第18回資本論学習会 第5篇、第14章「絶対的および相対的剰余価値」の報告を受け討議する


静岡市社会科学学習会は、11月12日(木)第18回『資本論』学習会を開き第5編「絶対的および相対的剰余価値の生産」の第14章を学習しました。

 討論では「生産的労働の概念が広げられ、また狭められていると言っているが、では『サービス労働は価値を生産しないが生産的労働である』と言う言い方は正しいのか」「今日資本論の研究者の中には、サービス労働は価値を生産していると主張する人もいる。生産的労働という概念が広がっていると言うのは、その通りだと思う」「マルクスの資本論の立場は、価値を創造する労働は、新たな物質的な財貨を生産する労働である。との立場ではないか」「サービス労働は、価値は生産しないが、資本家に儲けをもたらしてくれれば生産的労働と資本家は思う。資本論の中に『価値を引き寄せる』という言葉があり、商業労働や金融労働が、その例と言われている」「感想だが、マルクスは今から200前に資本論を書いた。しかも当時のイギリスの資本主義を分析した。しかしその内容は、今日の日本で生活している自分にとっても、良くわかる。私は労働の現場で機械の整備や設計の仕事をしていた。その仕事の位置づけなども書かれており、ここまで考えていたのかと驚いている」「9ページの資本論からの引用はどの様な意味か」「形式的包摂は、自営で働いていた人が資本家の指揮の下で働く事で、労働の方法は変わらない。だから包摂は形式的。だから自営に戻ることも出来る。しかし、機械制大工業の時代になると、労働の仕方も変わり、労働者はより深く資本家に包摂される、今日では資本家に雇用されなければ労働者は生活出来ない実質的包摂だ」などの意見が出ました。

◆次回 日時は、11月26日(木)午後6時30分から8時30分。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第15章「労働力の価格と剰余価値の大きさの変動」第16章「剰余価値率を表す種々の定式」。持ち物は、『資本論』第1巻、新版、新書版第3分冊。