低賃金を誘導する最賃制度 地域間格差に根拠なし、異様な密室審議会


静岡市『学習の友』学習会

今回は特集の「最低賃金」関連記事を読合せしました。その中のトップ「最低賃金の大幅引き上げには最低賃金法の改正が不可欠」斎藤寛生全労連賃金・公契約対策局長を紹介します。最低賃金を決める「3要素」の内、まず「実際の賃金」を検証。神奈川県の委託労働者の賃金実態調査の結果で3分の1が最低賃金でした。なかでも派遣労働者、指定管理で働く民間労働者がその中心でした。こうした状態が地域の賃金相場を引き下げるとしています。医労連の調査では、看護師の初任給が宮崎県と東京都では月額約9万円もの差があると指摘、学習会では驚きの声が上がりました。「ファストフード」「コンビニ」「自治体」「介護労働」などが主な低賃金職場とされますが、賃金の算出根拠が「地域別最賃」となっています。次に「生計費」です。毎年人事院が示す「標準生計費」は、中央最低賃金審議会では「参考資料」として扱われています。全労連が全国で実施した最低生計費試算調査の結果では、全国どこでも「25歳単身者」で月22万~25万円が必要との結果で、地域間差はほぼないのです。事業の支払能力についても、地域間格差の根拠としては明確に立証されていませんが、厚労省・審議会は支払い能力論だけを意識した決定をしています。審議会は、「公平・透明・公開」という当然の運営がされず、改革が求められています。

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