『資本論』学習会開きました-静岡市資本論を学ぶ会


IMG_0077「静岡市資本論学ぶ会」は6月27日の午後6時30分から資本論第三巻の第15章「この法則の内的諸矛盾の展開」のところの学習会を開きました。この15章の第一節に「概説」の部分があります。この15章は利潤率の傾向的低下の法則の最後の章となつています。この第一節に次のような文書があります。

「他方、総資本の価値増殖率すなわち利潤率が資本主義的生産の刺激である限り、利潤率の下落は、新たな自立的資本の形成を緩慢にし、こうして資本主義的生産過程の発展をおびやかすものとして現れる。新たな自立的資本の形成を緩慢にし、それは、過剰生産、投機、恐慌、過剰人口と並存する過剰資本を促進する。したがつて、リカードウと同様に資本主義的生産様式を絶対的な生産様式と考える経済学者たちも、ここでは、この生産様式が自分自身にたいして制限を作り出す」

マルクスは生きているという言葉があります。ここに書かれている事は、今日の日本のことです。大企業の内部留保は、期待する利潤が得られないために資金のことで、資本は新しい投資をためらつています。それは「過剰生産、投機、恐慌、過剰人口と並存」しています。

現代日本は「この生産様式が自分自身にたいして制限を作り出」しています。巨大資本は新たな投資先がない貨幣資本をその内部にためこんですいます。資本とは貨幣を運動させ儲けを作り出すことを目的とした貨幣のことです。これは資本家の「指命」であり「存在意義」です。しかし、現代の日本資本主義はこれがでていません。一部は海外に投資されています。資本はいらだち、「アベノミクス」のような手段に出ています。それは破綻への道です。

社会の末期に生産関係と生産力の矛盾が社会の閉塞感を高めます。利潤率の傾向的低下の法則はその資本主義的な現れです。それは「自分自身にたいして制限を作り出す」のです。いま人々は、意識するしないにかかわらず新しい社会への転換を求めているのです。

次回の学習会は、7月25日です。