「日本と世界の近現代史」第5回学習会・昼の部開く「『15年戦争』と日本資本主義(下)」を学習する


第5回学習会を6月14日に開き「『15年戦争』と日本資本主義(下)」を読み合わせと討論を行いました。

 討論では「本文で『日本の将来のあり方を西欧諸国との対峙の中でアジアへの軍事的影響力の確保と財政的に軍事膨張を支えるという方向付けが先行し、大むね総ての国家運営の方針がそれに沿って昭和期にいたることである。その軍事大国化の道筋を追うように経済活動が展開していったと見ることが出来るように思われる』との指摘があるが、これをどのように見たらよいか」「現実に日本は、明治維新以後、海外への侵略行為をすぐに始めている。これは例えば、吉田松陰の「幽囚録」に見られるように日本の領土を広げていく事が日本が生き延びていくために必要との思想である。このような考えに基づいて海外侵略を進めていったのではないか」「今回学習した文書はわかりやすかった。私が学習会に参加したのは『日本は何のために戦争をしたのか』という疑問からであったがよく分かった。また、天皇は軍部に利用されただけとの見方があるが、この文書が指摘しているように『天皇の政治的指揮は強力だった』『天皇は一定の行政的判断を示した』などの天皇の発言を評価している。これは、戦争の遂行に天皇は明確な積極的な意思を示していたと思う」「本文に『筆者から見ると、それにしても重臣会議の三分の二は開戦に消極的であったにもかかわらず、開戦決定という説明は出来ない』と言っているがこれをどのように見るか」「開戦を決定した御前会議の事を言っていると思う。昭和天皇は『米英協調派を中枢から排除した陸海軍を、天皇の信頼がある東条派が『制圧』した観念的認識で開戦へと移ることが分かる」との指摘があるように、基本的なスタンスは、戦争推進であったと思う」「押しつけ憲法論があるが、これをどの様にみたら良いか」「憲法の改悪を主張している人の立場を合理化する事が目的の議論だと思う。この見方議論は正しくない」など意見が出ました。

◆次回は、日時は、7月12日(金)午後1時30分~4時。会場は、「アイセル21」第22集会室。内容は、「戦後変革と日本資本主義」。持ち物は、2018年『経済』11月号(新日本出版社発行)。

コメントは受け付けていません。