コロナ禍でも最賃運動は世論を動かす-大幅賃上げ求め労働組合運動の変革も!


11月11日、静岡市内で「学習の友」学習会が開催されました。

今月号の特集は「最賃引上げから本格的な賃上げへ」です。その中の、「最賃をめぐる情勢の変化―いまなぜ1500円か?」(中澤秀一静岡県大准教授)を読合せしました。今年10月に最賃の引上げ(全国平均28円)がありました。内容は直接それには触れていませんが、「全国一律で大幅に引き上げることへの賛同の輪がひろがっていることはまちがいありません。」と、情勢を捉えた記述がありました。この数年の最低生計費調査の結果は、最賃審議会が「標準労働時間」とした1ヵ月の労働時間で換算しても1,500円となり、最賃1,500円はスタンダードな要求になりつつあると指摘しています。筆者は「最賃運動をさらにひろげていき、最賃1,500円を社会の常識にしなければなりません。」と訴えています。討論では、次のような意見がありました。「NHKでもやっと先進国と比べた日本の低賃金が分かる表を出すようになったけど、正規で働く労働者の賃金が上がっていないが、最賃は3%づつ上がってきたので『リンクしていない』と、そういうことだね。」「以前の春闘は相場を作り上げて、それを目指してたたかった。組合がないところもそれにならって賃上げされたのだが。」「賃上げは結局大企業、連合が握る。中小は要求しても上がらない状況だ。」「連合は変わらないのか。」など、労働組合運動の変革を求める発言にもなりました。

2021年 第8回『資本論』第2巻学習会 第1篇「資本の諸変態とそれらの循環」第6章「流通費」を学習する


静岡市社会科学学習会は、11月11日(木)『資本論』2巻学習会を開き、第1篇「資本の諸変態とそれらの循環」第6章「流通費」の報告を聞きその後意見交換行いました。

意見交換では「報告の中で図を用いて説明をしたが、この図をもう少し説明してほしい」「図の中で斜めに区切られているが、これは第2節の保管費には価値を生産する業務と生産しない業務の両方があると言う事を示している」「例えばトヨタ自動車が工場から販売店まで車を輸送する業務は価値も剰余価値も生むが、店頭で消費者に売る業務は第1節の『購買時間と販売時間』でありこれは価値も剰余価値も生まない」「価値も剰余価値も生まない店頭で商品を売る会社が、何故利潤を獲得しているのか。それは生産する会社が販売会社の利益も含めた価格の設定をしているためではないか」「商業活動は空費だから小さくして行くのが資本の利益になると言うが、現実は販売活動に大きな資本が投下されている」「商品を売り出したその時に一気に売ってしまう。そのため最初資本を投下する。それは販売時間を短縮する事になり、空費を小さくする事になるのではないか」「商業は、第3巻の商業資本で本格的に解明される」「商品を作り売るまでの動線がある。その動線上にある在庫だとか運送はコストとして計算し、それ以外のものは余計な支払いとしてコストに入らないのではないか」「保管費も販売所で必要な保管もある。これは空費だと言うがその理由は何か」「第2節の保管費について報告では『保管費、これがやや複雑なんです。両方あるのです。商品流通のために必要となってくるような保管費は、空費なんです。しかし、生産過程の連続か、継続か、生産過程をスムーズに正常に進行させるために必要となってくる保管費もあるのです』これは価値も剰余価値も生むと言っている」などの意見が出されました。

◆次回は、11月25日(木)午後6時30分~8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第8章「固定資本と流動資本」第2節と第9章「前貸資本の総回転。回転循環」。持ち物は、新版『資本論』又は新書版『資本論』第6分冊です。