主義)」と呼ばれる新しい潮流が登場し、地域での政策的実践が進められている。ヨーロッパ諸国では、福祉国家型の政治の経験が反緊縮左翼の運動を支える歴史的な基盤になっているが、日本ではその蓄積が弱く、新自由主義にかわる社会の姿を現実味のある構想として提示する独特の困難が伴うと指摘します。今後幅広い運動の合流と共同の力で、新自由主義に対抗することが反緊縮左翼に求められていると結んでいます。討論では、「新自由主義によって、政治的選択を行うことが極めて難しくなるとしているが、どういうことか。」「アメリカでいえば共和党と民主党で、変わる余地がないとかか。ただ、民主党も新自由主義と言い切れるか疑問だが。」「アメリカ・イギリス・日本は新自由主義的傾向だが、フランス・ドイツとかは新自由主義的政策に走ったのではないと思っているが、福祉国家政策は続いている。」「現象、現象で書かれているが、何故そうなったのかがない。最後に反緊縮左翼が幅広い運動と合流して、新自由主義の方向を打開すると言っていると思うが、それは普通のことだと思う。」「市民連合の政策に『新自由主義に反対する』というのはあったか。」「ないのでは。」「最近は南米では左翼がまた勝っているね。新自由主義に反対する選択をしているといえる。」「日本でも選択肢を明確にした政治勢力が必要だ。」「野党共闘の再構築が必要だ。」などの意見がありました。

新自由主義下のネット社会 社会批判をたたく文化支配とどうたたかうか



12月9日、静岡市内で「学習の友」(12月号)学習会が開催されました。

 今回は12月号の中の、「新自由主義の文化支配と冷笑主義、それといかにたたかうか―〈連帯の文化〉再生のために」(中西新太郎氏【社会哲学者】へのインタビュー記事)を読合せしました。ひろゆき氏(西村博之・2ちゃんねる開設者)の沖縄をめぐる発言がネット上で話題になり、識者からの批判が出ているが「この問題は労働運動、社会運動にとっても重大な論点をはらみます。」と指摘します。ひろゆき氏は、辺野古基地建設反対の方たちが座り込みしていない時間に「誰もいないでしょ」と揶揄し、ネットにのせたのです。おそらく意図的にたまたま「いない」ことにスポットをあてるように発言をする。彼のSNSでのフォロワーは200万人です。28万「いいね」、4万「リツイート」がついた。座り込みの本質を覆い隠し、問題の矮小化をはかり、日本の支配構造の上に乗っかった「評価」を試みているとします。そして「現代社会を批判するのではなく、それに反抗する人間、あるいは社会的弱者をたたくという」ことに使われていると云います。また、こうした立場は優生思想ともつながっているとも指摘をします。さらに、SNSは社会性(公共性)と私的領域の境界があいまいで、社会的責任が整理されていないとも云い、ネット社会に検証の仕組みが必要と主張します。最後に、こうした「社会文化的支配が」民衆を政治的に無力にさせる、と警鐘を鳴らします。討論では、次のような発言がありました。「『2ちゃんねる』ってどんなSNSなの。」「『2ちゃんねる』は、ネットの中でもけっこう悪口がのっている。」「ある会社の書き込みを見ると、労働条件の悪い所はたくさん悪口が書いてあるそれを就活に使ったりしている。」「ひろゆきのは、ユーチューブからよく見る。統一協会批判はよくやる。テレビにも出るので凄い影響力がある。」「中西さんは大学の教授で、この人も有名だ。」「優生思想、弱い者たたき的なことは、維新がよくやっているね。毎日吉村大阪知事がテレビに出ているので、みんな信じてしまう。」「小池東京都知事も毎日出ていたね。」など、ネット、マスメディアからの情報たれ流し社会に注意したいとの声があがりました。

防衛費倍増・日米軍事一体化は国民生活破壊(消費増税)と世論統制の道


11月11日、静岡市内において「学習の友」(11月号)学習会を開催しました。

今回は、特集記事「米国の世界戦略と日米共同作戦の現状」(竹下岳しんぶん赤旗記者)を読合せしました。米国と中国の対立が強まる中で、米国から日本への戦力増強と軍事同盟の再強化の要求が強まったと指摘。21年の共同声明では、「台湾海峡」問題に言及し、日本は「防衛力を強化」することを公約。岸田政権の防衛費倍増の大軍拡や敵基地攻撃能力保有の動きにつながったとし、その具体的中身を明らかにします。むすびとして、「大軍拡ではなく、米中対立を緩和するための外交努力こそ、日本の安全保障戦略の最も重要な柱です。」と訴えます。討論では次のような発言がありました。「防衛費増強のため増税も言い出す。国民との矛盾が激しくなる。」「財源として三つの選択肢(赤字国債、社会保障を削る、増税《消費税》)を云っている。最近立憲民主がおかしい。国会の枠組みが自民党の方に寄り添ってきている。背景には11兆円の防衛費のための消費税増税がある。」「今消費税を15%へとの声もある。」「消費税は社会保障のためといった導入理由は、軍備のためとなり、完全に崩れる。」「枝野氏は『今は消費税を増す環境にはない』と言いつつ、他の税の増税対策をやれば消費税増税も容認するような発言がある。」「ガソリンの税は完全な目的税だったが、消費税は一般会計に入るため、社会保障の目的と云っても今はわからない。目的をごまかして増税を図るだろう。」「国民は社会保障の目的と信じて容認した人もいたが、だまされたと知るわけだ。」「ニュースで『北朝鮮が突然ミサイルを打っている。何を血迷っているのか。』の報道があるが、ちゃんと理由がある。米韓の軍事演習をやっている。それをほとんど報道しない。ジェーアラートで脅威をあおり、安全のための軍備増強をとなる。」「あれはテレビジャックだね。」「マスコミはどこかに司令塔があってやるのか。」「マスコミと政府が協定を結んでいるのではないか。」「世論操作を着々とやっている。」「アンケートをとると、若い人の中には、軍事力増強の意見が多い。年齢が若くなるほど多い。」「本当のことを知らせることが大事だ。」「最近テレビは見ない。ネット番組の中には、リベラル系の番組もあり、結構よく見ている。」「一般の人がどういう番組を見ているか知るのも大事だ。」など、軍事大国化の動きと世論誘導の強化に注意すべきとの討論になりました。

支持率急落の岸田政権-改憲・軍拡をさせない世論を広げよう!



10月14日、静岡市内において「学習の友」(10月号)学習会を開催しました。

今回は、「オンライン講座タイアップ連載―憲法・くらし・安保 総学習 第一回改憲のねらいと危険性、今何が問題か―九条は無力か」(渡辺治一橋大学名誉教授)を読合せしました。岸田政権下で改憲の第3の波が押し寄せています。明文改憲と攻撃的兵器をはじめとした大軍拡の実現をしようとしています。しかし、国民は改憲、軍拡に同意していません。ウクライナ侵略を機に国民のなかに改憲賛成が増えていますが、依然国民の中に軍事大国や軍拡への懸念が持続しています。「九条に基づく平和」という意識が国民の間で根強い力を持ってると指摘します。私たちは今まで70年以上にわたり改憲の策動を阻止してきました。このことに確信を持って、改憲発議を阻止する市民の大行動を起こそうと訴えます。討論では、「最近の世論調査で、安倍国葬について反対が多くなっている。国民の意識は重要だ。」「ウクライナ侵略開始の2~3月の頃は「軍拡必要」となっていたが、最近は物価高で生活が苦しくなると軍拡予算に反対の意見が多くなる。」「岸田政権は、支持率30%切っている。統一協会問題で追い詰められている。この状態では改憲発議もできない。解散総選挙の噂もある。」「マスコミも岸田政権支持率は黄色信号といっている。」「政党の支持率全体が下がって、支持なし層が増えているようだ。」「共産はまともと思うが、なぜ支持が増えないのか。」「選挙で5割は行かない。3割は自民、あとはその他だから投票率を上げないといけない。」など、支持率問題に集中しました。