「日本と世界の近現代史」第2回学習会・夜の部、「『明治』期の3つの戦争は何をもたらしたか」を学習する


第2回学習会・夜の部を8日に開き「『明治』期の3つの戦争は何をもたらしたか」を読み合わせ、意見交換を行いました。

 意見交換では、「29ページにある『民党との対立で次第に動きかが取れなくなっていていた』あるがこの『民党』とは何のことか」「『民党』とは、明治時代の日本において自由民権運動を推進した自由党・立憲改進党などの民権派各党の総称した言葉。主に帝国議会開設から日清戦争の頃にかけて使われたが、その後政界が二大政党に収斂されていくにしたがって使用されることは減っていった」「29ページに『伊藤は、病気を理由に天皇の謁見要求を拒んだ』とか首相に就くにあたって『万事御委任あらせられたし』と求め、天皇も『何事も干渉するの意なし』と答えるなど、この時期の天皇と明治維新を推進した『元老』との関係がよく示されていると思う。天皇を自らの政治を実現するために利用していくという面が強かったのではないか」「36ページの『アメリカは、義和団戦争の賠償金を、米中関係の改善に使う案を提案し、天津に青華学堂という留学生送り込み機関を設置する』と指摘しているが、武力一辺倒の日本と比較して、中国国民の心をつかむ政策であり、中国への進出に遅れをとっていたアメリカの長期的な視点からの政策では」「ロシア革命やアメリカの『14箇条の平和原則』で確立されていく『民族自決権』への配慮も見られるのではないか」など意見が出ました。

◆次回、日時は、4月12日(金)夜の部、午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「近代日本の帝国主義化」の読み合わせと意見交換 。持ち物は、2018年『経済』11月号(新日本出版社発行)。


「日本と世界の近現代史」第2回学習会・昼の部、「『明治』期の3つの戦争は何をもたらしたか」を学習する


第2学習会を3月8日にき、「『明治』期の3つの戦争は何をもたらしたか」の読み合わせと討論を行いました。

 討論では「日清戦争を『大本営』が設置された時期と「宣戦の詔書草案」の中に朝鮮国に対して宣戦を宣す案が存在していた事実から、日清戦争を4つの戦争と3つの局面があり、清国との武力闘争では勝利したが、列強との外交競争と戦場での民衆との戦いでは敗北したと書いてある。この事は、従来の日清戦争の見方を根本的に変えるもので、従来は『朝鮮の支配をめぐる清国との戦争』という見方で、この間の歴史研究の深まりを感じた」「31ページに『東アジアの悲劇』はこれだけではなかった」として、戦没者の靖国神社合祀の事を取り上げているが、どのような事か」「靖国神社への合祀とは、天皇のための戦争に参加し戦死した人を神として祭る事で、家族の同意などを必要としていない。宗教上の理由や戦争に反対する本人や家族の信条が無視されるなど多くの問題を抱えている。また「戦病死者」は合祀されない」「日清戦争は清国や朝鮮への支配を強める『帝国主義的地位の獲得を目的に行われたのに、国民に対しては、『東洋の平和のため』という全く異なった論理を用いて説明をしている。しかもこの論法がその後の日露戦争やドイツとの戦争、英米への宣戦詔書でも使われている」という指摘がある、この論法は今日でも『日米同盟』は、アジアの平和に貢献している。との論法と同じであり、アジアの平和を脅かすのは中国やロシアであるという言い方も戦前と同じだと思う」「論文『明治期の3つの戦争は何をもたらした』は、現代の日本の問題を考える上でも根本的で重要な事が指摘されていると思う。近現代史を学ぶことの大切さを改めて感じた」「日露戦争の見方を変える必要がある。日本は日英同盟によって、英露対立の一方に組み入れらた。との指摘は、新鮮で目からウロコだ」など意見が出ました。

◆次回、日時は、4月12日(金)昼の部、午後1時30分~4時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「近代日本の帝国主義化」の読み合わせ     と意見交換 。持ち物は、2018年『経済』11月号(新日本出版社発行)。