第18回『資本論』第2巻学習会 第19章「対象についての従来の諸叙述」第2節の3、4、5と第3節を学習する


静岡市社会科学学習会は、4月14日(木)『資本論』2巻学習会を開き、第19章「対象についての従来の諸叙述」第2節の3、4、5と第3節を学習しました。報告の後意見交換をしました。

意見交換では「アダムスミスは、労働の二重性が分からなかったので、cをv+mに分解していくドグマに陥ったと思うが、抽象的人間労働で新たな価値を創造し、具体的有用労働で生産手段の価値を移転すると言う理解で良いのか」「具体的有用労働で例えば消耗した材料の価値を新しい商品に移している」「『資本論』の618ページで『この価値の一部分は、商品の生産において支出された生産手段の価値が新たな形態で再現したものにすぎない。この価値は、この商品の生産過程中で生産されたものではない。というのは、生産手段は、〔この商品〕生産過程よりまえに、その過程とはかかわりなく、この価値をもっていたからである』とあるがどの様な事か」「商品の価値はc+v+mだがv+mは生産過程で労働により価値が創造されcは生産手段が持っていた価値である事を言っている」「テキストには、マルクスの古い認識と新しい認識が混在していると言うが、『労働者がそれによって生活しなければならない収入となる』と言う事は、間違っているのか」「ここで言いたいのは、資本家が持っている資本が労働者の収入となる事は間違いだと、肝心なのは可変資本は貨幣の姿から労働力という商品資本の姿に変態したのだと言う事、この事を見ないで貨幣の動きだけに目を取られてしまう。資本家が持っていた貨幣が労働者の賃金となる事は事実だが、スミスはそこしか見えない。肝心な事は資本価値が貨幣の姿から労働力という商品資本の姿に変態した事、この資本の循環を見る事が大切だと行っているのではないか」など意見が出されました。

◆次回は、4月28日(木)午後6時~8時。会場は、「アイセル21」第42集会室。内容は、第20章「単純再生産」第1節から第3節。持ち物は、『資本論』第2部(新版・新日本新書版の第7分冊)です。