現代の資本主義―第6章グローバル化、急速な生産力の発展の今日も 資本の本質は変わらない

1月11日アイセル21において、勤労者通信大学基礎理論コーススクーリングの第7回学習会が開催されました。今回の出席者は6名でした。

今回は、第6章 現代の資本主義です。資本主義社会は、初期の自由競争段階の資本主義から、20世紀以降に独占段階の資本主義に移行していきます。テキストでは、この独占段階の資本主義社会を、第2次世界大戦前と、大戦後のそれぞれの特徴を明らかにしています。更に、近年の「新自由主義」経済政策の諸問題、情報通信技術の著しい発展、グローバル化、金融肥大化の諸課題についても提示し、行き詰まる社会を乗り越える日本資本主義の民主的改革への展望についても触れています。
今回、テキストの範囲が広いため、1時間の講義時間で足りず、途中までで終わったのは残念でした。
以下は、質疑討論の一部です。

 〇近年、若者は就職難なのに、外国人労働者を招き入れる政策をとっているのはどうしてですか。

 〇近年は就職率が高まっているのが実際のところ です。(後日調査、ここ4年の大学卒の就職率は、 4/1現在97%以上)ただし、就職先の問題としては 非正規雇用が4割を占めており、劣悪な労働条件 のなっている点です。また、外国人技能実習制度は、本来日本の技術や知識を途上国に移転し、その国 の経済発展に寄与する国際協力が目的であり、労働力の需給調整を行なわない、との基本理念
です。ところが、政府財界は、外国人技能実習生を日本の労働力不足に利用しており、彼らに劣悪な労働条件を押し付けています。ここが大きな問題です。」

〇テキストで自由主義の紹介があるが、アダム・スミスの夜警国家などの紹介がありません。また新自由主義は『小さな政府』であると紹介されているが、資本に対しては税金を投入するなど『大きな政府』としての面もあります。

 〇少し前にニュースで知った事だが、未来社会との関係で、労働時間の短縮、ドイツのBMWは、週35時間労働が実施されています。労働者の闘いが未来を切り開いている。

 〇テキストでアベノミクスが紹介されています。まさに新自由主義的構造改革だと思います。三本の矢の 一つに、機動的な財政政策があり、これはまさしく国家財政を投入る事で、補正予算でも台湾の半導体企業に六千億円投入する事が報道されています。必ずしも『小さな政府』ではないのです。

〇テキストに『アメリカによる日本政府にたいする年次改革要望書が出され』とあるが、年次改革要望書とは何ですか。

〇例えば、大店法が変えられた事があります。大店法で大きな店を法律で規制していたが、アメリカの資本が自由に出店できるように、この大店法を改正したのです。

〇郵政民営化も年次改革要望書の中で求められました。それまでは自民党の中でも取り上げられなかったが、アメリカが要望した途端、小泉が首相となり実現したのです。

全労働者の暮らし改善政策に背を向ける『連合』の野党共闘妨害


 1月12日に、静岡市内において「学習の友」学習会が開催されました。

今回は、「連合はどこをみているのか―問われた共闘への姿勢」(ジャーナリスト藤田和恵)を読み合わせしました。先の総選挙での野党共闘についての枝野立民党党首の姿勢を紹介し、その「振る舞いのむこうに連合の芳野友子会長の存在を感じた」とし、「共産の閣外協力はありえない」「連合が支援している立憲民主党と共産党の距離感が近くなっていることは非常に残念だ」と芳野氏は立・共の選挙協力に「くり返し不快感を示してきた。」と指摘します。そして各地で「“名ばかり野党共闘„をみせつけられた」「この瞬間、立民は負けたと思った。」と云います。野党4党は20項目の共通政策に合意した。この政策は、「全労働者の暮らしを底上げする」もので、「政策実現のために政権をとる必要があった。」「立民のセンスも理解できないが、それ以上に、選挙に勝つことを最優先課題として野党が結束している最中に、どうしてわざわざ水を差すようなことをいうのか、芳野会長のセンスを疑う。」「連合は、記念撮影から逃げるように去っていく野党代表の背中が、あの場にいた若者を中心とした聴衆にどのように映ったか、いま一度考えるべきだろう。」と結んでいます。討論では、「静岡8区でも、立憲の候補者の応援に共産党の幹部が来る予定であったが、県連合の妨害で実現しなかったと聞いている。」「そういうことが、あちらこちらであったんだろうね。」「芳野会長が、共産党攻撃の発言をし、それに対し共産の志位委員長が根拠を示すよう反論したが、芳野氏はその後何か言ったの?」「言ってないでしょう。」「反共攻撃は、まともに論戦すれば負けるからね。」「静岡県は大企業は多く、そこから出た県連合で超保守だという。多くの他の県連合は、自治労中心が多く一定まともだと聞いた。」「東京では、市民団体が前面に出て共闘がされていて、都議選も含めうまくいっているそうだ。」「最近の日曜討論で、立憲の泉代表が共産党は政権の対象としては見ていないと言った。共産は約束は守ってという対応だが、参議院選はどうかな。」「今度も協議が遅れる感じではないかな。」「立憲と国民が結びついて、共産を外して、ボロ負けし、改憲へとする筋書きもありかと思う。」「反共攻撃はそこが目的だった。芳野氏はくさびを打込む役割を果たしている。」「こちらから連合にくさびを打込めばね、自治労と民間大企業労組とは基本的に違うからね。」など、結構言いたいことを言ってのけた自由討論でした。