「日本近現代史を読む」第14回学習会 第12章「日中戦争と戦時体制の始まり」を読み合わせ意見交換をする


静岡市社会科学学習会は、11月9日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第14回学習会を開き、第12章「日中戦争と戦時体制の始まり」の読み合わせ、意見交換を行いました。

 意見交換では「テキストの110ページに『日本側が権益の確保や日本軍の駐留に固執したため交渉は難航しましたが、最終的には日本側が押し切り、汪は重慶を脱出、1940年には日本の庇護のもとに南京に政権をつくりました』とあるが、どの様な事か」「日本は戦争の目的が『東亜新秩序』の建設にある事をアメリカなどに示すため、国民党政権を分裂させ汪政権をつくり、その政権との間に戦争を終わらせる。そのため傀儡政権を作ろうとしたのではないか」「日中全面戦争の時に日本は宣戦布告をしなかった。それは宣戦布告をすると国際法上戦争状態となり、それはアメリカが中立法を発動し石油などの重要な物資の輸出が停止される事があるため宣戦布告をしなかったと書かれているが、このような事が国際的に通用すると考えた当時の支配層の考え方に驚いた」「テキストの110ページに『戦火の拡大は、諸外国の権益を侵し、アジアにおける秩序の変更をせまるものであったため、英・米・ソ連は蒋介石政権を物的・人的に支援しました』とあるが、ソ連が中国共産党よりも蒋介石政権を支援した理由に、スターリンの考えかある。それは中国共産党よりもこの時期国民党政権の方を中国の代表として見ていた。これは不破さんの『スターリン秘史-巨悪の成立と展開』で紹介されていた」など意見が出されました。

◆次回は、日時は、12月14日(火)午後1時30分~3時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第13章「占領と植民地支配」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」です。