3/5「安倍政権の地方戦略と県政の現状・政策学習講演会」を開く 静岡大学教授、川瀬憲子さんが講演、林克さん、鈴木節子さんが報告


3月5日、「アイセル2静岡大学教授の川瀬憲子さん、林克さん、鈴木節子さんを迎えて学習講演会を開きました。

 川瀬憲子さんは、「安倍政権下の『地方創生』政策と財政」と題して講演を行いました。講演の中で、安倍政権下で集権化が進み、ますます私たちの税金が国に集中し、その中で最も影響が出ているのが地方交付税と地方創生がらみの集約型の国土再編の影響が急速に出てきている。その影響が静岡市にどの様に出ているかを話されました。現在所得格差、地域間格差がますます拡大しているとし、私たちの暮らし苦しくなっている現状を指摘しました。そして、地方創生の問題を考える上で欠くことのできない事として改憲の問題があると指摘し、自治体戦略2040の中で地方交付税そのものを廃止、自治体職員の大幅削減などが狙われている事を語りました。この間分権改革が進められてきたが国から地方への税源移譲は先送りされ、平成の大合併と三位一体の改革の中で税金が国に吸い上げられ地方では財源不足が生じ、その後安倍政権でもの凄い勢いで国土の再編が行われている事を指摘し、この問題とセットで考えないといけないのが改憲問題、自民党の改憲草案が2012年に出され、その中で地方自治が大幅に制限され、また家族役割が入り、完全に福祉国の放棄、民主主義から家族主義への転換の内容が盛り込まれているとし、安倍政権は、機密保護法、安保法制、武器輸出の解禁の動きの中で沖縄の辺野古新基地建設の問題も出てきている。そのような中で進められている地方創生政策は、地方に政策を作らせその成果が出ている地域に多く交付税を交付している、その一方で交付税のトップランナー方式で地方に合理化を迫っている事を指摘し、現在は集権型国家への再編が進んでいるとしました。地方の税源を国税化しそれを交付税の財源としている。現在は三位一体の前の状況まで戻っている三位一体の改革で地方税の割合が45%ぐらいで、現在は39%となっている事を明らかにしました。国の来年度予算では百兆円を突破しその中で防衛費が大きく伸び、安倍内閣は中央集権型の軍事国家へ以降しつつあり、戦前型国家への再編であり、戦後の平和憲法下での分権型国家への挑戦であり、改憲の先取りだとしました。

林克さんは、「どうする『浜岡原発の廃炉』」と題して報告し、その中で、中部電力は廃炉を考えていない。その理由は、安倍内閣が、アベノミクス政策の柱として原発推進を進めており政権が変わらなければ中電は廃炉を考えない。しかし、中電は原発の割合が一番低く可能性はある中電への働きかけの重要性を指摘しました。現在は、再稼働させない運動を強め最終的に廃炉に持っていく事、そして再稼働をするには、一つは原子力規制委員会の審査に通ること、二つ目は地元の同意が必要としました。安倍内閣は、原発の審査は世界で一番厳しい基準だと言っているがこれが嘘であり、それは福島原発事故の原因が分からなくて作った基準である事を指摘、また地震国日本での原発建設費がヨーロッパの1/3である事を指摘しました。

鈴木節子さんは「静岡県政を住民本位に変えよう」と題して、「国保」と「子ども医療費の助成制度」について報告しました。国保の特徴は、自営業者、年金生活者が多く、現在働いている人も退職後は、国保に加入するため国民皆保険制度を支えている事を指摘しました。しかし保険料は高く、その理由として、加入者の所得だけでなく、世帯に対す世帯割と世帯の人数に対する平等割があり、世帯の人数が多いと一気に保険料が高くなる算定方式である事を告発しました。しかし加入者は年金生活者や非正雇用者が多く所得三百万未満の人が八割を占めている事、その結果として、他の保険制度と比較して所得は低く保険料は一番高い、このような不公平、不均衡が国保の一番の問題であるとし、その後、改善の提案を語りました。