「日本近現代史を読む」第5回学習会 第4章「日清戦争-国際関係の変動」を学習する。


 静岡市社会科学学習会は、2月9日(火)「アイセル21」で「日本近現代史を読む」第5回学習会を開き、第4章「日清戦争ー国際関係の変動」の読み合わせと意見交換を行いました。

 意見交換では「自由民権運動の中で、作られた憲法草案は、現在の憲法に引けを取らない民主的な内容だった。しかし大日本帝国憲法の内容はひどく、その原因は『憲法制定への道のりは、国民の憲法論議を保障するどころか、逆に抑えるものだった』という事だと思う」「伊藤博文は、憲法を議論する枢密院で『我が国に在に機軸とすべきは独り皇室あるのみ』と言っている。これは、国民を支配していくため皇室を利用し、天皇を神とし、国民に崇拝させる道を選んだことになる」「内村鑑三はキリスト教徒なのに日清戦争には賛成している」「日露戦争の時には反対をしたが、日清戦争には賛成をしている。それは朝鮮は日本の利益線、日本の防衛のためには朝鮮半島の軍事的確保が必要と、自由民権運動の参加者も多くの人が日清戦争に賛成している」「国学など朝鮮や中国をさげすむ思想があったが、日清戦争を通じて、この感情が広がり、社会に根をはっていくことになる。当時の知識人である福沢諭吉も『日清の戦いは文明と野蛮の戦い』と言っている」「三国干渉で日本は遼東半島を清国に返した。三国干渉は国民の中に屈辱感を植えつけ『がしんようたん』、復讐するために労苦にたえる、の合い言葉で次の戦争の準備へと駆り立てられたとあるが、これが日露戦争へとなつた。日清戦争が日本を戦争突き進むきっかけとなった」など意見が出されました。

◆次回は、3月9日(火)午後1時30分から3時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第5章「日露戦争」。持ち物は、「増補改訂版 日本近現代史を読む」。

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