2021-第20回『資本論』第2巻学習会 第20章「単純再生産」第4節から第8節を学習する


静岡市社会科学学習会は、5月12日(木)『資本論』2巻学習会を開きました。報告の後意見交換をしました。

 意見交換では「消費部門を必需品部門と奢侈品部門に分け、不況になると奢侈品の消費が抑えられる。そうするとそこで働く労働者が解雇され、また必需品部門の消費も少なくなる。そうすると経済恐慌が起きるという事を言っているのか」「消費部門を必需品と奢侈品に分ける事によって、必需品部門の生産量が少なくなっている。資本家も必需品を消費するのではないか」「マルクスは、労働者階級は必需品を消費し、資本家階級は必需品と奢侈品の両方を消費すると前提にしている。資本家は人数が少ないが必需品を消費する額としてはそれなりの大きさではないか」「最初の設定では必需品と奢侈品を分けずに消費部門とし見たが、よりリアルに資本家は利潤の一部を奢侈品を消費するとして必需品部門の数字は小さくなっている」「奢侈品部門の消費が縮小すると、それが労働者の解雇、解雇された労働者の必需品の消費がまた少なくなると言う。つまり再生産の仕組みの一部が不調になる。それが社会全体に波及すると言う。その事によって過剰生産恐慌が起きる場合もある。しかしこれはあくまでも価値のレベルの話で、直経済恐慌が起きると言う事ではない」「過少消費説への批判があるが、疑問に思う事は恐慌は生産と消費の矛盾、つまり個別の資本家は賃金を低く抑える。しかし社会全体としてはそのために消費が少ない。この矛盾は過少消費ではないのか」「恐慌が起きる時には必ずその前に過剰生産がある。日本のバブルやリーマンショックの時も熱狂的な経済過熱があった。資本家は競争し儲けを求めて過剰生産をする。この生産が過剰である事が、何かのきっかけで表面化する。生産と消費の矛盾がこの時に表面化する。これが過剰生産恐慌である」などの意見が出されました。

◆次回は、5月26日(木)午後6時~8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第20章「単純再生産」第9節から第10節。持ち物は、『資本論』第2部(新版・新日本新書版の第7分冊)。