山田朗(明治大学教授)を講師に、「日本の戦争 歴史認識と戦争責任-改憲問題は歴史認識問題である」の学習講演会を開く。


10月4日(木)山田朗さんを講師に表記の学習講演会を開き25名が参加しました。
山田さんは、講義の中で、改憲の底流をなす「明治150年史観」(明治礼賛論)とは何か、この歴史修正主義を克服するためとして、日露戦争の捉え直し、日中戦争と植民地支配の記憶の復元が必要として、講義を行いました。
「明治150年史観」の立場の例として、戦後70年にあたって発表された「安倍談話」を引用し、その問題点を指摘、その中で日露戦争は植民地支配のもとにあったアジアの人々を勇気づけた。としているが、日本は日露戦争によって朝鮮への支配権を欧米に認めさせ、その後日韓併合へと進んで行った事を指摘しました。日露戦争の捉え直しとして、日本だけではこの戦争は出来なかった。日英同盟によってイギリスからの情報を利用し「バルチック艦隊」の動きを掴んでいた、国家予算の6倍もの戦争費用をイギリス、アメリカが日本の外債を買ってまかなった事、アメリカのクール・レープ商会は最大の出資者であったが、それは満州鉄道の経営に参加する事を条件としていたが、日本は日露戦争後、この約束を拒否したため、その後の日本とアメリカとの対立の出発点となった事。日露戦争は、10年後に起こった「第一次世界大戦」、英国、ロシア、フランスによるドイツ包囲を作る事に貢献した事などを指摘、この事は当時の日本人も現在でもほとんど知らされていない事、日露戦争は、大国ロシアを相手に果敢に闘った日本軍の奮闘にあったとの見方が現在でも支配的である事などを語りました。最後に改憲問題のベースにある歴史認識問題と共に、近隣諸国との付き合い方を「明治150年」から学んではならなと、中国、韓国をはじめとしたアジア諸国との友好関係の構築を訴えました。