第6回「多国籍企業と日本経済」学習会 「多国籍企業の財務構造と会計・税制」を読み合わせ、意見交換をする


静岡市社会科学学習会は、11月16日(火)「多国籍企業と日本経済」学習会を「アイセル21」で開きました。テキストの読み合わせの後、意見交換を行いました。

 意見交換では「テキストの78ページに『2013年から17年にかけて…一方、M&Aの形態で企業買収が急激に増大している』と書かれているが、この買収の狙いは、将来競争相手になる事が予想される企業を買収し自分たちの寡占状況を維持していると言う。例えばGoogleがYouTubeを買収したように」「テキストの中に『金融化資本主義』とあるが、内容は生産無き利潤と金融による支配と言っている」「従来型の企業では拡大再生産のために儲けの利潤を使っていたが、デジタル多国籍企業は生産設備を持たなく、利潤はキャッシュフローになり、そのキャッシュで企業買収をしている。その意味では資本間の競争は激しくなっている」「日本は物作りの技術は高かったがソフトの技術は遅れている。なぜ日本はソフト作りが弱いのか。ソフト作りには論理的な思考が必要で日本人は苦手なのか」「昔ジャストwindowというソフトが日本で作られたが、情報を公開しなかつたために普及しなかつた。windowは情報を公開したためその上で動作するソフトを多くの企業でつくり普及をした」「日本の政府も新しい産業を興していく意識が弱かったのではないか。ソフト企業が政府に産業の育成を呼びかけても消極的だったのではないか」「日本政府に対してアメリカからwindowの普及に協力しろという圧力があつたのではないか」などの意見が出ました。

◆次回は、日時は12月21日(火) 午後6時30分~8時30分。会場は「アイセル21」第42集会室。内容は「自動車産業の『CASE』をめぐる競争と支配」の読み合わせ、意見交換。持ち物は「多国籍企業・グローバル企業と日本経済」です。