第8回「多国籍企業と日本経済」学習会 「医薬品産業におけるグローバル化と現代医薬品企業」読み合わせと意見交換をする


静岡市社会科学学習会は、2月15日(火)「多国籍企業と日本経済」学習会を「アイセル21」で開き、「医薬品産業におけるグローバル化と現代医薬品企業」を学習しました。

 意見交換では「製薬企業は、自社が作った薬の特許が切れると年間で数百億円の売上が減る。そのため特許が切れるまでに次の新薬を開発しなければいけないが、それが出来ずに『シャイアー』を買収した。日本の製薬企業は規模が小さいが、研究開発する方向を高脂血症などにしぼる。国は医療費を削減するとしてメタボ対策を進める方向に動いた」「製薬企業への規制緩和では、以前は新薬の安全性や有効性をたしかなものにするためフェーズ1から7の承認申請の段階があったが、今回のコロナワクチンではフェーズ3までしかない企業まかせになっているのではないか」「日本の製薬会社は、何故ワクチン開発をしないのかという疑問があるが、開発するような方向には進むことが出来なかったと思う」「今日の新薬作りはゲノム情報を元にしての創薬だが、このような技術は日本の企業にはない。これは製薬企業だけでなく日本全体で研究開発者がアメリカなどに流失している。そのために日本企業の競争力が低下している」「昔は、日本の企業は長期的な視野での経営が行われていたが、それが逆転して、日本の企業が目先の利益だけを見て、長期的な研究開発を縮小した。しかし結局日本の企業力が落ちている。何時からこの方向に変わったのか」「新自由主義的な目先の利益を追求する株主資本主義と言われる方向に、バブル崩壊後から90年代にかけて日本企業の多国籍企業化がアメリカからの圧力で急速に進むのと同じ時期に短期的利益を重視する方向に変わったのではないか」などの意見が出ました。

◆次回は、3月15日(火)午後6時~8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、「インターネット通販大手のAmazonとアリババ」の読み合わせ、意見交換。持ち物は、「多国籍企業・グローバル企業と日本経済」です。