総理のご意向を貫徹する国家戦略特区ー加計学園疑惑問題ー官邸主導で行政を歪める


静岡支部『学習の友』学習会

今回は、前回に続いて新メンバー1名を更に加え6名で学習しました。特集の「国家戦略特区と政治の私物化」の2つの記事を、まず読合わせしました。しんぶん赤旗社会部記者三浦誠氏の「加計学園疑惑の核心は何か」と、東京自治問題研究所の川上哲氏の「国家戦略特区とは何か」―その基本的な仕組みと問題点―です。加計学園の獣医学部新設が認められれば52年目とのこと。これまで、担当する農水省は獣医師は不足していないとの判断をしていたからです。加計学園は、自治体と組んで2007年から2014年まで、15回に渡り申請を繰り返し、退けられてきました。ところが、安倍首相主導でつくられた「国家戦略特区」で今治市が2015年に規制緩和を提案し、今年1月に加計学園が事業者に決定しました。獣医学部新設の規制緩和が急ピッチですすんだのです。安倍首相、下村文科相(当時)とも、加計理事長とは知り合いでした。下村氏は100万円のパーティー券を購入させ政治資金収支報告書に載せない問題が発覚、辞任します。この後文科省は獣医学部新設に慎重な姿勢をとりますが、官邸、内閣府から文科省に圧力が強まりました。このように「国家戦略特区」は、政府主導の規制緩和を強引に推し進めるためのものです。討論の中でも、国会議員と官僚との権限の区分けをさせた三権分立に反する状態になっているとの指摘もありました。